マガジンのカバー画像

POEM

71
運営しているクリエイター

#オールカテゴリ部門

堕ちてみたけど、

堕ちてみたけど、

さらさらと砂が落ちるように堕ちてい
く、どこまでも。あなたと一緒なら
堕ちるのも悪くない気がして、あ
なたの手を掴んでしまった。
深い夢に落ちるように、
アルコールを浴び
たあの日のよ
うに。







































ぽっかりと空いた穴が、教えてくれる。

ぽっかりと空いた穴が、教えてくれる。

冷たい風が吹いた。

風は肌を撫ぜる。
肌を撫ぜたはずだったのに、
風は僕の中に入ってきて
僕は体の中に穴が空いてるって気づいた。

知りたくなかった。

ぽっかり空いた穴なんて。

秋はこれだから嫌だ。
寂しくなる。

春に花が咲いて、
夏に弾けて、

いつの間にやら穴が空いて
秋になって落ちてゆく。

僕は地団駄を踏んだ。
踏めるだけ踏んだ。

足元が緩んでいく。
足が沈んでいく。

僕は泣い

もっとみる
かさぶたも、飲み込んで

かさぶたも、飲み込んで

かさぶたがポロリと剥がれた

「大人になるってそういうこと」
憧れのあの人の声が聞こえた気がした

傷ついて
悲しんで
涙して
落ち込んで

立ち上がって
前を向くしかなくて
そうでなければ
生きていけないから

「大人になるってそういうこと」

傷跡は少し白く
その皮膚はまだ生まれたてで
これから日に焼けて
周りに馴染んでいくのだろう

「大人になるってそういうこと」

それなら大人になんかなり

もっとみる
詩|COLORFUL

詩|COLORFUL

あかるい
いろたちが
うたいだす

えいえんに
おぼえていたい

カラフルで
キラキラとかがやく
くちずさみたくなる
ケーキのようにあまい
このメロディーを

さわやかなかぜにのって
しあわせのおとがきこえる

すこしだけせすじをのばしたみどりいろが
せなかをおす

そそくさと
たちさるように
ちょっとはずかしがりやの
つめたいみずいろが
てをつなごうとささやく

とまりたくないんだよと
なにより

もっとみる
詩|波乗りジャジー

詩|波乗りジャジー

寄せて
は返す波
に、僕はい
つ乗ることが
できるのだろうか
寄せた時か返す時か僕
にはそれすらわからない。波
に乗り気持ちよさそうに泳ぐ人達
を眺めながら、僕は一人砂浜に佇
むだけなのだ。しかし、この
場所に長くいすぎた。
足が埋もれて動く
ことができな
い。僕は波
にも乗
れず、
どこに
も行くこ
とができない。
水平線を見つめ、
波がない海があるこ
とに今さら気づく。こん
なに穏やかな海もあ

もっとみる
詩|THE END

詩|THE END

朝から君が上機嫌
悪戯に復元されない不機嫌
後ろに束ねた髪も跳ねる
笑顔を噛み殺して何を考えてるの

おざなりになったトースト
考える間もなくそれは突然に
君と僕との間に打たれる句点
クチナシが白々しく香る

決意表明?いや強制終了?
コードを至急解析せよ
五月雨式に0と1が整列する

真実はこれだ
すなわち
正解はここだ
そしてそしてそうだ

楽しげなコードの行進
散らかった思考を更新

詰まる

もっとみる
詩|枠の中には、いたくない。

詩|枠の中には、いたくない。

枠に収まるのを嫌がって自由なフリをする。でも案
外、枠に収まりながら、枠の中で遊べる人が自由じ
ゃないかって思ったりする。だって彼らの心はいつ
も、枠の中に  はなく思考も
心も枠の外に あって。だけ
どあえて枠の

もっとみる
詩|parade

詩|parade

明後日のホウに
色トリどりのネオン
ウサギおどる
エンドロール
おしゃべりな
仮面たち
キラキラの
靴で
ゲートをクグッたら
コンチェルトに乗せてダレカが
囁いた

死んでもユメは終わらないよ
捨てられないオモイを
セカイの真ん中にしちゃイケない
そんなモノは
タナにあげときな

チッタカター
ツッタカター
テッテケテー
トットコトー

ナマエはどこにいった
ニーチェにきいてみようか
盗まれたなら

もっとみる
詩|RAIN

詩|RAIN

雨が
彩る世界に
歌が舞う

エチュードの
終わりに
風に
キスして
靴音とともに
喧騒さえも
越えていく

さっきまでの
静けさは
砂にしみて
世界が
そっと目を覚ます

ダンスを踊りましょう
チークに淡い青色をのせて
つま先から
手の先まで
とっておきの服を着て

流れる泪は
にわか雨とお友達
塗りたての
ネイルの上を
ノクターンが
走り出す

一人きりの夜に
ふたり
隔たりを感じた日を思い出

もっとみる
詩|たまごのはなし

詩|たまごのはなし

卵が先か鶏が先か
なんて神様しか知らな
いんじゃないの?なんて彼
女に言ったら、そんなしょうも
ないこと聞きたくないと怒りだすも
んだから、ダーウィンの進化論の話をし
たら、また怒り出す彼女。あなたと会話が
したいのよ、と言うがこれは会話じゃなかっ
たのだろうかと、好きな卵料理の話を振ってみ
た。あなたまた私の卵料理が固すぎるって文句
言うつもりねと怒る彼女に僕は何と声をかける
のが正解だろうか。

もっとみる
詩|SKY

詩|SKY

明日が
いい天気だといいな

うんざりするような雨だって
映画のワンシーンみたいに
思い出になる出来事があればいい

からっと
気持ちよく晴れてるのもいい
曇りだって素敵

喧嘩したって
小雨が降って
さした一本の傘のおかげで仲直り

幸せな気分になりたくて
素敵な
背中の
そばまで駆け寄って
タッチして
ちょっとだけ
繋いだ右の

と左の手

何気なく見上げた空を
虹が七色に
塗ってたら
猫に

もっとみる
詩|7分間、沸いている。

詩|7分間、沸いている。

湯を沸かすのは卵を
茹でようと思ったか
らなのだが、鍋に卵
が入っていない。私
の頭が沸いている。

沸かした湯を沸いた
頭で眺め、手に持っ
た携帯電話で何をし
ようとしたのかを検
索しても解らない。

役に立たない文明の
利器め!と沸いた湯
で、携帯電話を茹で
てみると、ふと卵の
ことを思い出した。

ゆで卵を作るんだっ
た。携帯電話が熱湯
の中で叫び続けてい
る。熱湯の中でも壊
れない?!まじ

もっとみる
詩|王子様は、待たない。

詩|王子様は、待たない。

あなたなら
息をするだけで
美しいのでしょうね
絵本の中の
お姫様みたいに
かなしみの涙さえ
綺麗な宝石に
苦しそうなその顔も
気だるそうなため息も
粉々になった夢も
冷めてしまった珈琲でさえも
幸せそう
すんでのところで
背を向けたのは正解でした
背けた背中から
立ち上るは征服欲
血のように真っ赤な美味しい林檎をどうぞ
追悼の準備は整っています
手の平に爪痕
止まらない鼓動
流れ出す雫
虹の終わ

もっとみる