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#日記

ハピバオレ!

ハピバオレ!

吾輩は犬である。名前はポッキー。

むしの日に生まれた犬。それはまさしく吾輩のことである。6月4日で齢一歳となった。人間年齢にすると17歳。世が世なら、吾輩は成人である。そう、もうオレ、大人。

誕生日の朝、吾輩は散歩中、橙色のいい匂いのする丸いものを見つけた。こっそりと口に咥え持って帰ろうとしたところ、例の如くおかんに見つかった。いつもはのっそりと歩いているおかんだが、吾輩の盗み食いを見ると、途

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俺のはいつも、兄ちゃんのお下がり。

俺のはいつも、兄ちゃんのお下がり。

薄手の長袖のシャツ一枚がちょうどいい気温だった。
朝晩は少し肌寒くも感じたが、昼間は少し歩けば体が温まり、袖を捲りたくなるほどのいい天気。

今朝も相変わらずバタバタしていた。小学五年生の息子が、出勤時刻5分前に今週の時間割を出してきた。持ち物の欄を見て、私はガックリと肩を落とす。

裁縫道具。

昨日言って欲しかった。小学五年生になると裁縫道具が必要になる。学校から購入申し込みの封筒が届いていた

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賑やかな食卓での会話_あれは、宇宙との交信だった。

賑やかな食卓での会話_あれは、宇宙との交信だった。

夕刻。

平日の夜7時に、珍しく家族四人でダイニングテーブルを囲んだ。
いつもならば高校2年生の長男と小学5年生の次男は、呼べども呼べどもリビングに顔を出さない。なぜならば、ゲームを優先しているからだ。
夜7時半ごろになって、ゲームのキリのいいところで、やっと息子たちがリビングに顔を出すのが我が家の日常だ。

しかし、今日は違った。

メニューが鶏の唐揚げだったからだ。
我が家の平日メニューは曜日

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吾輩はおかわり上手である。

吾輩はおかわり上手である。

吾輩は犬である。名前はポッキー。

猿荻家のアイドルであり、マルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。吾輩には最近気づいたことがある。吾輩にはもう一軒、出入りできる家があるようだ。家もおかわりできるらしい。

そこには、じいじとばあばが住んでいる。最近まですっかり忘れていたが、猿荻家の面々が2、3日不在にしていた折に、吾輩はじいじとばあばに預けられていたのだった。こたつもあり、ソファーもあ

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左右靴下ばらばらだけど、500点獲得。

左右靴下ばらばらだけど、500点獲得。

朝っぱらから息子がゲンナリしていた。

なぜならば、その日は土曜日なのに授業がある日だった。小学5年生の息子は、爽やかな土曜日の朝の空気をぶち壊すほどの憂鬱さをまとって、リビングに登場。

「お母さんの小学生の頃はねぇ、土曜日はいっつも授業やったんやけど」なんて、擦られまくった昔話は口にしない。時代が違うんだから、そんなこと言われても、息子だってどうしようもない。

私だって、職場の大先輩方から「

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吾輩はグルメである。

吾輩はグルメである。

吾輩は犬である。名前はポッキー。

猿荻家のアイドルであり、もうすぐ一歳になるマルチーズとトイプードルの遺伝子を持つものである。
吾輩はかなりのグルメである。味のわかる男であり、この家の母親のように口に入ればなんでもいい、腹に溜まれば何でも良いと言うような適当さや雑さはない。

吾輩はグルメなので、朝晩に定期的に出される謎の茶色いカリカリとした食べ物はあまり好きではない。エイヨーがあるからと、おか

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シングルベッドは満員です

シングルベッドは満員です

6畳間にシングルベッド三台。

これが我が家の寝室の状況だ。
そのベッドの上に夫、次男、私とそして愛犬ポッキー(マルプー/オス)がトドのように横たわって眠っているのが猿荻家の夜11時から朝5時半までの現状である。

次男は小学五年生なので、もう一人部屋を与え、一人で寝ていい年頃ではある。
しかし彼は、中学校入学までは一緒に寝ると言って聞かない。そのため私は、あとわずかな川の字で眠る時間を楽しむこと

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ジムの価格は130円

ジムの価格は130円

学校から帰宅した高校二年生の長男が言った。
「お母さん、俺、ジムに行ってくる」

「ジ、ジム?」
私は思わず聞き返した。

私にとってジムとはひと月単位で契約するようなものであり、「公園に行ってくる」みたいな感覚で行くものではない。
友達に誘われて彼はジムに行くと言うが、変な勧誘をされないだろうか、と私の心にモヤモヤとした心配が込み上げてきた。

家に引きこもり、永遠にスマートフォンで荒野行動をし

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ちっちゃいコトは気にするな

ちっちゃいコトは気にするな

それワカチコワカチコ〜

って言いたくなった人は多分、いや間違いなく、すでに友達。チーム友達。
ワカチコ? 何それって思った人は正解。友達になりたい。
いや、如何にいわんや、言わんやろと思った人、最高です。ありがとうございます。お友達になっていただけますか?

ちっちゃいこと〜はでお馴染みといえばゆってぃだが、別にここでゆってぃの話をしたいわけではない。

そもそも、ワカチコって何?
ワカチコの

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たぶんあれは、マイクポップコーンだった。

たぶんあれは、マイクポップコーンだった。

5月3日(金)祝日。

その日私は、福岡空港のすぐそばにあるベスト電器スタジアムにいた。サッカー観戦をするためだ。

サッカー観戦をするとは言ったものの、私はサッカーのルールを知らないし、選手も知らない。たぶん私は会場内で一番サッカーに興味がない観客だったのではないかと思われる。しかし贅沢にも結構いい席に座っていたと思う。メインスタンドの前から5列目。

サッカーに興味がない私がサッカー観戦をする

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10年前は何をしていましたか?

10年前は何をしていましたか?

数字を耳にして、指を折りながら記憶を遡る。

10年前の私はとにかくバタバタしていた。
長男小学一年生、次男一歳、私職場復帰。もちろん夫もいるが、夫の勤務形態のこともあり私が家事と育児を担っている状況だった。

朝は長男と小学校の近くまで行き、その足で次男を保育園へ送り、仕事へ行く。
夕刻、仕事を終え、保育園へ次男を迎えに行き、放課後児童クラブから私の実家へ帰宅した長男を迎えに行く。

お腹を空か

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息子は平気で嘘をつく

息子は平気で嘘をつく

冷蔵庫に入っていた三ツ矢サイダーが、少しばかり減っていた。

それは週末用に買っておいた、冷蔵庫のチルド室に隠しておいた三ツ矢サイダーだった。
なぜ隠しておくかと言えば、息子たちに毎日ジュースを飲ませるわけにはいかないと、私が考えているからだ。

そのため私は、曜日を決めて、息子たちにジュースを提供している。

息子たちはそれを理解している。
なので、ジュースを飲みたい時は、必ず私に確認をする。

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吾輩は、今日も元気である。

吾輩は、今日も元気である。

吾輩はポッキーである。吾輩は今日も元気である。

とある日、吾輩はやたらと年老いた犬やら猫やらがいる場所に連れて行かれた。その日は朝から何も食べさせてもらえず、吾輩は腹ペコであった。

どうにもこうにも腹が減って仕方がなかったが、吾輩はそこでいつの間にやら眠らせられて、そして気がつけば変な物を首に巻かれていた。

さらには家に帰ると、餌やおもちゃがふんだんに乗っていた台が、突如急成長を遂げ、身長5

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