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したたかに生き愛を生むガイドブック

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茶々から学ぶ、したたかな生き方
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#幸せになる方法

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十九話 自分の存在価値を認める

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十九話 自分の存在価値を認める

自分の存在価値を認める

三歳の秀頼と私は伏見城に移り、秀吉と暮らし始めた。この年、秀吉は自分が亡くなった後でも豊臣政権が盤石であるよう、秀頼に継承するためのバックアップ体制を整えた。
秀吉はいつも幼い秀頼を抱きかかえ、家来達との会議や彼らに命令を下した。秀吉なりの帝王学を、秀頼に肌身で学ばせていた。
秀頼は自然と上に立つものの器に育っていった。私はそれが何よりもうれしく、誇らしかった。

慶長3

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リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十八話 運は強気なものに味方する

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十八話 運は強気なものに味方する

運は強気なものに味方する

日に日に、秀吉の拾への溺愛ぶりが増していった。鶴丸の時と同じように、いやそれ以上に秀吉は拾いを可愛がっている。

私も拾が、可愛くて愛おしくたまらない。
毎日我が子を抱いて自分の乳を与えるなど、鶴丸の時にはなかった。
乳を飲ます内、これが我が子、という愛着がますます深くなる。
乳はいくらでも湧いて出た。

私が拾に乳を飲ませている姿を、秀吉は目を細めうれしそうに見ていた

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リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十七話 これからも私についてきて

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第十七話 これからも私についてきて

これからも私についてきて

私は生まれたばかりの赤子を抱きしめた。お湯で洗われピカピカになった、ふわふわしたあたたかい塊。この子は私の愛で命だ。それをもう一度手に入れた喜びと安堵で、泣きそうになった。その日から私は秀吉に言われた通り、乳母ではなく自分の乳を口に含ませた。赤子は、顔を真っ赤にし無心にゴクゴクと乳を吸う。その様子が、愛おしくてたまらない。そばで乳母の大蔵卿局も目を細め、うれしそうに見て

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リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第七話 秘密は女を美しくさせる

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第七話 秘密は女を美しくさせる

秘密は女を美しくさせる

「ああ、今回も・・・・・」
月のものをトイレで見た私は、ため息をついた。
自分の子宮から流れる赤い血が、忌々しい。
まるで
「お前には子どもはできぬ」
とらく印を押されたようで、落ち込む。

子が
子どもがほしい。
私の子が欲しい。

もしこのまま、ずっと秀吉の子を身ごもることができなかったら?と思うとゾッとする。あの好色の秀吉のことだ。私に飽き、またすぐ新しい女に目を移

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リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第六話 
Are You Ready?

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第六話  Are You Ready?

Are You Ready?

野心の扉の開いた先は、秀吉の跡取りとなる天下人の母。

秀吉が望む子どもを、私が彼に与える。正室の寧々にも他の側室達にもできなかった豊臣を継ぐ男児を産む。その子が彼から私への愛と地位を、揺るぎないものにする要石。
私は「どんな手を使っても、この要石を手に入れる」と彼との褥を終え、決意した。

早速翌日、手を尽くし子どもが授かる、という妙薬を取り寄せた。
そして、子ど

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リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第五話 野心と快感の扉

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」第五話 野心と快感の扉

野心と快感の扉

秀吉は妻寧々の顔色を気にしながら、ちょくちょく私に会いに来た。
私は彼に私以外の女、つまり側室が数多くいることを知っていた。
その内の一人従姉の京極龍子は、初の夫の姉だ。
龍子は浅井の父の姉の娘だ。秀吉の寵愛を受けているが、彼女に嫉妬はない。だが浅井の血をひく女を二人もそばに置いているのは、彼が母を抱けなかった恨みから来ていると感じた。

その夜、布団の上で私はわざと無邪気なふり

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