再会（世界と私５０）

なつかしい！
何年振りだろう？

数年前まで住んでいたマンションの前に立って、
昔を思い出していた。

子供が小さく大変なことも多かった、
でも今となればみんないい思い出。

私はマンションの周りをブラブラと歩き、
南さんと出会ったギャラリーに行くことにした、
裏道に入ると昔とまったく変わらない街並みで、
なつかしく、切ない気持ちになった。

ギャラリーの前まで行って驚いた。

ギャラリーは無くなり、
そこには南あゆみオフィスと書かれた看板があった。

私は迷うことなくドアを開けた。

すると小さなオフィスの奥に女の人が座っていた、
そして私を見ると驚いた顔をして、
「みづき？」と叫んだ。

「南さん？なんでここにいるの？」

「みづきこそなんでここにいるの？」

「たまたま前を通ったら南さんの名前が書いてあったから！」

「やっぱりまだあのマンションに住んでたの？」

「今は住んでないです、
引越して隣の町に住んでます。」

「そうなんだ！びっくりだね、
何年振りかな？」

「２０年近くですよね・・・」

「そうだね、月日が流れるのは早いね！」

「ママ・・・」

その時２階から声が聞こえた！

「はいはい！」

「お客様なの？」

そう言って２階から女の子が降りて来た、
私の娘なの！

「えっ！南さん結婚したんですか？」

「うん、昔ね！今は１人だけど・・・」

つづく