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議題設定効果(agenda-setting effect)

○議題設定効果

 マスメディアにおいてある争点や話題が強調されればされるほど、その争点や話題に対する人々の重要性の認知(顕出性)も高まる現象。

 マコームズ(McCombs, M.E.)とショー(Shaw, D.L.)は、1972年に地方新聞紙にみられる記事の重要性の優先順位と、その地域の住民が重要だと考える政治争点との間に高い順位相関が認められることを明らかにした。
 マスメディアに人々の議題を先導する役割のあることが実証的に示され、その後の議題設定効果の研究は、強力効果論の主要な流れのひとつとなった。

議題設定効果を左右する諸要因

 マスメディアは、すでに存在する議題を強調するよりも、最初に人々の議題を設定することに関して大きな影響力を持つ。
 すでに意思決定をしている者は、マスメディアに簡単には影響されない (議題設定効果の限界)。
 意思が決定していない人々に対して議題設定効果が生じやすい。

○オリエンテーション欲求(need for orientation)

 方向づけや指針を求める欲求のこと。
 何らかの意思決定を必要とする課題に関して、高い関心を持っていながら、まだ態度を決めていない場合、その判断のよりどころを求めようとする欲求。
 オリエンテーション欲求が強い人ほどメディアの議題設定効果を受けやすいと予測される。

社会的影響としての議題設定効果

 マスメディアが意図的に人々に与える影響を操作できる。
 公共的な視点から、人々に社会問題の重要性を提示できる。
 非意図的な影響を及ぼす恐れ、マスメディアは多くのなかから少数の出来事を選び、ニュースとして報道するため、取り上げられなかった問題が過小視されることがある。

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