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肩から力が抜けすぎているかもしれない

土曜は保育園のクリスマスお遊戯会だった。

娘が通う園は小規模なのだが、会自体は他の園と合同で、市の施設のホールを借りて行うため、むしろこれでもかと大規模であった。

サンタの衣装で来てくださいと言われていたから、100円ショップで適当にそろえたアイテムを着せていったら、会場についた途端、気合の入ったサンタコスプレのお子さまたちがたくさん歩いていて圧倒される。

うわぁ、みんな、すごい気合いだ……。

イベント用の装飾品だから洗濯も不可、そんな注意書きも承知で買った我が子のペラペラの衣装を見ながら、本格的なふわもこ素材のサンタ衣装を着こなす他の園児さんを見て、あら、なんか場違いだったかしら感を胸のうちで地味に転がす。じんわり、じわじわり。

たった1日だしなあ、雰囲気が出ればいいよねと思っていたけれど、このくらい脱力系でやってくる家族って、少ないのだなあと気づく。なんというか、保護者さまのやる気みなぎる。

ああ、なんかこの感覚、デジャヴだなあ。

* * *

そういえば4月、保育園の入園式でも、同じような感覚を味わった。

入園式といっても、半日ほどの慣らし保育をやっと1週間ほど終えたような時期で、0歳〜2歳までの赤ちゃんやこどもたちが集う場。

主役は子どもたちだし、親は普段よりちょっときれいめな格好で行けばまあいいよね、と考えて、わたしはきれいめなシルエットの白シャツにパンツ、夫はほぼ普段着ででかけた。

会場につくと、まずいつもエプロン姿の先生たちがビシッと上下スーツで決めていて、え、今日ってそんな本気の「入園式」だったの?と衝撃をうける。あれ、もしやこれ、やっちまったのでは……?

見れば他の保護者勢も、かっちりスーツを来ていたり、ジャケットを着こなしたりして、「きれいめ」どころか明らかに「フォーマル」な格好をしている。ええ?! 今日ってそういう場だったの?!

わたしも中はきれいめにしたとはいえ、取材先にいける程度の普段着の延長だし、上着はいつも着ていたカジュアルなブルゾン。

気にしなくていいじゃんと頭では思いつつ、それでも周囲からの視線が痛いような気がして、そそくさと上着を脱いだ。

* * *

どうやら我々夫婦は、どちらもスーツを着ないで働くのが常すぎて、ジャパン・スタンダードからは大幅にズレているらしい。

というかクリスマス会の話も含めると、スーツ云々の問題ではなく、こどものイベントに対する重要度の認識が、他の保護者のみなさまとかなりズレているのかもしれない。

たぶん、重要度が「低い」わけじゃなく、ただ「ズレ」ているのだ。

行事はとても大事に思っているし、参加していろんな経験をしてほしいなと思うし、夫も仕事を調整してできるかぎり参加したいと考えるタイプだ。

ただ、イベントごとのためだけに着飾るという文化に、あまり親しみがないだけなんだろうなあ。我が家にとってはたぶん、その場にいることや、その場で何を経験できるかが最重要で。

そうはいってもお宮参りには着物をレンタルしたし、おそらく七五三でも着物をレンタルすると思う。我ながら何が違うのかしら、と考えたら、たぶん着物の場合は、その衣装を着ること自体が日本文化の「経験」になるという意識が、少なからずあるのかもしれない。

* * *

あれ? 冒頭の一行目を書き出したときは、クリスマスお遊戯会で見た娘の成長について書くつもりだったのに、書き始めたらまったく違う話になってしまったよ。

でもなんと保育園からお熱コールで呼び出しがきてしまったので、今日は推敲もろくにせず、たいへん尻切れトンボな感じで終わる。

明日から帰省予定で飛行機とってあるのだけれど、はたして……。

幸運をお祈りください。

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。