■終章 アイデア次第でなんでもできる時代になった!

5ラウンドは実践研究途上の指導法であり、まだまだ改善の余地(伸びしろ)があると思っています。『英語運用力が伸びる5ラウンドシステムの英語授業』にも書かれていたように、プチラウンド制などの派生指導法がどんどん生まれることが望まれていますし、我々執筆陣も日々ポートフォリオ型5ラウンドに改良を重ねています。タブレットPCという教育インフラが整ったことで、今後も爆発的に変化が繰り返されることでしょう。ですが教員自身が自律的に指導法を学び続ける存在であれば、その熱意は子どもたちに伝わり、実績として残っていくはずです。お互いの研鑽のため、問い合わせは大歓迎です。みんなで知恵を結集して、未来の教育を作り上げていきましょう。

■ラウンドシステム その他の利点
・コロナ休校に強い
・全体の俯瞰的理解が促進される
・ファストラーナーはとっとと応用に入れる
・スローラーナーに対処する時間が捻出できる


■生徒言動録
「やったぁ!」(中2男子)
今までに習った全動詞のテストが出題(クラスルームにアップロード)されたときの喜びの声。

「おぉ、これは使える」(中1男子)
何度も繰り返し練習できるタイプの問題集を配布されたときの感動の声。

「先生。教科書最後まで単語テスト満点取ったんで、はやく提出先つくってください」(中1女子)
コロナ対策で宿題提出をICT化していたときの、生徒がせっつく声。

「やり方、わかってきた」(スローラーナー)
作文テストを何十回と繰り返した結果、つぶやいたセリフ。

「え、もう終わり?」(スローラーナー)
自主学習習慣がついてきた頃の、授業終わりのつぶやき

「パチパチパチ(大拍手)」(クラス全員)
スローラーナーが十数行の英文の暗唱をクリアしたとき。各自で学習する時間だったが、クラスメートの様子をきちんと追いかけていたらしい。

『教科書の隙間に目一杯書かれた英単語』(その時点でのスローラーナーたち)
単語テストや英作文テストのときに、練習や再テストを教科書の隙間に書きはじめた。ノートがなくとも、学ぶ気さえあればいいのだと教えられた。もちろん数行の作文テストで最後には満点を取った。

『小テストの裏面にびっしり書かれた英単語』(支援学級の生徒)
最初は教員が「練習らん」や「再テストらん」をプリントの隙間に書いてあげていたが、そのうち自分で練習して再テストするようになった。最後の1問が書けるようになるまで何度でも再テストを繰り返した結果、とうとうプリント一枚(数十問)満点がとれるようになった。この子は、きっと将来、仕事ができるようになる。

「自己紹介文の暗唱は簡単なんすよ。そのあとアドリブに入るのが難しいんすよ」(どちらかといえばスローラーナーの中1男子)
きみは、もうスローラーナーではないよ。

「はい。ぜひ、低めに点数つけといてください!」(中2女子)
発信語彙は基本的に完全習熟を目指させているため、途中経過は「だいたい◯割」という記録の仕方をしており、「前より上がって、今回は6~7割ってところかなー。でも次、伸びてないように見えたらさびしいから、あえて低めに6割でつけておこうか」と振ったときの生徒の反応。『点数を取る』のがゴールならこういう発想にはならない。『自分が成長する』のを目標に学習しているからこそ出てきた発想なのだろう。

「あえて単語テスト受けずに、発表原稿作ってていいですか」(中2男子)
自由進度学習が一定の高みにたどり着いたことを確信。

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