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#66日ライラン

きょうだいげんかの行方

きょうだいげんかの行方

その考えは、私の驕りだったことに気づいた。
日曜日の夜の出来事。

🌝

我が家には高校2年生と小学5年生の息子がいる。6学年離れているので、兄弟というより、一人っ子が二人みたいに育ってしまった。元々の性格もあるのかもしれないが、とにかく二人ともマイペース。そして、オンラインゲームのやりすぎで煽り体質。顔を付き合わせれば、とにかくよく喧嘩をする。

反抗期でイキりまくっている小学5年生が、高校2

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平戸と夏の思い出

平戸と夏の思い出

旅行先を平戸に決めたのは、特別な理由があったわけではない。ペットも泊まれる宿を平戸に見つけたからだった。

そこにペットも泊まれる部屋があるからだ。

愛犬家、そう呼んでもらっても構わない。犬と一緒に旅行に行きたいというのは人間のエゴなのかもしれない。エゴの意味はよくわからない。夏休みだから旅行に行く。犬がいるからペット可の部屋に泊まる。つい先月も伊王島に行ったから、お値打ちの宿に泊まる。ほとんど

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吾輩が感じる夏

吾輩が感じる夏

吾輩は犬である。

名前はポッキー。マルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。毛は白く、ふわふわ、或いはもふもふとしている。

吾輩は6月で齢1歳となった。昨年の夏のことは覚えていない。ペットショップで過ごしていたし、赤子だったことが原因だろう。記憶がない。ほぼ初めての夏だと言っていい。そして今年の夏が、今の家に来てはじめて過ごす夏である。

しかし、暑い。とにかく暑い。

吾輩の夏に対す

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i+Land nagasakiに愛犬と泊まってきた(長崎市伊王島)

i+Land nagasakiに愛犬と泊まってきた(長崎市伊王島)

長崎は今日も雨だった。

7月13日(土)15:00
天気予報が当たった。雨が降った。

豪雨。

せっかくの旅行なのに、雨だなんてついてない。
なんてことは思わなかった。むしろよくここまでもってくれたと私は感謝した。

☔️

一週間前からずっと、私は天気予報とにらめっこをしていた。
それも一つの天気予報ではない。私は複数の天気予報を検索しては落胆し、検索しては喜んだ。ウェザーニュースにWind

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空っぽのはずの水筒に入っていた氷の半分は、

空っぽのはずの水筒に入っていた氷の半分は、

カラカラと水筒の音を鳴らして、息子が家に帰ってきた。

額には汗。空には入道雲。青とも水色ともつかない夏の空は、私が小学生の頃と何一つ変わっていない気がした。水筒を鳴らしながら意気揚々と息子が帰ってきたのは、今から6年前。今、高校2年生の息子が小学5年生の頃のこと。そんなことを思い出す夏の日の空は変わらずに青く、そして、白い入道雲がもくもくと夏空を支配している。照りつける太陽の熱は、どことなしか今

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吾輩はグルメである。

吾輩はグルメである。

吾輩は犬である。名前はポッキー。

猿荻家のアイドルであり、もうすぐ一歳になるマルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。
吾輩はかなりのグルメである。味のわかる男であり、この家の母親のように口に入ればなんでもいい、腹に溜まれば何でも良いと言うような適当さや雑さはない。

吾輩はグルメなので、朝晩に定期的に出される謎の茶色いカリカリとした食べ物はあまり好きではない。エイヨーがあるからと、おか

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シングルベッドは満員です

シングルベッドは満員です

6畳間にシングルベッド三台。

これが我が家の寝室の状況だ。
そのベッドの上に夫、次男、私とそして愛犬ポッキー(マルプー/オス)がトドのように横たわって眠っているのが猿荻家の夜11時から朝5時半までの現状である。

次男は小学五年生なので、もう一人部屋を与え、一人で寝ていい年頃ではある。
しかし彼は、中学校入学までは一緒に寝ると言って聞かない。そのため私は、あとわずかな川の字で眠る時間を楽しむこと

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ジムの価格は130円

ジムの価格は130円

学校から帰宅した高校二年生の長男が言った。
「お母さん、俺、ジムに行ってくる」

「ジ、ジム?」
私は思わず聞き返した。

私にとってジムとはひと月単位で契約するようなものであり、「公園に行ってくる」みたいな感覚で行くものではない。
友達に誘われて彼はジムに行くと言うが、変な勧誘をされないだろうか、と私の心にモヤモヤとした心配が込み上げてきた。

家に引きこもり、永遠にスマートフォンで荒野行動をし

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味方ができたと嬉しかったのよ

味方ができたと嬉しかったのよ

母が私を産んだのは、何歳の時だったのだろうか。

今年70歳を迎える母。
私が今年44歳になるので、私を産んだのは26歳の時になる。私は長子なので、母のはじめての出産。

母は福岡生まれ福岡育ち。
独身の時は事務職の仕事をしていて、夜にはバーテンの真似事もやっていたと聞いたことがある。お酒が大好きで、友達とワイワイ賑やかに過ごすのが好きな人。

父は徳島生まれ徳島育ち。
インテリアデザイナーをして

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10年前は何をしていましたか?

10年前は何をしていましたか?

数字を耳にして、指を折りながら記憶を遡る。

10年前の私はとにかくバタバタしていた。
長男小学一年生、次男一歳、私職場復帰。もちろん夫もいるが、夫の勤務形態のこともあり私が家事と育児を担っている状況だった。

朝は長男と小学校の近くまで行き、その足で次男を保育園へ送り、仕事へ行く。
夕刻、仕事を終え、保育園へ次男を迎えに行き、放課後児童クラブから私の実家へ帰宅した長男を迎えに行く。

お腹を空か

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僕のポケットの未来に、4人並んで映画を見る姿は映っているかな

僕のポケットの未来に、4人並んで映画を見る姿は映っているかな

46歳男、43歳女、16歳男、10歳男。

三月末日、小さな子どもを連れた親子連れに混じり映画館の座席に仲良く並びドラえもんの映画を見ているのは、多分想定の年齢層より若干、いや少しだけ年齢高めな四人。その四人は、紛れもない猿荻家の面々である。

高二と小五の息子を持つ私は、ドラえもんもクレヨンしんちゃんももう卒業したものと思っていた。しかし今回のドラえもんの映画の主題歌がVaundyということで、

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お手マスターポッキーの悟り

お手マスターポッキーの悟り

吾輩はお手を覚えた犬である。

皆、吾輩をマスターポッキーと呼ぶが良い。
それではとくとご覧にいれよう。吾輩の華麗なるお手を!

へへへ。すごいだろ。
この技さえ披露しておけば、皆が吾輩を褒める。
そしてこの技を見たいがために、皆、吾輩に美味しい餌をくれるのだ。

しかし、この技をマスターするのに、吾輩は一週間程度の時間を要した。
お母さんがものすごい小さい餌を使って吾輩にこの技を習得させようとし

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