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ご自愛エッセイ

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特に人気だった作品です。弱さも、強さもひっくるめてどうぞ。あなたにそっと寄り添う言葉たち。
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2023年8月の記事一覧

「自己肯定感が低い」の正体

「自己肯定感が低い」の正体

「お前は何をしてもダメだ。」なんて酷いことを上司に言われたら?
そんな会社、離れればいい。

「あんたのことが嫌い。」と大切にしていた友人に言われたら?
そんなカスとは、縁を切ればいい。

「お前のこと、もう好きじゃない。」と大好きな恋人に言われたら?
しんどいけど、離れてみるのもいいね。

ただ。 
「あなたのことが好きになれない」と自分自身に言われたら?
自分に言われ続けたらどうだろう。
心の

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スタートの作り方

スタートの作り方

夕方、洗濯物を畳む。その様子を動画に撮ってみた。

義理のお母さんからもらった緑色のTシャツを着て、ユニクロの変な柄のステテコを履いたままの私が、加工もヘアセットもなにもしないまま丸顔とほうれい線をキメて洗濯を畳む動画だ。やけに派手な緑のTシャツがリビングに浮いていて、それはおしゃれじゃないことを現したまま。つまり意図はない。そして洗濯物はというと、あなたの家と同じ。パンツとか、ブラジャーとか、ひ

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暑い夏の夜、8ミリの花火を見ながら。

暑い夏の夜、8ミリの花火を見ながら。

私の旦那さん、少年のような素直さをしています。楽しいとか、嬉しいとか、悲しいとか、拗ねてるとか、非常にわかりやすい男なんです。その上とても忠実だし、誠実だし、愛嬌がある。だから今夜はそんな、旦那さんの可愛いところから先に書くとします。惚気半分、反省半分で行きますね。話を始めます。

彼は、花火が大好きなんです。
だから昨日は家族3人で、空に上がる打ち上げ花火を見たのですが。彼は普段から、それはもう

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走れ!人生に追いつかれる前に。

走れ!人生に追いつかれる前に。

私には5個上の兄がいる。
兄は生まれつき心臓病だった。心臓に穴が空いたまま生まれて、間もなくその小さな身体で大手術を受けたんだ。だから兄の初めての食事は「離乳食」ではなく「お薬」だったと母は言った。それに心臓以外にも。生まれてすぐの写真を見ると右頬には大きなコブが見えていたり、子供の頃の喘息はひどかったと話を聞く。「今思えば、発達の遅れもあったのかもね。」と母は言った。あの頃は現代と違って身近に情

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ソファに沈んで

ソファに沈んで

静かなリビングでひとり。ソファに沈み携帯をいじっていると、どこか本当にダメな自分になってしまうようだ。日中はあんなに元気な私なのに。私という奴は、昼と夜で別の生き物なのだろうか?はたまた、夜がこのまま明けないような闇を深くして。さまざまな不安を掻き立てるようになっていて。どこか恐ろしい力を持っているのだろうか?

とにかく夜になると私の心は、忙しない。何かをしていないとイケナイ気分になって、iPh

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実力社会と、わたし

実力社会と、わたし

松本人志の「すべらない話」という番組に対して、明石家さんまはこう言った。

「芸人がすべらないのは、当たり前やろ。」

私はその言葉を聞いてハッとしたんだ。毎日こうして発信をする上で、非常に大事なことのように思えた。そして案外、素通りしそうな部分だって思ったからだ。
普通に、ヒヤリハット。

この時代はチマチマと評価を稼ぐ時代に見えて、実は相当な実力社会なのだろう?『お試し無料14日間』のAbem

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疲れてるのかもしれないなぁ

疲れてるのかもしれないなぁ

わたし、【フォローする】の、ボタンじゃなくて。目の前にある瞳や、ホクロや、そばかす。笑い声や、眼差し、うなづき。そういった、人間の生々しさを見つけるたびに「安心」を感じるようになったんだ。だって、そこには人間が放つ温度があって、声があって、生きた空気があるからだよ。「安心」はこの時代に亡くなりつつあるからだよ。

そしてこの「安心」と同じくらい。めっきり減ってしまったのが「活気」だ。街にはもう昔の

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おばあちゃんに話しかけられて

おばあちゃんに話しかけられて

昨日は、変なジジイに怒られた私。まずまずフルボッコな気分で、がっかり。開き直ってエッセイを書いたんだ。

そんな昨日の今日でお節介ジジイに引き続き、まさかの。今日は、見知らぬおばあちゃんに話しかけられた。え?2日連続?えぐい打率。

それは両腕に杖をつく、脚の悪いおばあちゃんだった。近所のスーパーにて、入口、カート置き場のことだ。私よりも前に歩いていたのが、おばあちゃん。その後ろ姿。白髪で整えられ

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SNSにおける「私」の在り方。

SNSにおける「私」の在り方。

SNSの在り方について。いや、SNSでの在り方について。そこには、罠がある。

そもそもSNSという場は「孤独」の苦しみを救ってくれるものだと、あの頃の私は思っていたんだ。それはたとえばInstagramのアプリを開いては、そこに自分だけの世界がある安心感や、現実とは違うもうひとりの「私」が存在するリアルがあってのこと。そこで「私」を披露しては、存在を認めてくれ。どうか愛をくれ。孤独を埋めてくれ。

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