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LIFE!/ライフ 2013 20世紀フォックス 映画

 空想の中でショーンに誘われたウォルターは、衝動に突き動かされるままに、ショーンを追う、旅に出る。そこで全編に流れはじめるミュージックとライフ社のスローガン。
 このシーンが一番印象深くステキだ。
 奇想天外なユーモア溢れる空想と、ペーソスと。
 そして何より映し出される世界の、なんと清々しく、美しきこと。もう一度、何が人生たるかを見直す、衝動に突き動かされる。なぜなら、ライフ社のスローガンそのもののアナロジーを、この作品は描いているからだ。
そのアナロジーは、こうだ。

 “世界を見よう
 危険でも立ち向かおう
 壁の裏側をのぞこう
 もっと近付こう
 お互いを知ろう
 そして感じよう
 それが人生の目的なのだから

 TO SEE THE WORLD,
 THINGS DANGEROUS TO COME TO,
 TO SEE BEHIND WALLS,
 TO DRAW CLOSER,
 TO FIND EACH OTHER AND TO FEEL.
 THAT IS THE PURPOSE OF LIFE.”

 ファンタジーとアドベンチャー、愛憎模様や人生の目的。葛藤と絶望、そして希望。妄想と行動、勝手な思い込みに、失意。利害の不一致と、報われぬ熱望。突如見舞われる天災と、ちっぽけな人という存在。旅による、社会でまみれた垢の研磨、魂の浄化…。

 映画に必要な全てのエレメントを見事にモーラしている。また、映像でしか表現できない強みを最大限に活かした映像美。さらには、何よりロケ地の雄大な自然、海、高山、空、雪豹。地球上の生物や風景の、この上なく美しいこと。

 テーゼは、
 「命を、活かすこと」
 したがって、
 「今を、本当に、生きる」
 ということ。

 何度観ても新たな嗜好と美しさのリフレクションに巡り会える珠玉の本作は、2013年20世紀フォックスにより配給された。

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