#フィクション
プレジャー・ランドへようこそ_第1話
プロローグ
1
「うたた寝でも悪夢かよ」
ノキアは小さく独りごちて、舌打ちをした。
同じような家が建ち並ぶ住宅街の中に、山中ノキアの家はある。中学二年生のノキアは、生理痛を理由に部活をサボって早めに家に帰ってきていた。時刻は夕方の6時半。腹痛はすでに回復していたものの、なんのやる気も起きず、ノキアは制服の白いシャツとジャケットそしてスラックスを着たまま、ベットの上に横たわっていた。窓から
白雪美香は彼氏ができない!_第3話
↓ 第2話
8 青ひげペローは一目惚れする!
9 白雪美香はダイエットを決意する!
「なんか悔しい!」
ユキミはチョコの部屋で、足をチヨコに押さえてもらいながら腹筋の真っ最中だ。分厚い脂肪の下に隠れ切った腹筋は、仕事をするそぶりを微塵も見せない。ユキミの腹筋は、ユキミの腹を持ち上げる気力なく脂肪の布団の下で眠りについている。冬眠中の腹筋を叩き起こそうとユキミはなんとか体を持ち上げようとする
白雪美香は彼氏ができない!_第1話
プロローグ
「はぁ、はぁ、はぁっ」
白雪美香は、ぽっちゃりとした白く柔らかな肉体を揺らしながら、福岡市のセントラルパークと言われる大濠公園を走っている。
5月中旬の福岡は夏日になることもあり、今日の気温は25度を超えていた。気温が上がることは白雪美香もわかっていたが、ここまで暑くなるとは予想だにしていなかった。もう夏じゃないか、と白雪美香の荒い呼吸の中にため息が混じる。今更ながら厚手の服
青ひげペローの婚活日記_白雪姫とLINE編
先日マッチングした白雪姫(仮名)と、LINEを交換することができた。
ちょっと強引だったかもしれないが、なんとかここまでこぎつけることができた。LINE交換をするタイミングは、「短期間でメッセージのやり取りが続いた後が多い」という情報を仕入れたため、私は白雪姫が返信したくなるような内容を数度のメッセージから予測し、ラリーへと持ち込んだ。
作戦は成功。
きっと趣味が合うと思われたに違いない。
コイン・チョコレート・トス_第1話
🪙 プロローグy=-3x²の放物線を描きながら、宙を舞うコインチョコ。
玄関の白い天井の少し下の位置を最高到達点とし、コインチョコは幸子の手の平に落ちてきた。幸子はそれを両手で優しくキャッチする。
幸子はコインチョコが左手に落ちてきた瞬間、上から右手をそっと添える。コインチョコがどちらかを向いているかが見えないように静かに隠す。
表か、裏か。
全ての決断は、コインチョコに委ねられた。
口の中で幸せ弾ける六花亭のつゆ
「なんで、あんなこと言っちゃったんだろ……」
私は小さく独りごちた。
部屋の電気もつけずに、カーテンも閉めずに、窓から入り込む月明かりだけが頼りの夜。
ケンカなんてするつもりもなかったのに、ホントになんであんなこと言っちゃったのか、自分でもよくわからなかった。もしかすると、やきもちと彼への恋心を焦がしながら待っていた五日間の気持ちが爆発しちゃったのかもしれない。
北海道への出張。
彼と一緒