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運命と私

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運命には逆らえない。運命に翻弄されながら生きた女性の一生。
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記事一覧

やっと最終回(世界と私60)

やっと最終回(世界と私60)

私はウユニ塩湖で色々なことを考えた。
世界とは家族とは私とはいったいなんだろう?

祐一のことは好きだった、
それは人間の本能としての愛、
肉体の満足、心の満足を得る為の結婚。

結婚に後悔は無い、
祐一はいつも優しく私を愛してくれて、
子育てを経験して私はだいぶ成長できた。

でも私の心の深い所は違う物を求めていた。

私の失われた身体の一部。

幼いころから心の奥の何かが足りない気がしていた、

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帰国(世界と私59)

帰国(世界と私59)

日本に帰ってからも、
ウユニ塩湖の景色が心から消えることは無く、
あの不思議な感覚が胸に焼き付いていた。

ゆっくり思い出に浸っていたいけどそうは行かない、
私たちは帰国してからも、
いや帰国した後のほうが忙しく、膨大な量の映像の編集をした。
その編集が終わったのは、
帰国して一ヶ月が過ぎた時だった。
そして、やっと落ち着いた日々が戻って来た。

ウユニ塩湖から帰って来てから、
私と南さんの距離は

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ウユニ(世界と私58)

ウユニ(世界と私58)

昔は行くまでに何日もかかったウユニ塩湖だが、
今は直通便が出ていて10時間で行けるようになった。

飛行機から降りると現地の人が迎えに来てくれて、
私たちはホテルに向かった。

到着したのは夜遅かったので、
外は真っ暗で景色は何も見えなかった。
漆黒の闇の中を車が走り、
私は異次元に行くような気分になった。

ホテルは思ったより綺麗な現代的なホテルだった。

滞在日数は5日、
私たちは1分1秒を無

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50代(世界と私57)

50代(世界と私57)

私と南さんは50代になった。

昔のような恋愛感情無く、
友達以上、恋人以上の深い部分で結ばれた関係だった。

昔はこの感情を恋だと思っていたけど、
恋とも愛とも違う感情だった。

娘2人は就職して、
1人暮らしを始めた。

私は祐一と別居して、
南さんの事務所の近くのマンションで1人暮らしをしている。

祐一と仲が悪くなった訳では無い、
50代でもやる気に満ち溢れている私と、
毎日ダラダラと過ご

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色(世界と私56)

色(世界と私56)

「1人になれる時間。」がなぜ嬉しく感じるのか?

たまにしかないご褒美のような時間だから。

家族の前だと「お母さん」や「妻」という、
目に見えない衣を羽織ってしまう。

1人でいる時だけ、本当の自分でいられる。

私は今回1人の時間が出来て、
本当の自分を思い出した気がした。

だらしなくて、めんどくさがり。

でもこんな自分でもがんばって母親は出来ている、
人は何色にでも染まることが出来る。

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家族(世界と私55)

家族(世界と私55)

気が付くと外は明るくなり、
時計を見ると10時を過ぎていた。

昼過ぎには娘が帰って来る、
私は飛び起きて、
部屋を掃除して洗濯機を回し、
お酒の瓶を捨てて、
見ていたテレビの履歴を消して、
私の堕落した生活の証拠が残らないように、
すべてを片付けた。

2時過ぎ頃に娘が帰って来た。

「ただいま~」

「お帰り!お疲れ様!」

私の母親スイッチが入った。

その日の夜は娘と2人だった、
塾合宿の

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誓い(世界と私54)

真っ暗な家に入るのは少し怖かった。

家に入ってすぐにすべての電気をつけた。

お風呂に入り、下着だけで、
リビングでくつろいでいた。

雑然とした部屋に下着だけの私。

明日からはまたいつもの生活。

「片付けないと・・・・」

始めは1人の空間に慣れなかったけど、
今はすっかり1人に慣れた。

慣れ過ぎて、堕落した自分に少しうんざりした。

動くのがめんどくさい。

私はテレビをつけてソファで

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ふわふわ(世界と私53)

ふわふわ(世界と私53)

「すみません、そろそろ閉店なんですけど・・・」

店員のお姉さんが申し訳なさそうに話しかけて来た。

「えっ?」

時計を見ると11時を過ぎていた。

私たちは7時間も話していた。

「遅くまでごめんなさい、会計お願いします。」

私たちは会計を済ませてバタバタとお店を出た。

真夏のじめじめとした夜の風が、
エアコンで冷え切った私の体を温めた。

「ねえ、みづき、昔みたいに一緒に働かない?
今は

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心の奥(世界と私52)

心の奥(世界と私52)

南さんは娘をお母さんに預けに行き、
私は本来の目的だったスーパーに行った。

1時間後に駅で待ち合わせをしたけど、
私の買い物は早く終わり・・・
と言うか、これから飲みに行くのに、
冷蔵が必要な物は買えなかった。

私はロータリのベンチに座り、
夏の空を見ていると、
南さんが来た。

「お待たせ!」
良いお店があると言って駅の近くのお店を案内してくれた。

多国籍料理のお店で、
すべてが個室になっ

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変わらない(世界と私51)

変わらない(世界と私51)

南さんと20年振りの再会。

南さんには10歳になる娘がいた、
イギリスで知り合った日本人と結婚して5年は主婦をがんばったらしい、
でもやっぱり主婦業は無理で離婚して日本に帰って来たそうだ。

今も写真の仕事はしていて、
ここの元ギャラリーのオーナーが格安で、
オフィスを貸してくれているそうだ。

「で?みづきはなんでここに来たの?
今はあのマンションに住んで無いんでしょ?」

私は結婚して始めて

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再会(世界と私50)

再会(世界と私50)

なつかしい!
何年振りだろう?

数年前まで住んでいたマンションの前に立って、
昔を思い出していた。

子供が小さく大変なことも多かった、
でも今となればみんないい思い出。

私はマンションの周りをブラブラと歩き、
南さんと出会ったギャラリーに行くことにした、
裏道に入ると昔とまったく変わらない街並みで、
なつかしく、切ない気持ちになった。

ギャラリーの前まで行って驚いた。

ギャラリーは無くな

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学び(世界と私49)

学び(世界と私49)

私は家に帰りシャワーを浴びて、
濃いめの化粧を落として、
今夜のことを後悔した。

おばさんなら簡単にやれる。、
と思っているバカな男と一緒に飲んでたなんて・・・

時間を無駄にした、
いやいや、いい勉強になった!

もう騙されない!

でももう一人で飲みに行くことも無いか・・・

「私は何やってるんだろう・・・バカみたい。」

独り言を言ってなぜか私は南さんのことを思い出した。

「南さんとのキ

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嫌なキス(世界と私48)

お互いの事は深く話さないで、
新しく出来たカフェの話しや、
ニュースや天気の話して、
あとは彼の友達のおもしろ話しなど、
取るに足らない話しをしていた。

たまには知らない人とこんなどうでもいい話をするのも楽しいと思った。

いつもはおばさんと子供としか話していない私には、
こんな会話が新鮮だった。

私たちはすっかり酔ってしまい、
気が付くと11時を過ぎていた。

「私そろそろ帰らないと。」

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お酒(世界と私47)

お酒(世界と私47)

仕事が終わり帰宅した。
明日は仕事がお休み。
本当の休日。

私はクローゼットから普段はあまり着ない、
お出掛け用の洋服を出した。

鏡の前に立って、
「まだ大丈夫!若い若い!」と自分に呪文を掛けて、
お化粧をして家を出た。

久し振りに電車に乗って夜の町に出かけた、
カフェと言ってもお酒もあるおしゃれなお店だった。

店内は薄暗くジャズが流れていた。
私はカウンターに座り、
夜のお店の雰囲気を懐

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