山田 賢治

教育学研究:ポジティブ行動支援(PBS)、ポートフォリオ式ラウンドシステム(at英語教…

山田 賢治

教育学研究:ポジティブ行動支援(PBS)、ポートフォリオ式ラウンドシステム(at英語教員がちサロン)、隂山メソッド(小中接続英語)。 児童文学:林原玉枝先生に師事。 音楽:arrows & bullets や tension notes でクラブジャズピアニストとして演奏活動中。

記事一覧

英語指導法の流行の変遷と批判について

かつて【文法訳読式】という指導法がありました。 「読めるけど話せない日本人」と揶揄されました。 反省を受けて【英会話重視】へと舵が切られました。 「話せないどころ…

山田 賢治
2週間前
1

AI時代の到来は、一部のエリートと大多数のベーシックインカムの時代の到来か

現行の学習指導要領が、思考・判断・表現という本当に数値化できるのかも怪しいものを求めて高度な問題ばかりを出す風潮にあるのは周知の事実です(だと信じてます)。 OE…

山田 賢治
2週間前
2

ドリルはダメという風潮について

やってたことが隂山メソッドと共通してたので隂山メソッドの英語部門を担当するようになりましたが、別に自分の立ち位置関係なく「活動の中でしか単語を覚えてはいけない」…

山田 賢治
2週間前
2

授業時間のアウトソーシング

中学校の授業時間は、本当に50分でしょうか? 帯学習や、振り返りをしていたら、教科書を進める時間がない? 発送の転換をしてみましょう。 1分間でWPMが算出されるタ…

山田 賢治
1か月前
1

エアタイピング(シャドータイピング)は令和(ネクストGIGA)の『読み書きそろばん』になる!

ネクストGIGAスクールも助走を始めてますが、ハード面・ネットワーク面が整備されても運用面が不十分なら意味がありません。まあ、うちは高速運用するソフト(授業)にハー…

山田 賢治
2か月前
1

CBL(クラウドベーストラーニング)

前述の「学校が地図から消える日」で述べたように、Society5.0あるいはEducation5.0はVUCAすぎてまだまだ見えませんが、個人的にはEducation4.5あたりが見えてきた気がして…

山田 賢治
5か月前
4

学校が地図から消える日

公教育スクラップ&ビルドの記事を読んだ方から、 「何をスクラップして、何をビルドすべきか、したほうがいいか、しないといけないか、その基準みたいなものってどこが拠…

山田 賢治
8か月前
1

公教育のスクラップ&ビルド時代の到来

堀内孜先生を悼んだ現代学校研究論集への寄稿より転載(一部改変)  令和は、公教育をスクラップ&ビルドする時代となるだろう。  PISA2018で長文ブログを速読する問題…

山田 賢治
8か月前
2

中国地区英語教育学会に向けての用語整理

用語の整理をしておきます。 ラウンドシステムの中に  →本家5ラウンドとか  →ぷちラウンド(派生・バリアント)があって   →テストごと・学期ごとで区切ってラウ…

山田 賢治
1年前
3

オールイングリッシュの功罪計算式 ~誰が長く話すべきか~

■例題A 教師の英語使用率100%(オールイングリッシュ) 生徒のリスニング時の学習従事率(エンゲージメント)50% 生徒の英語活動率10% ▢解答A 100×0.5…

山田 賢治
1年前
2

インテンシティを落とさない列のさばき方

ポートフォリオ式ラウンドシステムで授業をしていると、あらゆる活動に対しこまめにタスクが設定されている関係で、様々なタイミングで生徒が発表や小テストのクリア報告に…

山田 賢治
1年前
3

ブリをつける2 ~あるいは号令の必要性について~

学習にブリ(勢い)をつける方法について、もうひとつ。 日本人はBOW(バウ/ボウ/弓なりに腰を曲げて礼節を表すこと)をしますが、海外は握手だったりハグだったりしま…

山田 賢治
1年前
2

■終章 アイデア次第でなんでもできる時代になった!

5ラウンドは実践研究途上の指導法であり、まだまだ改善の余地(伸びしろ)があると思っています。『英語運用力が伸びる5ラウンドシステムの英語授業』にも書かれていたよ…

山田 賢治
1年前
1

■第2章 ポートフォリオとは何か

ポートフォリオとは直訳で『書類一式』のことで、もともとは金融商品の組み合わせのことでした。複数の商品を組み合わせることでリスクヘッジするやり方です。 ですが教育…

山田 賢治
1年前
2

■『ポートフォリオ式ラウンドシステムで こどもが自分から英語を学びだす!』■序章~1章

※書籍原稿ですので、実際に書籍化された場合は削除されます。 戦後最大の教育改革で鈍器のように重くなった教科書を、いかにして学ばせるのか? 解決策は、むしろ『速く…

山田 賢治
1年前
6

がちセミナー『ポートフォリオ式ラウンドシステム対談』

英語教員がちサロンで、ポートフォリオ式ラウンドシステムについてのアンケートをしました。 ありがたいことにアンケート内容のメリット、デメリット、質問、相談などが多…

山田 賢治
1年前
1

英語指導法の流行の変遷と批判について

かつて【文法訳読式】という指導法がありました。
「読めるけど話せない日本人」と揶揄されました。

反省を受けて【英会話重視】へと舵が切られました。
「話せないどころか読めもしない日本人」と輪をかけて揶揄されました。
大学のように英語で論文を読めないと困る部門からは、文法訳読式のほうがまだ良かったという声まで出ました。

そのため聞く・話す・読む・書くの【4技能を統合的に】と修正されました。今は話す

もっとみる

AI時代の到来は、一部のエリートと大多数のベーシックインカムの時代の到来か

現行の学習指導要領が、思考・判断・表現という本当に数値化できるのかも怪しいものを求めて高度な問題ばかりを出す風潮にあるのは周知の事実です(だと信じてます)。

OECDの影響だったり、政財界の要請だったりするのかもしれません。
あるいは本当に頭のいい人が

「これからはAIの時代だ。
 人の仕事の8割はAIに奪われるだろう。
 その中で生き残れるのは
 AIを作りメンテする人材や
 AIにはできな

もっとみる

ドリルはダメという風潮について

やってたことが隂山メソッドと共通してたので隂山メソッドの英語部門を担当するようになりましたが、別に自分の立ち位置関係なく「活動の中でしか単語を覚えてはいけない」という現在の風潮には危険を感じます。

もしそれが絶対の正解なら、なぜプロスポーツ選手は競技の中で筋トレをしないんでしょうか。
むしろ競技外で徹底的に体を鍛え上げてますよね。
大学野球に行くのとプロ野球に行くのとでは、体つきが全然変わってし

もっとみる

授業時間のアウトソーシング

中学校の授業時間は、本当に50分でしょうか?
帯学習や、振り返りをしていたら、教科書を進める時間がない?

発送の転換をしてみましょう。
1分間でWPMが算出されるタイピング英単語をさせていみると、生徒はスコアの更新が楽しくて何度も挑戦します。
結果、セットされた数十語の英単語を完全暗記するに至ります。
授業で単語練習をしたことは一度もありませんが、勝手に満点とっていきます。
スローラーナーでも、

もっとみる

エアタイピング(シャドータイピング)は令和(ネクストGIGA)の『読み書きそろばん』になる!

ネクストGIGAスクールも助走を始めてますが、ハード面・ネットワーク面が整備されても運用面が不十分なら意味がありません。まあ、うちは高速運用するソフト(授業)にハード(タブレット)が追いついてくれてませんが。

さて、あるタイピング英単語ソフトのモニターをやってますが、最近「これはネクストスタンダードになるな」と確信したことがあります。

エアタイピングです!

そういう言葉は、令和6年5月現在、

もっとみる

CBL(クラウドベーストラーニング)

前述の「学校が地図から消える日」で述べたように、Society5.0あるいはEducation5.0はVUCAすぎてまだまだ見えませんが、個人的にはEducation4.5あたりが見えてきた気がしてます。

実は今日、導入からまとめまで教室でなくても成立するようなクラウド授業を行ったわけですが、参観者や生徒と交わした言葉が自分の中でも象徴的だったなと感じてます。

「166問単語テストをしてる真っ

もっとみる

学校が地図から消える日

公教育スクラップ&ビルドの記事を読んだ方から、
「何をスクラップして、何をビルドすべきか、したほうがいいか、しないといけないか、その基準みたいなものってどこが拠り所なんだろう・・・?」
というコメントをいただきました。
なので、少し個人的な未来予測を記録しておきます。

ミクロの視点で言えば、アンケートやしょうもない回覧を減らして、授業準備に使える時間を増やすとかいう働き方改革の話になるけど、

もっとみる

公教育のスクラップ&ビルド時代の到来

堀内孜先生を悼んだ現代学校研究論集への寄稿より転載(一部改変)

 令和は、公教育をスクラップ&ビルドする時代となるだろう。
 PISA2018で長文ブログを速読する問題が問われるなど、学習内容のアウトプット方法(問い方や答え方)を変化させる必要に迫られており、(PISA2022での躍進は喜ばしいことではあるが)現行の学習指導要領や教科書、入試問題なども複雑化・高難易度化が急速に進んできた。そんな

もっとみる

中国地区英語教育学会に向けての用語整理

用語の整理をしておきます。

ラウンドシステムの中に
 →本家5ラウンドとか
 →ぷちラウンド(派生・バリアント)があって
  →テストごと・学期ごとで区切ってラウンドを回したり
  (他の教員と足並みを揃えやすい)
  →スパイラル状に毎授業少しずつズラしたりする
  (短期記憶が維持されているうちに繰り返す)

でも「何度も繰り返したぞ」ってだけだと指導者の自己満足で終わってしまうので「ポート

もっとみる

オールイングリッシュの功罪計算式 ~誰が長く話すべきか~

■例題A
教師の英語使用率100%(オールイングリッシュ)
生徒のリスニング時の学習従事率(エンゲージメント)50%
生徒の英語活動率10%

▢解答A
100×0.5×0.9(授業の9割は聞きっぱなしで集中力半減)

10%(少しだけ英語活動)

55学習強度(インテンシティ)ポイント

■例題B
教師の英語使用率50%
生徒のリスニング時の学習従事率(エンゲージメント)80%
生徒の英語活

もっとみる

インテンシティを落とさない列のさばき方

ポートフォリオ式ラウンドシステムで授業をしていると、あらゆる活動に対しこまめにタスクが設定されている関係で、様々なタイミングで生徒が発表や小テストのクリア報告に来ることになります。

そうなると列のさばき方が重要になってくるわけで、自由進度学習のクオリティを高めるには、教師側のファシリテートスキルが求められてきます。
「行列ができてもったいない!」
「もっとスムーズに回したい!」
という前向きな悲

もっとみる

ブリをつける2 ~あるいは号令の必要性について~

学習にブリ(勢い)をつける方法について、もうひとつ。

日本人はBOW(バウ/ボウ/弓なりに腰を曲げて礼節を表すこと)をしますが、海外は握手だったりハグだったりします。
そしてバウは非接触あいさつのため、一対多でできますが、ハグを全員にして回れないので、海外の教室ではお互い声を掛け合うだけってのが多いわけです。
軍隊じゃないんだから「アテンション(注目)!」とか言わないですよね。

なので、学級規

もっとみる

■終章 アイデア次第でなんでもできる時代になった!

5ラウンドは実践研究途上の指導法であり、まだまだ改善の余地(伸びしろ)があると思っています。『英語運用力が伸びる5ラウンドシステムの英語授業』にも書かれていたように、プチラウンド制などの派生指導法がどんどん生まれることが望まれていますし、我々執筆陣も日々ポートフォリオ型5ラウンドに改良を重ねています。タブレットPCという教育インフラが整ったことで、今後も爆発的に変化が繰り返されることでしょう。です

もっとみる

■第2章 ポートフォリオとは何か

ポートフォリオとは直訳で『書類一式』のことで、もともとは金融商品の組み合わせのことでした。複数の商品を組み合わせることでリスクヘッジするやり方です。
ですが教育の場面では、単純に数値化できない行動記録などをファイリングして評価するやり方として、ポートフォリオという言葉が使われ始めました。
総合や道徳などでよく使われており、OPPA(一枚ポートフォリオ評価)などの派生もあります。
本章ではポートフォ

もっとみる

■『ポートフォリオ式ラウンドシステムで こどもが自分から英語を学びだす!』■序章~1章

※書籍原稿ですので、実際に書籍化された場合は削除されます。

戦後最大の教育改革で鈍器のように重くなった教科書を、いかにして学ばせるのか?
解決策は、むしろ『速くする』ことだった!
半年で教科書を3周まわした教師陣による、型破りな指導法をここに公開!
速いだけじゃない!
完全に個別最適化された、自分で学習調整して学ぶ英語教育システム!

……………………………………
■目次
序章  半年で15点ア

もっとみる

がちセミナー『ポートフォリオ式ラウンドシステム対談』

英語教員がちサロンで、ポートフォリオ式ラウンドシステムについてのアンケートをしました。
ありがたいことにアンケート内容のメリット、デメリット、質問、相談などが多岐に渡ったので、サロン運営者のえざわ先生との対談の形でデータ分析をしたり、質問にお答えしたりすることにしました。

1月28日(土)21:00~22:00
がちサロンに参加(無料)してる方は、リアルタイム&アーカイブでご覧になれます。
リア

もっとみる