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淡座「端唄と忠臣蔵」、本條秀太郎の三味線
深川江戸資料館での淡座本公演「端唄と忠臣蔵」、すばらしかった。 淡座(http://awaiza.com) は、現代音楽の作曲家・桑原ゆう、ヴァイオリン・三瀬俊吾、チェロ・…
隅田川はせせらがない (燐光校閲エッセイ) 1
寄席ではよく「噺家は世情の粗で飯を喰い」という。
落語家という世拗人(よすねびと)たちは、世間で芸能人の不倫が取り沙汰されれば、「紙入れ」や「風呂敷」といった浮気の噺を嬉々として高座にかける。
そもそも落語には人間の清いところ、強いところよりは、だらしがないところ、弱いところを扱ったネタが多い。
「わかっちゃいるけどやめられない」。これが落語の基本的な人間観である。「業の肯定」なんて言った
公と私についての覚書
(順不同に書き継がれていく覚え書き。)
公と私。“The personal is political”という1960年代以来のスローガンは、それまで私的な領域とされ、考慮の対象になってこなかった部分にこそ政治的なものが含まれている(たとえば家庭内での暴力や異性間での差別など)、ということを明るみに出し、幾つかの領域で、performativeに(現実の行為に結びつくものとして)機能を果たした。そ
淡座「端唄と忠臣蔵」、本條秀太郎の三味線
深川江戸資料館での淡座本公演「端唄と忠臣蔵」、すばらしかった。
淡座(http://awaiza.com) は、現代音楽の作曲家・桑原ゆう、ヴァイオリン・三瀬俊吾、チェロ・竹本聖子、三味線・本條秀慈郎の四氏からなる気鋭の若手音楽家の団体で、この特殊な楽器編成に現れているように、東西の音楽文化を、特に江戸文化と西洋現代音楽をつなぐような試みを根幹に据え、落語家の古今亭志ん輔師匠との共演や屋形
2019年8月3日、海辺の《ボヘミアン・ラプソディ》
戸崎、という尾道の飛び地で、写真家のTさんをはじめとする地元の人たちや、全国から集まったその友人たちが、基本的にはボランティアで作っているイベントの、お手伝いをしてきた。今回の目玉は《ボヘミアン・ラプソディ》の野外上映。新幹線で東京から福山へ、そこからレンタカーで会場へ向かう。今年はSさんのご友人や大学の元教え子たちと、総勢八人の大所帯。歳も仕事もばらばらの、不思議な面子の旅になった。