マガジンのカバー画像

Books

92
世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

建築を学ぶには身体を使うべき【本:建築家、走る】

建築を学ぶには身体を使うべき【本:建築家、走る】



・この建築を建てることが街にとって、環境にとって、本当にいいことなのか、地域の人たちを幸せにすることなのか
・1997年のビルバオ現象「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」

・戦後日本の建築業界
第一世代:1920年頃:初期
第二世代:1930年~1970年頃:国内発注形態
第三世代:1970年~2000年頃:移行期
第四世代:今:国内の建築需要は満たされ、国際レース

・文化や洗練とは対極にあ

もっとみる
この空間を創造する人の物語を知りたい【本:アマン伝説 創業者エイドリアン・ゼッカとリゾート革命】

この空間を創造する人の物語を知りたい【本:アマン伝説 創業者エイドリアン・ゼッカとリゾート革命】

以前、メコンデルタのカントー市にあるアゼライリゾートのnoteを書いたことがある。私は、このアゼライの存在がきっかけで、元アマンリゾーツ創業者で、アゼライ創業者のエイドリアン・ゼッカ氏について興味を持った。それまでは、あまりホテルやリゾートの設計秘話?とか歴史というものには興味がなく、デザインやサービス、食事といった目に見えるもの、体感できるものを中心にホテル選びをしていたけれど、アゼライとの出会

もっとみる
子どもは「想像力」という名のかけがえのない宝物を持っている【本:幼い頃に戻る切符をください】

子どもは「想像力」という名のかけがえのない宝物を持っている【本:幼い頃に戻る切符をください】

『早く大人になろうと頑張る前に、たまには子どもになってみた方が人生はうまくいく』

とても美しいベトナムの文学作品と出会った。

まず最初に興味を持ったのがベトナム映画の色彩美と田舎の風景。その後、ベトナム映画『草原に黄色い花を見つける』の原作は、Nguyễn Nhật Ánhという作家によって書かれたことを知った。そして、その作家の他の文学作品である『Cho tôi xin một vé đ

もっとみる
自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

自分の地図をつくる洞察力とは【本:建築のエッセンス】

2000年に、建築家の斎藤裕氏により発行された『建築のエッセンス』という本からは、建築家の情熱と奥深さ、そして日本の空間と色彩美を学んだ。

「日本の建築って、なんで色彩が無くてつまらないんだろう」そんなことを南米や東南アジアで考えていたけれど、まさか日本の茶室や書院造に美しい空間と色彩を学ぶとは。そういえば、今思えば旅籠や書院造も、籠るだけ、書くだけ、という質素でいて壮大な花鳥風月を感じる場所だ

もっとみる
ベトナムの建築家から壁面緑化と風土を考える【本:Going Green with Vertical Landscapes】

ベトナムの建築家から壁面緑化と風土を考える【本:Going Green with Vertical Landscapes】

"Going Green with Vertical Landscapes" というベトナムと日本の建築家編集による本は、現在、金沢美術工芸大学、福岡大学、明治大学、北海道科学大学などの限られた大学の図書館にしか置かれていない。

・Vertical Gardens(壁面緑化)

・In the 21st century, the architects and designers of urban

もっとみる
環境と建築と人間の関係【本:「組み立てる文化」の国】

環境と建築と人間の関係【本:「組み立てる文化」の国】

偶然、図書館で見つけた建築関係の本。1984年に出版されている本で、著書の若山氏は他に『建築へ向かう旅』(旅行記の形をとった建築論からの文化論)と『風土に生きる建築』(建築構法の分類・分布・風土との関係研究)を出版されている。どちらのタイトルにも、興味がある。

ペラペラとページを読み進めていると、あとがきにこのようなメッセージがあった。これを読んで、私は、読むことを決めた。

「10年間勤めた設

もっとみる