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おぼつかない日常

風呂までの

 目が覚める。しかし、朝ではない。
ずんぐりとした昼が、私を見下ろす。重たい。

 最初に目が覚めたのは、6時半頃だった。

けれど、雨の打つ音が聞こえてきて、それが私の心の中にまで浸水してきて、チャポンチャポンと音を立てるから、私は横にならざるを得なかった。

 私は昼を朝だと仮定して、モーニングルーティンを始めた。

水シャワーを浴びて、珈琲を入れて、そこに氷を放り込んで、カップに注いだ。

しかし、空腹が私の邪魔をした。

朝だと仮定しているのに、この空腹のせいでその仮定が崩れ去ってしまう。

私は微かな苛立ちを覚えながら、乾麺を茹でた。

お湯が足りなかったのか、麺が全てを飲み込み、解けた脳みそのような、しかもその脳みそが薄汚い茶色に着色されたような、一言で言うなれば失敗作であった。

お湯の中に入れ3分で出来上がるものを、どうして失敗できるのだろうか。

私はその失敗作を別に失敗だと思っていないフシがあるせいだろうか。それはそれで、味が濃くて美味しいせいだろうか。

 ご飯を食べて、珈琲を飲んで、部屋の片付けをした。

前日に予定していた一日のスケジュールとはかけ離れているが、まぁ、細かいことはどうでもいい。

これから、貰った入浴剤を試すのだから。

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