第三者効果(third-person effect)
○第三者効果
マスコミュニケーションは自分自身に対してよりも、他者に対して大きな影響力をもつと見積もられる傾向。
デイヴィソン (Davison、P.)は、政治のネガティブキャンペーンや広告などの影響力認知からマスメディアによる説得的コミュニケーションが「他者に影響する」と考える人は、「自分に影響する」と考えている人よりも多いことを見いだした。
認知レベルの第三者効果
○第三者効果が生じやすいメッセージ
・影響を受けることが社会的に望ましくないと捉えられるメッセージ。
・広告など説得的意図が認知されたメッセージ。
・バイアスがかかっていると認知されたメッセージ。
○第三者効果が生じやすい回答者
・自分がその分野の専門的知識がしている人。
・学歴が高い人は他者への影響を過大評価する。
・年齢の高い人は自己への影響を過小評価する。
行動レベルの第三者効果
自分自身と世間一般の人々との間に、メッセージによる影響の受けやすさの差を認知することにより、自分と他者との差に対処しようとして、結果的に自らがマスメディアのメッセージに影響されてしまう行動レベルの第三者効果が認められている。
(例) テレビ番組で紹介された食品を「他の人が買ってしまうといけないから、早く買っておこう」と思って実際に買いに走る。
○敵対的メディア効果(hostile media effect)
マスメディアの報道が自分の態度とは反対方向に偏っていると認知する傾向。
この認知の歪みは、報道内容についてより詳しい情報をもつ人において、より顕著になる。
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