■『ポートフォリオ式ラウンドシステムで こどもが自分から英語を学びだす!』■序章~1章

※書籍原稿ですので、実際に書籍化された場合は削除されます。

戦後最大の教育改革で鈍器のように重くなった教科書を、いかにして学ばせるのか?
解決策は、むしろ『速くする』ことだった!
半年で教科書を3周まわした教師陣による、型破りな指導法をここに公開!
速いだけじゃない!
完全に個別最適化された、自分で学習調整して学ぶ英語教育システム!

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■目次
序章  半年で15点アップ! その秘密とは?
第1章 5ラウンド・システムとは何か
第2章 ポートフォリオとは何か
第3章 子どもが自分から学びだす『ポートフォリオ式ラウンドシステム』
第4章 実践者座談会(江澤・山田・◯◯・◯◯……)
終章  アイデア次第でなんでもできる時代になった!
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■序章
半年で15点アップ! その秘密とは?
戦後最大の教育改革で教科書は鈍器のように分厚くなり、内容は複雑かつ高度なものになりました。
もちろん実践的な学力を、使える英語を、という方向性は間違っていません。
かつてのような「読めるけど話せない日本人」とか「読み書きも英会話もできない日本人」よりは、役立つ英語力を目指しているはずですから。
問題は志が高すぎて、全員に習得させる難易度が急激に跳ね上がったこと。
小学校で習ったことにされている700単語の復習どころか、日々のページを追うのにも必死なのが実情ではないでしょうか。
この重くなった教科書を、いかにして学ばせるのか?
あえて逆説的に断言しますが、解決策はむしろ『速くする』ことにあります。
すばやく一度教科書を終わらせることで、俯瞰的に教科書を理解させ、そこから習熟度を上げていくのです。
5ラウンド・システムには、そのためのヒントが散りばめられています。
俯瞰的理解をさせたら、そこから言語を使いこなせるレベルまで習熟させていく必要があります。ただし学習のペースや、自分にあった勉強法というのは、人によって大きく違います。主体的に学ぶ態度や、個別最適化が叫ばれる昨今、必要なのは自分の進捗状況を自身で管理させるポートフォリオです。適切な目標と道筋を示すことができたなら、子どもたちは勝手に学習を進めていきます。21世紀に、令和の時代に求められる主体的な学習者の誕生です。
うまくやれば、半年で実力テストを15点アップさせることだって可能です。
では、どうやってその領域までたどり着かせるのか。
一緒に道筋を追っていきましょう!

■第1章 5ラウンド・システムとは何か
横浜市の実践で有名な5ラウンド・システム。
それは教科書を年間5周くりかえすことで「習うより慣れろ」を実現させる大戦略です。
そして、その毎ラウンドに設定されたポイントは、
ラウンド1:リスニングによる内容理解
ラウンド2:内容理解した本文での音・文字の一致
ラウンド3:音読
ラウンド4:穴あき音読
ラウンド5:リテリング(自分の言葉でストーリーを伝える)
となっています。
言語習得理論的にリフレーミングするなら、以下のようにいえるかもしれません。
ラウンド1:リスニング(音・受動)
ラウンド2:リーディング(文字・受動)
ラウンド3:スピーキング(音・能動)
ラウンド4:ライティング(文字・能動)※1
ラウンド5:リテリング(活用)※2
ライティングの位置づけ(※1)や、リテリングのあとに続く実践英会話(※2)には課題を残すかもしれませんが、教科書を徹底的に習熟させる一つの有用な作戦であることはまちがいありません。また誰が指導しても、カリキュラムとして一定の効果が期待できるというのも、教員の平均年齢の低下が急速に進む教育現場において、魅力的に映ることでしょう。


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