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金融ジェロントロジー〜高齢者に優しい金融サービスの普及へ〜

近年よく見聞きすることが増えてきた

『金融ジェロントロジー』

どういう意味かご存知ですか?

ジェロントロジー(Gerontology)とは、
老年学を指す言葉です。


高齢社会が進む中で発生する経済的な課題や
高齢者自体が抱える問題などを解決していくこと
を目的とした研究です。

この老年学と金融を掛け合わせた言葉が
金融ジェロントロジーというわけですので、

金融ジェロントロジーはジェロントロジーの中でも
「金融」にテーマを絞った研究となります。

背景としては、ご認識の通り「超高齢社会」
が一番の課題としてあります。

過去記事でも紹介しました「2025年問題」
などもまさに当てはまります。


また、もう1つ重要な課題として挙げられるのは
「認知症」です。

2020年では65歳以上の高齢者6人に1人が
認知症罹患者というデータもあります。

認知機能が低下することにより、意思決定や
日々の行動に大きな影響が及びます。

そのため、あらゆる経済活動をストップせざる
を得ません。

例えば、銀行も口座を凍結してきますし、
不動産であれば名義変更ができなくなります。

このように、認知症は経済活動に大きく影響を
与えると考えられています。

残念ながら、2022年現在時点では認知症を
治すことはできません。

エーザイと米国バイオジェン共同開発である
「アデュヘルム」という薬が根本治療薬となる
かと騒がれていましたが、結局のところ見送り
となっています。

なお、認知症には予備軍と言われる「MCI」
という段階があります。

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)
の略です。

認知症とはまだ診断できないものの、客観的や
自覚的に認知機能に障害が少しみられるような
状態です。

ただし、このMCIでは早期対策ができれば
約20%前後くらいの確率で健常者に戻れる
とも言われています。

いずれにせよ、認知機能の低下は老後生活
において天敵ですね。

そのため、近年では認知機能が衰えてきた高齢者
に対しても、できる限り今までと同じように金融
サービスを受けられるよう環境整備をしていき
ましょうというのが「金融ジェロントロジー」の
1つの考え方と捉えています。

この金融ジェロントロジーを推進することで解決が
考えられているのは大きく2つです。

1つ目は、認知機能が衰えた高齢者でも適切に
資産運用と管理が行える点です。

現状の金融サービスは万人に均一化された
サービスですが、金融ジェロントロジーでは
認知能力合わせたサービスやご提案をする
ことが期待されています。

2つ目は、健康寿命と資産寿命の同一化です。

健康寿命については過去記事でもご紹介した
とおり、人生100年時代において、平均して
生きられる平均寿命と健康で生きられる期間
の健康寿命には差があるという点です。

この健康寿命をしっかり健康で安定した生活を
送るには「老後資金」が潤沢でなければなり
ません。

しかし、健康寿命を迎える前に「資産寿命」を
迎えてしまうという問題を抱えるご高齢者が
いらっしゃいます。

そのため、金融ジェロントロジーでのサービス
により、適切な資産運用と管理で資産寿命を
延伸し、健康寿命と資産寿命が同一になること
が期待できます。


三菱UFJ信託銀行ではHPにも大々的に、
金融ジェロントロジーへの取り組みが掲載
されていますね。

ぜひご高齢の方々が安心して安全に資産の運用
管理が行える社会になればいいですね。

金融ジェロントロジー乞うご期待です!

また、我々世代は「老後資金」を今のうちから
しっかり考えていかなければなりません。

「老後資金」を適切に準備するには、
「適切な金融知識による資産形成」と
それを支える「人生計画」が必要です。
また、それが脅かされた際のリスクヘッジ
である「保険」です。

この三位一体のバランスで適切な老後生活
を考えられると個人的に思います。

ぜひ私のマガジンを覗いてみてくださいね。


それでは。

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