ブリをつける2 ~あるいは号令の必要性について~

学習にブリ(勢い)をつける方法について、もうひとつ。

日本人はBOW(バウ/ボウ/弓なりに腰を曲げて礼節を表すこと)をしますが、海外は握手だったりハグだったりします。
そしてバウは非接触あいさつのため、一対多でできますが、ハグを全員にして回れないので、海外の教室ではお互い声を掛け合うだけってのが多いわけです。
軍隊じゃないんだから「アテンション(注目)!」とか言わないですよね。

なので、学級規律が安定してきたら、英語科では号令を行いません。その代わり「その日はじめて、ろうかや教室で先生に会ったら、英語で挨拶してな」と言ってます。号令の代わりに『先生が教室に入るなり、自分たちから英語で挨拶する』練習をしたりします。

授業終わりも、まとめや次回予告のためにいったんこちらの話に集中させる必要はありますが、きっちり号令やバウが必要かどうかは常識を疑ってみてもいいと思ってます。
たとえば自由進度学習なり問題集なりに集中している状態なら、そのままブリ(勢い)をつけて休み時間も続けてもらうために、わざと小声で「See you.」とだけ言って教室を立ち去ります。
「休んでもいいし、ブリついたことだし行けるところまで行ってもいいよ」という説明だけして。

道徳は、その50分だけでなく、授業のあとの日常生活における道徳的実践力が大切と言われます。
学習も、授業の中だけでなく、家庭学習もサイクルに取り込んで行わせるものですよね。
英語なら、教室内だけでなく、ろうかや日常生活で英語を使ってほしい。

そう考えると、50分のチャイムや号令で学習が途切れるのが、とてももったいないと思うわけです。むしろ、そこからが本当の学習の始まりではないか、と。

今、ろうかで会ったときに日本語で挨拶する生徒はほとんどいません。
私には必ず英語です。
Happy holidays! から雑談するキャンペーンや、What's up? から雑談するキャンペーンをやってるから、なおさら雑談も英語です。
授業の準備を聞きに来るときも、英語でWhat's next? と聞いてきます。
ALTが来る木曜日の給食の放送は、バイリンガルで放送されます。

週4コマの授業だけでは英語のシャワーとは言いがたいですが、日常からこれくらい英語を使っていれば……?
ぜひ、みなさんも試してみてください。

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