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詩|波乗りジャジー

寄せて
は返す波
に、僕はい
つ乗ることが
できるのだろうか
寄せた時か返す時か僕
にはそれすらわからない。波
に乗り気持ちよさそうに泳ぐ人達
を眺めながら、僕は一人砂浜に佇
むだけなのだ。しかし、この
場所に長くいすぎた。
足が埋もれて動く
ことができな
い。僕は波
にも乗
れず、
どこに
も行くこ
とができない。
水平線を見つめ、
波がない海があるこ
とに今さら気づく。こん
なに穏やかな海もあるのか。赤
くなった太陽が恥ずかしそうに隠れて
消えていく。空と海が太陽を介して混
じりあい、今日という世界を終わ
らせようようとしていた。僕
はへたりと腰を砂浜に下
ろし、ぱたんと寝転
んだ。太陽が終
わらせた今日
は、明日を
連れて
くる
ため
の夜を
僕にプレゼ
ントしてくれた
世界中の夜空を手
に入れた僕に無数の星
が落ちてきて、僕は無敵に
なれたような気がした。明日が
今日になったら、波があってもなく
ても、海に出よう。タイミングなん
てものはない。乗りたいか乗り
たくないか。それだけじゃ
ないんだろうか。僕は埋
もれた足を砂から出
して、大の字に
なった。も
うすぐ夜
が明け
る。






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