見出し画像

涙(世界と私42)

泣いている私を祐一が抱きしめようとした、
私は祐一を突き放した。

「ごめん、みづきを傷つけるってわかってた、
でも最近のみづきイライラしてて、
家に帰って来ても、家の中の空気が重くて、
オレの居場所がどこにも無い気がして、
そんな時に声を掛けられて・・・・」

「私だってイライラしたいわけじゃない!
受験生が家にいることがどれだけ大変なのか、
祐一にはわからないのよ、
反抗期で言うことも聞かないでいつもイライラしてる娘と
毎日顔を合わせるのは辛いのよ、
なのに自分だけ女と遊んでるなんてひどい!!」

「ごめん・・・」

祐一は私を抱きしめた。

私は抵抗しなかった、
久し振りに祐一に抱きしめられた。

温かくて安心出来た。

確かに私はいつもイライラしていた、
この家に引っ越してから、
いつも怒っていた気がする。

娘も私に話しかけなくなっていた。

私はがんばっているつもりだったのに、
家族がバラバラになっていたなんて・・・

私は涙が止まらなかった、
今まで我慢していた、
すべての感情が涙として出て来たのだ。


つづく


もっと飛躍する為の活動資金宜しくお願い致します。