青ひげペローの婚活日記_白雪姫とLINE編

先日マッチングした白雪姫（仮名）と、LINEを交換することができた。

ちょっと強引だったかもしれないが、なんとかここまでこぎつけることができた。LINE交換をするタイミングは、「短期間でメッセージのやり取りが続いた後が多い」という情報を仕入れたため、私は白雪姫が返信したくなるような内容を数度のメッセージから予測し、ラリーへと持ち込んだ。

作戦は成功。

きっと趣味が合うと思われたに違いない。
白雪姫はカメラが趣味。マッサージにもよく行くとのことだった。マッサージについての話題に触れると、若干変態みが出るかもしれないので、マッサージに関する話題についてはできるだけ体を労わる発言をするように務め、メッセージの話題はカメラや写真の話題に特化した。

撮り鉄だった頃の知識が役に立った。
もちろん、撮り鉄だということはあまり強調はしていない。なぜなら白雪姫は映えスポット巡りをすることが多いようだったので、写真の方向性が違うと感じたからだ。そのため、写真の内容についてはあえて触れず、カメラなどの機材の話題を主軸にし、会話を展開させた。

なんとなく写真を撮るのが楽しいと言っているミーハーさについては、全くかわいいとは思えない。もし白雪姫と結婚できたとして、食事の前に急にカメラをスッと出してきて、「SNSにアップするから、まだ食べちゃダメ！」と言われて、温かい出来立ての食事を「待て」状態でお預けされたら敵わないと思ってしまう。どうせ撮るなら食べ物の写真でなければいいなと思ったりもするのだが、風景写真もいかがなものかと思ったりする。映えスポットに写真を撮りに行きたいなどとのたまわれて、休みの日にわざわざ人が多い場所に足を運ぶというようなことにもなりかねないというのも不安要素だ。

何か趣味を持つのなら、有益なものであり、かつお金のかからないものにすればいいのに、と私は思う。例えば、料理や運動なら日常生活の役にも立つし、お金もさほどかからないのではないか。

ついつい、そのようなアドバイスをしたくなったが、デートにこぎつける前に愛想をつかされては困る。私はアドバイスしたくなる気持ちを堪えて、話題を逸らした。逸らした先が男性の容姿の話になってしまったのがよくなかったと後悔している。容姿の話をする人間に限って、コンプレックスが強いのではないのかと私は考えているのだ。

《ひげについてはどう思われますか？》

と送った瞬間に既読がついて私はギョッとした。送信取消が間に合わなかった。ああ、と私は肩を落とした。私の青ひげが濃いということがバレるのではないかと肝が冷えた。白雪姫が青ひげが濃い男性が嫌いだったらどうしようと。元来ディズニーの王子は青ひげが濃そうな顔をしているし、白雪姫がディズニープリンセスであれば、私のような男性がタイプなのだと思うのだが、彼女はディズニープリンセスではない。

ちょっと間が空いて、
《似合っていればいいと思います。》

絵文字のない返信にゾッとした。似合っているというのはあまりに主観的。私はこの話題には二度と触れないと決めて、趣味の話へと話題を戻し、事なきを得た。

白雪姫には架空の趣味である金のかからない筋トレを伝えておいたが、私の最近の趣味といえば、もっぱらnoteに文章を書くことだ。
無料で利用でき、しかも広告の入らないシンプルなデザインが気に入っている。noteの街の人たちは皆、文章力がありどの記事を読んでも面白い。

私もいつかは「今日の注目記事」に選ばれてみたいと思ってはいるが、いかんせん書いている内容がただの婚活日記であるからして、その願いは叶わないのではないかとも思っている。

しかし、いつの日か結婚相手に出会えた時、そして結婚できた暁には、私のこの婚活の経験を皆に共有したいと思っている。

結婚願望がない男性が多い世の中ではあるが、「結婚できない男」と「結婚したくない男」では同じ結婚していない男性でも中身が大きく異なると私は考えている。私は「結婚できない男」ではなく、どうせなら「結婚したくない男」になりたい。

もし、誰かと結婚することになり上手くいかずに離婚したとしても、その時の私は「結婚したくない男」である。しかし、このまま結婚せず生涯を終える時、私は周囲の人間から「結婚できなかった男」としてのレッテルを貼られたまま、火葬場で燃やされることになるかもしれない。

そんなレッテルを胸につけたまま、天国に行きたくはない。

だから、私は今日も婚活をするのである。

---

明日から、創作大賞2024用に書いた恋愛小説「白雪美香は彼氏ができない！」を公開します。

「青ひげペローの婚活日記」は作中に出てきます。予告編として、本文にはないものを公開してみました。

遊び心と楽しく読んでいただきたいという気持ちだけで書きました。
どうぞ読んでやってください！
ぜひ、楽しんでいただけたらと思います！
笑いが入れたくて頑張ってみたけど、スベってたら一緒にスベってください！

よろしくお願いいたします！

懇願！！！！！！

↓ 第一話予告｜たこの唐揚げ