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『ライフ』 映画 2017 ソニーピクチャーズ

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 衝撃を噛み締めながらエンドロールを観て、ようやく脱力し余韻に浸る。なにより全編に渡って、映像が美しい。そして、俳優陣~ジェイク・ギレンホール、 レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、真田 広之といった名優たちの共演により繰り広げられる演技は上質で、まるで実際に起きている出来事を、隣で見ているようだ。

 この作品のプロットを一言で言えば、火星人との遭遇だ。が、その火星人は、想像を遥かに超える在り様として、どんどんと我々見手が予測する状況を改変し裏切り始める。プロットといい、舞台設定といい、理想的な裏切りの展開は加速し止まらない。どんなにISSが広くとも、所詮閉鎖された空間だ。追い詰めたつもりが、追い詰められ続け、待ち構える、これまた精緻なカタストロフ。

 ヒトという種は現在、食物連鎖の頂点に立っている。トラでもライオンでもグリズリーでも、ホオジロザメでもシャチでも、人間の能力をもって対応すれば、彼等に勝ち目は皆無で、結果的に生殺与奪の権利を握られ、逆に保護される対象にさえ、なりえる。

 ヒトという種を超え得る種が出現すれば、正にこの通りのことが起こるであろう。どんなに頑張って、叡智を結集したとしても、いたぶられ蹂躙され、憐みを持って庇護され、あるいは見世物にされる。

 そこを忠実に映像として再現したこの作品の価値は、極めて高いものとなった。だから、我々が取るべき道は唯ひとつ。せめて来るべきその日に備えて今、残り僅かな頂の幸せを享受するしかない。一度それが目覚めれば、もう誰にも、止められないのだから。

 この秀逸な作品は、2017年、ソニーピクチャーズにより配信された。

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