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#日記

唐津ドライブ

唐津ドライブ

「ドライブに行こうか」

ドライブの醍醐味と言えば、移動の間の楽しい時間、なんて思っていたのは遠い昔のこと。

移動を楽しめた若い頃の私は、助手席が好きだった。
助手席に乗って、運転席の彼を眺めていたい。甲斐甲斐しく、運転席の彼の飲み物の蓋を開けたり、彼の口に飴玉を放り込んだり、ムダなお手伝いをしたい。
それに、あえてミニスカートを履いて、助手席に座りたい。

では、今は?

積極的に、後部座席に

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帰宅後、餃子を100個包む。え?! ひとりで?

帰宅後、餃子を100個包む。え?! ひとりで?

朝は、やる気に満ちあふれていた。

「今日の晩ごはんは、餃子よ」
朝からキッチンで餃子のタネを仕込みながら、私は餃子でビールを飲む自分の姿を想像しては、ニヤけていた。

想像の中の私は、現実の私より30%ほど脂肪がカットされ、顔面はテイクアウトの消費税分と同様に10%ほど美しさが上乗せされている。鏡を見るたびに、現実を知り落ち込む日々だが、鏡を見さえしなければ、楽しい日々だ。能天気脳バンザイ!

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仕事に行くのがダルい私と、学校に行きたくない次男。

仕事に行くのがダルい私と、学校に行きたくない次男。

朝っぱらから、我が家には不穏な空気が流れていた。

その時刻、7時58分。
そろそろ家を出なくては、遅刻してしまうギリギリの時間。

ああ、暑いし、仕事行くのだるいな。

そんなことを考えながら、玄関を出た。足元を見ると、アリが歩いていた。アリと目が合った気がした。アリが「間に合うの?」と聞いてきた気がして、私はこう答えた。

わりとギリギリッス

しょうもないダジャレが思いつくぐらいには、今日も

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古傷が疼き始めた……

古傷が疼き始めた……

横を向くと、小学5年生の次男が右腕を伸ばしたり、曲げたりしていた。

「なんか腕が痛い。曲げるところが痛い」
訝しげな顔をして、肘の内側が痛いと訴えてくる。肘の内側の名前はなんと言うんだろうか。私は知らない。呼びかけたこともない。なかやまきんに君なら、コイツに親しげに話しかけるのかもしれないが、私はなかやまきんに君ではなかった。身近な場所なのに名前を知らなかったことに私は衝撃を受けた。注射を打って

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きょうだいげんかの行方

きょうだいげんかの行方

その考えは、私の驕りだったことに気づいた。
日曜日の夜の出来事。

🌝

我が家には高校2年生と小学5年生の息子がいる。6学年離れているので、兄弟というより、一人っ子が二人みたいに育ってしまった。元々の性格もあるのかもしれないが、とにかく二人ともマイペース。そして、オンラインゲームのやりすぎで煽り体質。顔を付き合わせれば、とにかくよく喧嘩をする。

反抗期でイキりまくっている小学5年生が、高校2

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平戸と夏の思い出

平戸と夏の思い出

旅行先を平戸に決めたのは、特別な理由があったわけではない。ペットも泊まれる宿を平戸に見つけたからだった。

そこにペットも泊まれる部屋があるからだ。

愛犬家、そう呼んでもらっても構わない。犬と一緒に旅行に行きたいというのは人間のエゴなのかもしれない。エゴの意味はよくわからない。夏休みだから旅行に行く。犬がいるからペット可の部屋に泊まる。つい先月も伊王島に行ったから、お値打ちの宿に泊まる。ほとんど

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i+Land nagasakiに愛犬と泊まってきた(長崎市伊王島)

i+Land nagasakiに愛犬と泊まってきた(長崎市伊王島)

長崎は今日も雨だった。

7月13日(土)15:00
天気予報が当たった。雨が降った。

豪雨。

せっかくの旅行なのに、雨だなんてついてない。
なんてことは思わなかった。むしろよくここまでもってくれたと私は感謝した。

☔️

一週間前からずっと、私は天気予報とにらめっこをしていた。
それも一つの天気予報ではない。私は複数の天気予報を検索しては落胆し、検索しては喜んだ。ウェザーニュースにWind

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ハピバオレ!

ハピバオレ!

吾輩は犬である。名前はポッキー。

むしの日に生まれた犬。それはまさしく吾輩のことである。6月4日で齢一歳となった。人間年齢にすると17歳。世が世なら、吾輩は成人である。そう、もうオレ、大人。

誕生日の朝、吾輩は散歩中、橙色のいい匂いのする丸いものを見つけた。こっそりと口に咥え持って帰ろうとしたところ、例の如くおかんに見つかった。いつもはのっそりと歩いているおかんだが、吾輩の盗み食いを見ると、途

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俺のはいつも、兄ちゃんのお下がり。

俺のはいつも、兄ちゃんのお下がり。

薄手の長袖のシャツ一枚がちょうどいい気温だった。
朝晩は少し肌寒くも感じたが、昼間は少し歩けば体が温まり、袖を捲りたくなるほどのいい天気。

今朝も相変わらずバタバタしていた。小学五年生の息子が、出勤時刻5分前に今週の時間割を出してきた。持ち物の欄を見て、私はガックリと肩を落とす。

裁縫道具。

昨日言って欲しかった。小学五年生になると裁縫道具が必要になる。学校から購入申し込みの封筒が届いていた

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賑やかな食卓での会話_あれは、宇宙との交信だった。

賑やかな食卓での会話_あれは、宇宙との交信だった。

夕刻。

平日の夜7時に、珍しく家族四人でダイニングテーブルを囲んだ。
いつもならば高校2年生の長男と小学5年生の次男は、呼べども呼べどもリビングに顔を出さない。なぜならば、ゲームを優先しているからだ。
夜7時半ごろになって、ゲームのキリのいいところで、やっと息子たちがリビングに顔を出すのが我が家の日常だ。

しかし、今日は違った。

メニューが鶏の唐揚げだったからだ。
我が家の平日メニューは曜日

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吾輩はおかわり上手である。

吾輩はおかわり上手である。

吾輩は犬である。名前はポッキー。

猿荻家のアイドルであり、マルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。吾輩には最近気づいたことがある。吾輩にはもう一軒、出入りできる家があるようだ。家もおかわりできるらしい。

そこには、じいじとばあばが住んでいる。最近まですっかり忘れていたが、猿荻家の面々が2、3日不在にしていた折に、吾輩はじいじとばあばに預けられていたのだった。こたつもあり、ソファーもあ

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左右靴下ばらばらだけど、500点獲得。

左右靴下ばらばらだけど、500点獲得。

朝っぱらから息子がゲンナリしていた。

なぜならば、その日は土曜日なのに授業がある日だった。小学5年生の息子は、爽やかな土曜日の朝の空気をぶち壊すほどの憂鬱さをまとって、リビングに登場。

「お母さんの小学生の頃はねぇ、土曜日はいっつも授業やったんやけど」なんて、擦られまくった昔話は口にしない。時代が違うんだから、そんなこと言われても、息子だってどうしようもない。

私だって、職場の大先輩方から「

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吾輩はグルメである。

吾輩はグルメである。

吾輩は犬である。名前はポッキー。

猿荻家のアイドルであり、もうすぐ一歳になるマルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。
吾輩はかなりのグルメである。味のわかる男であり、この家の母親のように口に入ればなんでもいい、腹に溜まれば何でも良いと言うような適当さや雑さはない。

吾輩はグルメなので、朝晩に定期的に出される謎の茶色いカリカリとした食べ物はあまり好きではない。エイヨーがあるからと、おか

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シングルベッドは満員です

シングルベッドは満員です

6畳間にシングルベッド三台。

これが我が家の寝室の状況だ。
そのベッドの上に夫、次男、私とそして愛犬ポッキー(マルプー/オス)がトドのように横たわって眠っているのが猿荻家の夜11時から朝5時半までの現状である。

次男は小学五年生なので、もう一人部屋を与え、一人で寝ていい年頃ではある。
しかし彼は、中学校入学までは一緒に寝ると言って聞かない。そのため私は、あとわずかな川の字で眠る時間を楽しむこと

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