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コピー機業界にゼロックスを復活させた『ベンチマーキング手法』

ゼロックスは1970年代まで普通紙複写機(PPC)市場で100%のシェアを獲得していましたが、キャノン、リコー、ミノルタが参入してきてから13%までシェアを減らしていました。


ゼロックスは、日本企業に負けましたが日本企業の力を認め「品質・時間・コスト」を見直し、他部署や他企業の優れた事例から目標やプロセスを学ぶ『ベンチマーキング手法』を導入して復活しました。

今回は、コピー機業界にゼロックスを復活させたベンチマーキング手法について紹介していきます。

負けを認めたゼロックス


ゼロックスは、コピー機メーカーで官公庁や大企業で使用されていたコピー機を開発し、1100の特許技術で市場を守っていた企業でした。

1970年代に新規参入してきた日本企業によって、シェア率100%が1982年には13%しかない状態になりました。

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そこで、ゼロックスは日本企業の力を認め品質・時間・コストを見直すことにしました。

ベンチマーキング手法


ベンチマーキング手法とは、他部署や他企業の優れた事例から目標やプロセスを学ぶことです。

ゼロックスは、まず敵の製品をバラして研究することにしました。

日本企業の製品をバラしてみたものの、日本の技術がすごいことに気付いた経営陣は富士フィルムとの合併会社である富士ゼロックスに調査チームを送り込みました。

その結果、ゼロックスは日本企業に比べて開発・生産・販売プロセスのすべてで負けていたことが分かりました。

学べるものはどこからでも学べの精神


ロバート・キャンプは、ベンチマーク手法を取り入れ、学べるものはどこからでも学べの精神で、社内最高・業界最高・世界最高の「優れた事例」を見つけるように指示します。

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◆ベンチマークの種類

①内部ベンチマーキング(社内比較)

②競合ベンチマーキング(業界内比較)

③機能ベンチマーキング(業界外比較)

④一般プロセスマーキング(業務外比較)

ゼロックスは、倉庫業務をアウトドア用品通販のL・L・ビーンに学びました。

ピッキングリストの自動化や台車の位置から梱包順や箱の大きさを学び、自社に適用させた結果、在庫を200万ドル(約2億1,755万円)を削減しました。

また、請求業務をアメリカン・エキスプレスに学びます。

その結果、顧客満足度を38%向上させ、間接事務費を50%、資材調達費を40%カットすることが出来ました。

ゼロックスは「③機能ベンチマーキング(業界外比較)」の優れた事例から学びを得て1989年には市場シェアを3.5倍の46%にまで伸ばすことに成功しました。

最後に

今回は、コピー機業界にゼロックスを復活させたベンチマーキング手法について紹介します。

ゼロックスは1970年代まで普通紙複写機(PPC)市場で100%のシェアを獲得していましたが、キャノン、リコー、ミノルタが参入してきてから13%までシェアを減らしていました。

ゼロックスは、日本企業の力を認めて品質・時間・コストを見直し『ベンチマーキング手法』を導入して復活しました。

ベンチマーキング手法とは、他部署や他企業の優れた事例から目標やプロセスを学ぶことで、ゼロックスは他業種の優れた事例を参考に13%のシェアを46%までに伸ばすことに成功したのです。

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