ふわふわ(世界と私53)
「すみません、そろそろ閉店なんですけど・・・」
店員のお姉さんが申し訳なさそうに話しかけて来た。
「えっ?」
時計を見ると11時を過ぎていた。
私たちは7時間も話していた。
「遅くまでごめんなさい、会計お願いします。」
私たちは会計を済ませてバタバタとお店を出た。
真夏のじめじめとした夜の風が、
エアコンで冷え切った私の体を温めた。
「ねえ、みづき、昔みたいに一緒に働かない?
今はまだ給料とか払えないけど、
今色々と計画していることがあるから、
手伝ってほしい。
・・・なんてわがままだよね・・・」
「えっ!新しい計画?ぜひ、手伝いたいです。」
「でもタダ働きになるよ!」
「大丈夫です、毎日は無理だけど、
手伝いたいです。」
「本当に!ありがとう!うれしい!
実はね、あそこを事務所にしたのは、
またみづきが初めて会った時みたいに、
フラっと来てくれる気がしたからなんだ!
みづきがわかるように、南あゆみって名前の看板を出してたの!
今どき看板にフルネーム書かないでしょ!」
「そうなんですか!」
「だいぶ待ったけど来てくれて嬉しかった。」
そう言って南さんは私の手を握った。
「じゃ今夜は遅いから、今度ゆっくり話すね。」
「はい!」
私はふわふわしながら終電に乗った、
また南さんと一緒に仕事が出来る、
そして南さんが私を待っていてくれたことが嬉しかった。
私は1人ニヤニヤしながら家に帰った。
つづく
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