しんり司(つかさ)

心理学を世に広めるnote 心理系職場を転々中 心理学検定特1級持っています

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記事一覧

集団規範(group norm)

○集団規範  集団の成員に共有されている思考や行動の基準。  法律や校則のように成文化されたものもあれば、成員間で暗黙のうちに共有されているものもある。  集団…

基本情動理論(basic emotion theory)

○基本情動理論  エクマン(Ekman, P.)によって提唱された感情理論。  喜び・恐れ・怒り・悲しみ・嫌悪・驚きの6つの感情は、すべての文化で普遍的であるというもの。  …

ステレオタイプ内容モデル(stereotype content model)

○ ステレオタイプ内容モデル(SCM)  フィスク(Fiske, S.T.) によるステレオタイプの内容が人柄次元(温かい・冷たい)と能力次元(高い・低い)の2つの組み合わせによって…

第三者効果(third-person effect)

○第三者効果  マスコミュニケーションは自分自身に対してよりも、他者に対して大きな影響力をもつと見積もられる傾向。  デイヴィソン (Davison、P.)は、政治のネガテ…

心理学研究の倫理

 アメリカ心理学会(American psychological association: APA)では、 1970年代から心理学者が守るべき倫理綱領を作成しており、実状に応じて何度か改訂されている。  人…

議題設定効果(agenda-setting effect)

○議題設定効果  マスメディアにおいてある争点や話題が強調されればされるほど、その争点や話題に対する人々の重要性の認知(顕出性)も高まる現象。  マコームズ(McCom…

YG性格検査(Yatabe-Guilford personality inventory)

○矢田部-ギルフォード性格検査  ギルフォード(Guilford、J.P.)の開発した性格検査をモデルとして、矢田部達郎が日本人用に標準化した日本で最も多く使われている質問紙…

メタ分析(meta-analysis)

○メタ分析  過去に行われた複数の独立した研究を系統的に収集し、それらの研究結果を統合する統計解析手法。  グラス(Glass、G.V.)が最初に提案した。  メタ分析では…

死への受容プロセス(dying process)

○キューブラー・ロス(Kübler-Ross, E.)は、約200名の末期がん患者へのインタビューに基づいて、死に向かう心理的な5段階のプロセスを表すキューブラー・ロスモデルを提唱…

尺度水準(level of measurement)

 スティーブンスは測定された数の意味や性質に沿って、数を分類する基準を作成し、尺度水準とよんだ。 ○名義尺度(nominal scale)  カテゴリーに対して便宜的に数値を…

親密性平衡モデル (intimacy equilibrium model)

○親密性平衡モデル  アーガイル(Argyle.M.)とディーン(Dean.J.)が提唱した。  対人的な親密さは一定の均衡を保つものであり、均衡が損なわれると回復を目指す非言語的…

いつもありがとうございます。
現在、超大作を執筆中です。
心理学に興味がある方のためになればと思います。

エリクソンのライフサイクル(Erikson's life cycle)

○ライフサイクル  エリクソン(Erikson, E.H.)が整理した生まれてから死に至るまでの一連の流れと各段階における発達課題と心理社会的危機を示したもの。  フロイトの性…

バーナム効果(Barnum effect)

○バーナム効果  誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格を表す記述を自分だけに当てはまるかのように、都合よく解釈してしまう主観的傾向。   アメリカの心理学者バ…

帰納的推論(inductive reasoning)

○帰納的推論 個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする推論。 帰納的推論の歪み (1) 素朴理論(naïve theory)  身のまわりの事象の観察を通して…

エディプス・コンプレックス(Oedipus complex)

エディプス・コンプレックス  フロイト(S. Freud)の発達理論の男根期において、4~6歳の幼児が感じる心理的葛藤。  ギリシャ神話のなかに、男子は母親を愛し、そのため父…

集団規範(group norm)

集団規範(group norm)

○集団規範

 集団の成員に共有されている思考や行動の基準。
 法律や校則のように成文化されたものもあれば、成員間で暗黙のうちに共有されているものもある。
 集団規範の存在は、他の成員の行動や考え方の理解、予測を容易にし、 集団内のコミュニケーションを促進させる効果がある。
 一方で、ひとたび集団規範ができあがると、集団は様々なコミュニケーションを媒体として成員が規範から逸脱しないように圧力をか

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基本情動理論(basic emotion theory)

基本情動理論(basic emotion theory)

○基本情動理論

 エクマン(Ekman, P.)によって提唱された感情理論。
 喜び・恐れ・怒り・悲しみ・嫌悪・驚きの6つの感情は、すべての文化で普遍的であるというもの。
 それぞれの感情には特定の表情があると考えた。

○ FACS (facial action coding system)

 エクマンとフリーセン (Friesen, W.V.)によって開発された顔の特定の筋肉の動き(アクシ

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ステレオタイプ内容モデル(stereotype content model)

ステレオタイプ内容モデル(stereotype content model)

○ ステレオタイプ内容モデル(SCM)

 フィスク(Fiske, S.T.) によるステレオタイプの内容が人柄次元(温かい・冷たい)と能力次元(高い・低い)の2つの組み合わせによって説明できるとする理論。
 ステレオタイプの内容は、特定の社会的カテゴリーに属する成員が、実際に持っている特徴と必ずしも一致せず、他集団との関係性によって規定される。
 人は自分と敵対関係にあったり、目標が競合したりす

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第三者効果(third-person effect)

第三者効果(third-person effect)

○第三者効果

 マスコミュニケーションは自分自身に対してよりも、他者に対して大きな影響力をもつと見積もられる傾向。
 デイヴィソン (Davison、P.)は、政治のネガティブキャンペーンや広告などの影響力認知からマスメディアによる説得的コミュニケーションが「他者に影響する」と考える人は、「自分に影響する」と考えている人よりも多いことを見いだした。

認知レベルの第三者効果

○第三者効果が生じ

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心理学研究の倫理

心理学研究の倫理

 アメリカ心理学会(American psychological association: APA)では、 1970年代から心理学者が守るべき倫理綱領を作成しており、実状に応じて何度か改訂されている。
 人間の社会的行動を理解することが研究者の目的ではあるが、その目的が社会的に望ましいものであっても、実験参加者や調査対象者が被る「損失」が正当化されることはない。

○ディセプション (decept

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議題設定効果(agenda-setting effect)

議題設定効果(agenda-setting effect)

○議題設定効果

 マスメディアにおいてある争点や話題が強調されればされるほど、その争点や話題に対する人々の重要性の認知(顕出性)も高まる現象。

 マコームズ(McCombs, M.E.)とショー(Shaw, D.L.)は、1972年に地方新聞紙にみられる記事の重要性の優先順位と、その地域の住民が重要だと考える政治争点との間に高い順位相関が認められることを明らかにした。
 マスメディアに人々の議

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YG性格検査(Yatabe-Guilford personality inventory)

YG性格検査(Yatabe-Guilford personality inventory)

○矢田部-ギルフォード性格検査

 ギルフォード(Guilford、J.P.)の開発した性格検査をモデルとして、矢田部達郎が日本人用に標準化した日本で最も多く使われている質問紙性格検査。       
 120の質問項目で12の性格特性を、「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3件法で測定し、測定結果で5つの類型に分類することができる。
 実施や採点が容易で広く用いられている検査であるが、妥当性

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メタ分析(meta-analysis)

メタ分析(meta-analysis)

○メタ分析

 過去に行われた複数の独立した研究を系統的に収集し、それらの研究結果を統合する統計解析手法。
 グラス(Glass、G.V.)が最初に提案した。
 メタ分析では複数の研究を統合するために、研究ごとの測定単位に依存しない指標である効果量(effect size)を算出する。

効果量=介入群の平均値-統制群の平均値÷統制群の標準偏差

 効果量がプラスだと効果あり、マイナスだと効果な

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死への受容プロセス(dying process)

死への受容プロセス(dying process)

○キューブラー・ロス(Kübler-Ross, E.)は、約200名の末期がん患者へのインタビューに基づいて、死に向かう心理的な5段階のプロセスを表すキューブラー・ロスモデルを提唱している。

1.否認

 死の予告を聞かされた時、自分が死ぬことを認めようとしない段階。

2.怒り

 自分が病気であること、死が近づいていることに対して怒りを周囲に向ける段階。
 健康な他者への恨みや羨望が現れる。

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尺度水準(level of measurement)

尺度水準(level of measurement)

 スティーブンスは測定された数の意味や性質に沿って、数を分類する基準を作成し、尺度水準とよんだ。

○名義尺度(nominal scale)

 カテゴリーに対して便宜的に数値を割りあてただけの尺度のこと。
 序列や数値の大小関係に意味はない。

○順序尺度(ordinal scale)

 各数値間が等間隔ではなく、序列や数値の大小関係に意味がある尺度のこと。
例)順位

○間隔尺度(inter

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親密性平衡モデル (intimacy equilibrium model)

親密性平衡モデル (intimacy equilibrium model)

○親密性平衡モデル

 アーガイル(Argyle.M.)とディーン(Dean.J.)が提唱した。
 対人的な親密さは一定の均衡を保つものであり、均衡が損なわれると回復を目指す非言語的コミュニケーションが発動されることを示したモデル。
 2人の相互作用には、関係に応じて快適な親密性のレベルがあり、親密性を構成する行動として、視線の交錯(eye contact)、対人距離、会話の親密さ、微笑の量などが

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いつもありがとうございます。
現在、超大作を執筆中です。
心理学に興味がある方のためになればと思います。

エリクソンのライフサイクル(Erikson's life cycle)

エリクソンのライフサイクル(Erikson's life cycle)

○ライフサイクル
 エリクソン(Erikson, E.H.)が整理した生まれてから死に至るまでの一連の流れと各段階における発達課題と心理社会的危機を示したもの。
 フロイトの性愛説に基づきながらも、青年期やそれ以降の段階も重視した。

(1) 乳児期   0~1歲半 基本的信頼 VS 基本的不信

(2)幼児前期  1歳半~3歲  自律性 VS 恥、疑惑

(3)幼児後期    3~6歲  積極性

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バーナム効果(Barnum effect)

バーナム効果(Barnum effect)

○バーナム効果

 誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格を表す記述を自分だけに当てはまるかのように、都合よく解釈してしまう主観的傾向。
  アメリカの心理学者バートラム(Bertram, R.F.)は、被験者にテストの結果で性格がわかると教示し、テスト終了後に事前に用意した同じ内容の性格に関する記述を与えた。
 その結果、多くの被験者が自分に該当していると回答した。

バーナム効果を強固にする

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帰納的推論(inductive reasoning)

帰納的推論(inductive reasoning)

○帰納的推論 個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする推論。

帰納的推論の歪み

(1) 素朴理論(naïve theory)
 身のまわりの事象の観察を通して自然に獲得する知識体系。
 容易に修正しがたく、正しい科学的概念を教えたとしても無視したり、素朴理論に矛盾しない形に変形させてから取り込まれることが多い。

(2) 確証バイアス
 帰納的推論によって導き出される仮説は

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エディプス・コンプレックス(Oedipus complex)

エディプス・コンプレックス(Oedipus complex)

エディプス・コンプレックス

 フロイト(S. Freud)の発達理論の男根期において、4~6歳の幼児が感じる心理的葛藤。
 ギリシャ神話のなかに、男子は母親を愛し、そのため父親を憎むようになるという親子関係の基本的な感情的葛藤をみてとり、名づけられた。

①自身が男性であることを意識しはじめる。
②母親に性愛感情を抱く。
③母親への性愛感情を実現するため、父親に敵意を抱き、排除を考える。
④同

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