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エッセイはとつぜんに

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つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
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2018年12月の記事一覧

おててつないで

おててつないで

寝室にはいると、娘をひざにちょこんと座らせ、絵本を読む。

娘の自由すぎるページめくりに翻弄されながら、ひとしきり読み終えたころ、「そろそろねんねしよっか。電気消していい?」と問う。

まだ読み足りないときは首を横にふるが、たいていは「う!」と言って自らわたしのひざをおり、自分の布団にぼふっ、とうつぶせになる。

そんな毎晩のルーティン。

* * *

そこからトントンしたり、子守唄をうたったり

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note運営陣のみなさん、ありがとう。

note運営陣のみなさん、ありがとう。

10月にこんなnoteを書いた。

要約すると、「noteを更新したときに表示されるポップアップ、毎日更新のひと以外にも嬉しいものになったらいいのになあ」という内容だ。

連続更新をしていると「◯日連続の更新!クリエイティブが炸裂してますね!」とか毎日ちがうコメントで褒めてくれるポップアップは、毎日更新組にはとても励みになるのだけれど(わたしも一時期そうだったので)、そうじゃないひとたちには逆にし

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大変さと、矛盾した気持ちと。

大変さと、矛盾した気持ちと。

「あっ、そういえば今年は無気肺になったりもしてるので。心疾患の影響で、呼吸器系はかかりやすいみたいです」

「ああ、いろいろやってきたんですねえ……」

遠方で初めてかかった小児科医に、ねぎらいの混じった優しい苦笑いでそう言われて、ああ、そう言っていいんだ、よかった、と救われた気がした。

* * *

この手の話題はいつも気をつかう。

「うちの子にはこんな病気があって」とか、「毎日こんなケアが

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じいじは意外とロマンチスト

じいじは意外とロマンチスト

突然父がいなくなったと思ったら、庭の物置きの奥をガサゴソやって、小さなクリスマスツリーをひっぱりだしてきたらしい。

ちょっとお父さんそんな、ほこりかぶってそうなもの。いま孫ちゃんはお咳こんこんしているのに、ととがめる母。

孫の笑顔が見たい一心の父と、孫の健康を案じるあまり怒る母。

どちらも孫が大好きすぎるがゆえに生まれる、日々の小さな言い争いは、愛しくさえある。

* * *

娘の体調が悪

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咳込みデイズ

咳込みデイズ

眠っては咳込んで起き、眠っては咳込んで起き。

疲れているのになかなか眠れず、ぐずりにぐずりまくっていた娘がようやくいま、すこし眠っている。

息をするたび、小さくてかわいらしいその鼻から、ずびびびっ、ずびびびっと、決してかわいらしくはない音がしてる。鼻がつまっているときって大人でも苦しいよね。わかる。わかるだけにつらい。

さっきまで不機嫌で何をしても大暴れ、抱っこしても「うあーん!」とのけぞっ

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ぼうっとしながら買い物しない

ぼうっとしながら買い物しない

ドラッグストアのレジで、ポイントカードと割引クーポンを渡し、さあお金を払おうと財布を取り出そうとしてリュックを前に持ってきた。

……ところで、リュックのファスナーががばっと空いていることに気づく。

そして、そこにあるべき財布が、ない。

“え、あれ?! どういうこと?! 何?盗られた??”

荷物が少ないので一目瞭然のところ、反射的に手を入れてがさごそしてみるが、やっぱりどうみても財布はない

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正解なんてたぶんないのだろうけれど

正解なんてたぶんないのだろうけれど

何が正解なのかわからない。

熱こそないものの、たまに激しく咳き込む娘を連れて予定どおり飛行機に乗って帰省してよいものか。朝、ほんとうにぎりぎりまで夫と迷っていた。

高熱でぐったりしているならばさすがに迷わずキャンセルしたけれど、咳の発作以外はニコニコと普段どおり遊び回っているようすがまた、悩ましい。迷いに迷ったあげく、最終的には親の責任で「行くか!」と決めた。

そもそも今回の帰省は夫の出張に

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肩から力が抜けすぎているかもしれない

肩から力が抜けすぎているかもしれない

土曜は保育園のクリスマスお遊戯会だった。

娘が通う園は小規模なのだが、会自体は他の園と合同で、市の施設のホールを借りて行うため、むしろこれでもかと大規模であった。

サンタの衣装で来てくださいと言われていたから、100円ショップで適当にそろえたアイテムを着せていったら、会場についた途端、気合の入ったサンタコスプレのお子さまたちがたくさん歩いていて圧倒される。

うわぁ、みんな、すごい気合いだ……

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母からの宅配便

昨日は夫の誕生日だった。

慣れないメニュー作りにわたしが台所で四苦八苦していると、ピンポーンとチャイムがなって、荷物が届いた。わたしの実家の母から。

おそらく誕生日に間に合うようにと、前日指定で届けられた宅配便。その日は不在で受けとれずに、再配達で当日に受けとったのだ。

夫へのプレゼントにと送られてきたのは、コーヒーミル。

箱を開ける前から伝票の表示を見て「おぉー、ナイスセレクトだよ」と言

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出会えるひとの数にはかぎりがあるから

出会えるひとの数にはかぎりがあるから

わたしは千葉の片田舎生まれで、東京のマンモス大学に通い、東京の会社に就職した。そのあと1年半ほどは海外をふらついていたけれど、帰国後はまた東京や神奈川を拠点に生活していた。

つまり学生時代の友人や、仕事上の知り合いは圧倒的に関東がベースである。福岡には3年前に越してきて、まだまだ日が浅い。

だから実は、note酒場へ行くというときにちょっとだけ、思ったのだ。もしかしたら会場で、顔をみてお互いに

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note酒場の日のこと(まとまらない)

note酒場の日のこと(まとまらない)

ことばにしたいような、ことばにしたくないような。note酒場の日のことはそんな感じ。

なんだかずうっとふわふわとしていて、夢のなかのようで、でも現実なんだよなあと思って、不思議な感じだった。

夜の会場で、noteで交流のある進撃の弁当屋さんとお会いしたとき、「俺、なんか変な感じですよ。ずっとふわふわしてますよ」って同じようなことを言っていて、「ですよね。わかります」って言いながら。

そのふわ

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書きたいことを書かずにはいられない

書きたいことを書かずにはいられない

さてnote酒場のことを書こうかなと思っていたのだけれど、吉玉さんのこのエッセイを読んで、いろいろとタイムリーで、ちょっと泣きたい気持ちになるくらい共感してしまったので、それにまつわることを書きたくなった。

書きたくないものを書くのは、苦しい。

そのシンプルなフレーズが、こころにストンと実感をともなって落ちる。

ああ、すでに「自分のことばで書くこと」を仕事にされている吉玉さんにも、こういう葛

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1年ぶりのダウンジャケット

1年ぶりのダウンジャケット

数日前の暖かさがうそのように、今朝はまたぐっと冷え込んだ。

娘を保育園に送ろうと玄関まで出て、いつもの上着を着せようとして「いやまてよ」と思う。あわててマンションのベランダに出て外気をチェックしてみると、こりゃ冷たい。自転車に乗るなら、厚手の上着がいいな。

早く外に出たくて「うーうー」抗議する娘をちょっと待ってねといなしながら、部屋の奥にある衣装ケースをぱちんと開けて、去年買った娘のダウンを1

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むあー

むあー

まじめなことを書くと極力どうでもいいことを書きたくなり、どうでもいいことだけを書き続けているとまじめなことも書きたくなる。今日は昨日の反動で、かぎりなくどうでもいい話を書きたい気分。

昨夜から娘がついに、秘技「むあー」を覚えてしまった。

だれでもこどものときに一度はやったことがあるであろう、口に泡をつくって遊ぶあれである。もっといえば、口の中に唾液をため、口を開けるときにそーっと空気を入れなが

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