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らいまちと言います。noteは出来たら毎週更新したい…。エッセイっぽいものを書きたいと…

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らいまちと言います。noteは出来たら毎週更新したい…。エッセイっぽいものを書きたいとおもいます。 @keionrenmaro カクヨムアカウント

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  • 執筆のハードルを下げる試み

    執筆のハードルを下げる試みをしています。気が向いたときに文字を書くことで、文章を書くということのハードルを少しでも下げて文章力アップを目指しています。 誤字脱字、乱文が目立つかもしれませんが、温かい目で読んでやってください。 一日、五百字程度を目安に執筆します。

記事一覧

絶体絶命

 朝、目が覚める。当たり前の日常が始まる。 夕方、風呂に入る当たり前の日常が、当たり前のように終わりを迎える。 日常の中で、死にゆく命がある。その命もまた、運命で…

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1か月前

ガールズバー

 電車に揺られながら、瀬尾まいこの夜明けのすべてを読んでいた。私は窮屈な、二人がけの席に腰掛けている。大学三年生の春休み。高校生の時に連絡を取っていた友達に、久…

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1か月前
4

『夏の思い出』つげ義春著を読むことで得られる透明な高揚感について

 つげ義春氏という名前は、かなり前から知っていたが、実際に手にしたのは去年の夏が初めてであった。  私小説風の作品が多数収録されている。私の好みの作品もその系統…

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4か月前

前後不覚

 午後の日差しは、昼間の光と同じ色をしているが、隠し味のような怠惰が折り混ざっている。 それは、クラッカーを食べたあとに喉に残る異物感のようなもので、そこに確か…

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1年前

OVER

めんどくせぇ 嫌だ いっそのこと皮膚をはいで、その皮で抱き枕を作ってくれ。 そして、造作もなく捨ててくれ。 ほらね、心がささくれてるんだよ。 この心に巣食うひねく…

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1年前
2

北風が私を飛ばすとき

noteを書こうと思った。特に書きたいことはないが,何となくそう思った。 キーボードに手を置くと,その色の白さにたじろいだ。手首にマネキンの手を取り付けたような白さ…

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1年前
2

どろり遊泳

雑音ばかりが聞こえている。 イヤホンをすると、日常の音が音楽の一部になる。 白い砂の上をただ、歩いていくように。 私は何も考えずに、人生を辿っていく。 幸せなくせ…

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1年前
1

COUPLE

二組のカップル  私の目の前には、二組のカップルがいた。 どちらもよく似た雰囲気のするカップルだ。 相違点を上げるとすれば、髪が明るいか暗いか、その位の差しかな…

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1年前

かけっぱなし

ぐぐっ、ぐぐぐㇽ。 話したいことが、無いようで有る。 内容は無いようである。 人と話すとき、その人の目を見るとき、微かな拒絶が首を走る。 頭の頂点から後頭部に向…

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1年前

生きるについて

感情  「あれっ?なんで今笑ったんだろう」 そういうふうに思うことが偶にある。 とはいえ、その問いに意味があるとは思えない。だから、気にしない。  「腹が立つ原…

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1年前

おぼつかない日常

風呂までの  目が覚める。しかし、朝ではない。 ずんぐりとした昼が、私を見下ろす。重たい。  最初に目が覚めたのは、6時半頃だった。 けれど、雨の打つ音が聞こえて…

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1年前

ない、ない、ない

知らない  結局、友情とは何なのだろう  結局、恋人とは何なのだろう  結局、孤独とは何なのだろう  20年間、曖昧なままにしている問題は沢山ある。 白黒つける事ば…

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1年前
2

4本の指

イン・ザ・トレイン いつも通りの駅に向かって、いつも通り(より少し早い)電車に乗り込んだ。 電車が7分も遅延していたので、陸上選手の短距離走のように疾走した私は…

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1年前
2

早寝、早起き、早めの行動

五分前行動 今日も一限に遅刻した。 九時半から始まる講義に六時から起きていたのに遅刻する。 時間のコントロールはとても難しい。 自分の行動傾向を考えて行動しない…

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1年前
5

暑くて寒い

たんぽぽ  ガラガラと揺れる電車の中、それは脳内に少しだけ似ている。具体的にどうということはないが。 車窓から見える空はほとんど透明のような青さをまとっている。…

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1年前
1

日日

さて、今日も一日 朝のコーヒーは、余裕を持つに限る。急いで注ぐと、味も雑になりがちである。 「雑に」と書いたが、実はまだ雑味という概念がピンときていない。一度極…

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1年前
絶体絶命

絶体絶命

 朝、目が覚める。当たり前の日常が始まる。
夕方、風呂に入る当たり前の日常が、当たり前のように終わりを迎える。
日常の中で、死にゆく命がある。その命もまた、運命であるのかのように終わっていく。
 人間は等しくみんな死にゆく。その命の中で何をするかによって、命の価値は変わる。何を遂げるかによって、惜しまれるのか、恨まれるのか、なんとも思われないのかが変わる。
 命は皆平等という幻想は崩れ始めている、

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ガールズバー

ガールズバー

 電車に揺られながら、瀬尾まいこの夜明けのすべてを読んでいた。私は窮屈な、二人がけの席に腰掛けている。大学三年生の春休み。高校生の時に連絡を取っていた友達に、久しぶりに会う。高校一年の時に遊んだきりもう五、六年は会っていない。
 「前川さん綺麗だったね」
 「うん、ほんとに綺麗だった」
 「...…」
目の前では家族らしい三人組が、和気藹々と談笑している。母親と娘は盛んに結婚式での出来事について話

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『夏の思い出』つげ義春著を読むことで得られる透明な高揚感について

『夏の思い出』つげ義春著を読むことで得られる透明な高揚感について

 つげ義春氏という名前は、かなり前から知っていたが、実際に手にしたのは去年の夏が初めてであった。

 私小説風の作品が多数収録されている。私の好みの作品もその系統だったので、お気に入りの一冊になっている。

 読んだ感想としては、人間のおかしさや浅はかさ、そこはかとない生暖かい欲望が渦巻いている作品だと思った。

 中でも『夢の散歩』がお気に入りだ。

 夢の散歩はその題名の通り、まさに夢の中で起

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前後不覚

前後不覚

 午後の日差しは、昼間の光と同じ色をしているが、隠し味のような怠惰が折り混ざっている。

それは、クラッカーを食べたあとに喉に残る異物感のようなもので、そこに確かに存在しているのだけれど、取り除けないなにかだ。

各駅停車の電車はいくつもの駅を通過して、よく知らない画家の、ありきたりな展覧会に何枚もぶら下げてある風景画のように、つまらない景色ばかりを右から左に流していく。

しかし、つまらない絵だ

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OVER

OVER

めんどくせぇ
嫌だ
いっそのこと皮膚をはいで、その皮で抱き枕を作ってくれ。

そして、造作もなく捨ててくれ。

ほらね、心がささくれてるんだよ。

この心に巣食うひねくれものがいるのさ。

僕は別に、そのひねくれものを排斥したいわけでも、屍にしたいわけでもない。

ただ、文句は、ため息は、譫言は、嫌味はもう少し声を潜めて言って欲しいだけなんだ。

独りになったって、ひねくれものだけはいつもそばにい

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北風が私を飛ばすとき

北風が私を飛ばすとき

noteを書こうと思った。特に書きたいことはないが,何となくそう思った。

キーボードに手を置くと,その色の白さにたじろいだ。手首にマネキンの手を取り付けたような白さだ。

しかし,よく見ると血管があったし,爪の根元にある白いささくれも人間らしさを演出していた。

どことなく眠い。薄い布を頭にかけられているような肌寒い眠さだ。

「ああ」

「あ~あ」

こたつから抜け出せない。カタツムリの殻を,

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どろり遊泳

どろり遊泳

雑音ばかりが聞こえている。
イヤホンをすると、日常の音が音楽の一部になる。

白い砂の上をただ、歩いていくように。
私は何も考えずに、人生を辿っていく。

幸せなくせに、幸せなせいで、また少しずつ不幸の中にのめり込んでしまう。

怠惰、惰性、安定
退屈だと言うには、忙しすぎるし、満たされていると言うには、足りないものが多すぎる。

ふと、目を閉じる。
幼き日に見た悪夢は、今も色褪せることなく、走り

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COUPLE

COUPLE

二組のカップル

 私の目の前には、二組のカップルがいた。
どちらもよく似た雰囲気のするカップルだ。

相違点を上げるとすれば、髪が明るいか暗いか、その位の差しかなかった。

私は食堂にいた。もちろんカップルもだ。

食堂には、よくわからないヘビーメタルがBGMとしてかかっていた。

食器のぶつかる音も、他の人の会話の声も、全ては食堂という一つのアルバムの中の曲のようだった。

私の正面にいる方の

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かけっぱなし

かけっぱなし

ぐぐっ、ぐぐぐㇽ。

話したいことが、無いようで有る。
内容は無いようである。

人と話すとき、その人の目を見るとき、微かな拒絶が首を走る。

頭の頂点から後頭部に向かって、降りたところ、つむじの少し下辺りにそいつはいる。

ぐぐっ、ぐぐぐㇽという感じで、短時間にそいつは首を走っていく。

なんだか、嫌な感じだ。でも、意図的にしているわけではないので止まることはない。

ぐぐっ、ぐぐぐㇽ。走ってい

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生きるについて

生きるについて

感情

 「あれっ?なんで今笑ったんだろう」

そういうふうに思うことが偶にある。
とはいえ、その問いに意味があるとは思えない。だから、気にしない。

 「腹が立つ原因はなんだろう」

そういうふうに考えることには意味があるように思える。
自分の怒りの沸点はどこなのだろう。
許容範囲は何処までなのだろう。

この先の自分に、役立つような感じがする。

 「この悲しみはなんだろう」

これは創作に役

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おぼつかない日常

おぼつかない日常

風呂までの

 目が覚める。しかし、朝ではない。
ずんぐりとした昼が、私を見下ろす。重たい。

 最初に目が覚めたのは、6時半頃だった。

けれど、雨の打つ音が聞こえてきて、それが私の心の中にまで浸水してきて、チャポンチャポンと音を立てるから、私は横にならざるを得なかった。

 私は昼を朝だと仮定して、モーニングルーティンを始めた。

水シャワーを浴びて、珈琲を入れて、そこに氷を放り込んで、カップ

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ない、ない、ない

ない、ない、ない

知らない

 結局、友情とは何なのだろう
 結局、恋人とは何なのだろう
 結局、孤独とは何なのだろう

 20年間、曖昧なままにしている問題は沢山ある。

白黒つける事ばかりが正義だとも思わないし、むしろ曖昧なままのほうが好みだったりするのだけれど、ふと気になる夜がある。

友達と過ごす時間はたしかに楽しい。
それに嘘はないと思う。

しかし、友達と分かれた直後に来るあの孤独は何なのだろう。

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4本の指

4本の指

イン・ザ・トレイン

いつも通りの駅に向かって、いつも通り(より少し早い)電車に乗り込んだ。

電車が7分も遅延していたので、陸上選手の短距離走のように疾走した私は拍子抜けした。

本当はどこかに腰掛けたかったが、一度座れば最後、もう二度と立ち上がれない気がしてやめた。

村上春樹氏の「パン屋襲撃」を呼んでいた。ちょうど、主人公が妻にレストランに行こうと誘い、妻がそれを断ったところで電車がやってき

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早寝、早起き、早めの行動

早寝、早起き、早めの行動

五分前行動

今日も一限に遅刻した。

九時半から始まる講義に六時から起きていたのに遅刻する。

時間のコントロールはとても難しい。

自分の行動傾向を考えて行動しないと、意思決定と行動の間にどれほどの誤差が生まれるかを把握しておかないと、いつの間にか間に合わない時間になっている。

いつもあと一二分速ければと後悔する。
そう、いつもあと一二分なのだ。

だから今日から五分前行動を意識したい。

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暑くて寒い

暑くて寒い

たんぽぽ

 ガラガラと揺れる電車の中、それは脳内に少しだけ似ている。具体的にどうということはないが。

車窓から見える空はほとんど透明のような青さをまとっている。

私がもしも、百階建てのビルから飛び降りるのならば、地面よりも空に向かって落ちていきたいと思う。そのまま、スペースデブリにでもなればいい。

 震える夜と、額に汗を滲ませる昼。アンバランスに日々は回っている。

自律神経が整っていいか

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日日

日日

さて、今日も一日

朝のコーヒーは、余裕を持つに限る。急いで注ぐと、味も雑になりがちである。

「雑に」と書いたが、実はまだ雑味という概念がピンときていない。一度極端に適当に淹れてみようか。

教習所はまだ優しい。いつか牙を向くような気がしているが、今のところ脳は萎縮することなく活動している。