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らら
2020年6月30日 09:32
「すみません、そろそろ閉店なんですけど・・・」店員のお姉さんが申し訳なさそうに話しかけて来た。「えっ?」時計を見ると11時を過ぎていた。私たちは7時間も話していた。「遅くまでごめんなさい、会計お願いします。」私たちは会計を済ませてバタバタとお店を出た。真夏のじめじめとした夜の風が、エアコンで冷え切った私の体を温めた。「ねえ、みづき、昔みたいに一緒に働かない?今は
2020年6月29日 10:41
南さんは娘をお母さんに預けに行き、私は本来の目的だったスーパーに行った。1時間後に駅で待ち合わせをしたけど、私の買い物は早く終わり・・・と言うか、これから飲みに行くのに、冷蔵が必要な物は買えなかった。私はロータリのベンチに座り、夏の空を見ていると、南さんが来た。「お待たせ!」良いお店があると言って駅の近くのお店を案内してくれた。多国籍料理のお店で、すべてが個室になっ
2020年6月27日 13:56
南さんと20年振りの再会。南さんには10歳になる娘がいた、イギリスで知り合った日本人と結婚して5年は主婦をがんばったらしい、でもやっぱり主婦業は無理で離婚して日本に帰って来たそうだ。今も写真の仕事はしていて、ここの元ギャラリーのオーナーが格安で、オフィスを貸してくれているそうだ。「で?みづきはなんでここに来たの?今はあのマンションに住んで無いんでしょ?」私は結婚して始めて
2020年6月26日 10:40
なつかしい!何年振りだろう?数年前まで住んでいたマンションの前に立って、昔を思い出していた。子供が小さく大変なことも多かった、でも今となればみんないい思い出。私はマンションの周りをブラブラと歩き、南さんと出会ったギャラリーに行くことにした、裏道に入ると昔とまったく変わらない街並みで、なつかしく、切ない気持ちになった。ギャラリーの前まで行って驚いた。ギャラリーは無くな
2020年6月25日 09:18
私は家に帰りシャワーを浴びて、濃いめの化粧を落として、今夜のことを後悔した。おばさんなら簡単にやれる。、と思っているバカな男と一緒に飲んでたなんて・・・時間を無駄にした、いやいや、いい勉強になった!もう騙されない!でももう一人で飲みに行くことも無いか・・・「私は何やってるんだろう・・・バカみたい。」独り言を言ってなぜか私は南さんのことを思い出した。「南さんとのキ
2020年6月24日 11:17
お互いの事は深く話さないで、新しく出来たカフェの話しや、ニュースや天気の話して、あとは彼の友達のおもしろ話しなど、取るに足らない話しをしていた。たまには知らない人とこんなどうでもいい話をするのも楽しいと思った。いつもはおばさんと子供としか話していない私には、こんな会話が新鮮だった。私たちはすっかり酔ってしまい、気が付くと11時を過ぎていた。「私そろそろ帰らないと。」
2020年6月23日 10:44
仕事が終わり帰宅した。明日は仕事がお休み。本当の休日。私はクローゼットから普段はあまり着ない、お出掛け用の洋服を出した。鏡の前に立って、「まだ大丈夫!若い若い!」と自分に呪文を掛けて、お化粧をして家を出た。久し振りに電車に乗って夜の町に出かけた、カフェと言ってもお酒もあるおしゃれなお店だった。店内は薄暗くジャズが流れていた。私はカウンターに座り、夜のお店の雰囲気を懐
2020年6月22日 10:36
私は眠れなかった。静寂に慣れると、今度は音に敏感になり、時計の音、隣の家のテレビの音、家の前を歩く人の足音、色々な音が大きく聞こえた。私は下に行って、ドラマの続きを見ることにした。しかしドラマにも集中出来なくて、ワインを飲みながら色々なことを考えていた。中谷は元気かな?江藤は何してるかな?南さんはイギリスかな?最後に中谷に会ったのは、5年くらい前で、中谷も結
2020年6月19日 10:43
時の流れは早い。私が働き始めて2年が過ぎた、今度は下の娘の高校受験が迫って来た。その年の8月の一週目、祐一の出張、上の娘の部活の合宿、下に娘の塾合宿が重なり、私は4日間も1人で過ごすことになった。結婚して始めての主婦業の休暇。たまに夜に出かけることもあったけど、夜ごはんを作り外出して、遅くに帰って来ても、キッチンを片付け、次の日のお弁当の準備をしてから寝ていて、私には
2020年6月18日 11:12
私たちはもっと話し合ったほうが良いと思い、2人で久し振りの外食をした。そこでお互いの今の気持ちを話した。祐一とこんな風に話すのは久し振りだった。これから先、娘が家を出てからも、私たちは2人で生活をしていく。窮屈な暮らしではなく、お互いの自由を尊重した生活、お互い束縛はしないで、自分の人生を楽しもうという結論が出た。それから私は近所のレンタルファームで働くことが気まり、
2020年6月17日 13:48
私は母親として、妻として生きて行くには、自分を押し殺して生きて行くことだと思っていた。でもそれは間違いだった。私は祐一の腕の中で泣いて、自分がどれだけのことを我慢していたのか、いつも不機嫌オーラを出していたのか気が付いた。私は寝ることが出来なくて、リビングでハーブティーを飲んで落ち着くことにした。浮気はわかっていた事なのに、思った以上にショックだった、裏切られることはつ
2020年6月16日 09:50
泣いている私を祐一が抱きしめようとした、私は祐一を突き放した。「ごめん、みづきを傷つけるってわかってた、でも最近のみづきイライラしてて、家に帰って来ても、家の中の空気が重くて、オレの居場所がどこにも無い気がして、そんな時に声を掛けられて・・・・」「私だってイライラしたいわけじゃない!受験生が家にいることがどれだけ大変なのか、祐一にはわからないのよ、反抗期で言うことも聞かない
2020年6月15日 10:31
「スマホ見たよ。藤井さんと仲がいいみたいだね。」「なんで?ロック掛けてあったのに?」「かかってなかったよ。」私は嘘を付いた。「この前の夜も藤井さんからLINEが入ってたよね、始めは男の人かな?って思ったけど、やっぱり女の人だったんだね!で?何か言い訳ありますか?若い女はいいですか?浮気は刺激がありましたか?」「ごめん・・・」「あっさり認めるんだね、藤井さんは誰
2020年6月13日 18:47
数日が過ぎ、祐一がお風呂に入っている時に、またLINEが入った。私は少し迷ったけど、LINEを見ることにした。スマホにはロックがかかっている、私はスマホを灯りにかざし、祐一の指紋の付いている数字を確認して、その数字を頭の中で考えた、祐一が1人暮らししていた時の、電話番号の下4桁だ!数字を押すとロックが解除された。私は祐一のLINEを見た。そして少し後悔した・・・