持田哲郎(言語教師@文法能力開発)

受験指導を通じて文法教育・言語技術教育を実践している言語教師です。「文法能力開発」とい…

持田哲郎(言語教師@文法能力開発)

受験指導を通じて文法教育・言語技術教育を実践している言語教師です。「文法能力開発」というソロプロジェクト的な事務所で、英語教育と国語教育の連携・融合の観点から教材制作などを行っています。その傍らで、予備校や塾で、英語・国語・小論文を教えています。

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主に大学入試の文法問題を使って英文法を学びます。

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2024年度オンライン個別指導

ご挨拶いつも持田のnoteをお読みいただきありがとうございます。この記事では2024年度の文法能力開発のオンライン個別指導についてご案内いたします。なお、当年度はオンラ…

「丸暗記」について

言語学習において、「丸暗記」を巡っては賛否両論があります。ただしこの議論は非常に目の粗いものとなっていて、感情論の域を出ていない場合がほとんどです。 「丸暗記」…

対話の力

教え手と学び手の対話を通じた学びでは、深い学びが可能になる、というのが持田の印象です。このため、質問や相談に限らず、受講するみなさんとお話しする時間を確保するよ…

自称受験生の人々:根性の可能性と限界

受験生を自称し、自称受験勉強に日々取り組む。 一般に「受験生」というのは、大学受験の場合、直近の年度の入試に合格することを目標として受験勉強を生活の中心に据えて…

個に応じた受験英語

志望校の入試問題の傾向と対策に熱心な人でも、受験生の傾向と対策にはあまり関心がなかったりします。入試は近年特に多様化していますが、受験生は昔から多様です。今何が…

授業前後の質問・相談

対面授業では、講師が受講生のいる教室で授業を行います。このため、授業の前後には講師が講師室にいるわけです。この時間に受講生が質問や学習相談をすることができます。…

受験英語の硬直

これまでも繰り返しお話ししてきたこと。文法やって文法問題対策、解釈やって和訳問題対策、のように個々の学習と設問対策を短絡的に結びつけることしかできない受験生がい…

今日はひとことだけ

大学受験生にとって、自分の学習状況を客観的に見ることができるかどうかは合否の分かれ目となります。こうしたメタ認知ができなければ、何浪しても志望校には受かりません…

講義の役割

予備校の授業は「講義」が中心です。講師が語ることを生徒が聴く、という形式の授業です。この講義の役割は、生徒にとってわかりづらいことをわかりやすくし、気づきにくい…

大学受験英語のシラバスデザイン

文法能力開発の『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』は汎用性の高いコンテンツですが、大学受験英語にも活用することができます。受験英語に対応させていく場合、読解にも作文…

まだそんなことを言ってるの?

大学受験英語の話。文法知識はだいたい身についたので次は解法を学ぼう。そう考える受験生がいます。こう考えている時点で志望校の合格は厳しいと言わざるを得ません。 い…

「おもろい」授業

関東では馴染みの薄かった「おもろい」という形容詞も、徐々に定着しつつあるようです。授業に対する評価として「わかりやすい」という形容詞があてがわれることがあります…

学習者いろいろ

外国語として実際に英語を学ぶ人にはさまざまなタイプがいます。社会人の方であれば何らかの英語試験のために勉強している方が多数派でしょうか。上級学習者になると、「英…

私大専願と精読、または訳読

大学受験生の、徐々にレアとなりつつある層。私大専願で、一般選抜個別試験を目標とする人たち。持田が受験生だった30年以上前なら首都圏では最大勢力でしたが、今は総合型…

難しい・・・

頑張れば潰れるし、頑張らなければ潰される。そういう時代です。興味を持ってのめり込んでいるものであれば、「頑張る」という気負いがなくとも深め続けていくことができま…

開講1か月の現在地

予備校生は、そろそろ開講して1か月を迎える時期です。いわゆるゴールデンウィークのイレギュラーにも耐えて通学・受講を続けている人、すでに挫折して授業には出ていない…

2024年度オンライン個別指導

2024年度オンライン個別指導

ご挨拶いつも持田のnoteをお読みいただきありがとうございます。この記事では2024年度の文法能力開発のオンライン個別指導についてご案内いたします。なお、当年度はオンライン個別指導のみのご案内となります。移動の関係で家庭教師はお引き受けできませんのであらかじめご了承願います。

時間枠について指導可能な時間枠についてですが、長期間指導可能な常設の時間枠を、120分換算で週に12枠設けております。こ

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「丸暗記」について

「丸暗記」について

言語学習において、「丸暗記」を巡っては賛否両論があります。ただしこの議論は非常に目の粗いものとなっていて、感情論の域を出ていない場合がほとんどです。

「丸暗記」は、何かを記憶する時の方法のひとつです。知識の記憶を意識的に行うのが「暗記」という行為です。暗記によらずとも記憶する方法はあります。ことばの場合は使っていくうちに自然に記憶に定着することも普通にあります。そして「暗記」のうち、覚えるべき知

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対話の力

対話の力

教え手と学び手の対話を通じた学びでは、深い学びが可能になる、というのが持田の印象です。このため、質問や相談に限らず、受講するみなさんとお話しする時間を確保するように努めています。

文法能力開発では、オンライン個別指導の授業中はもちろん対話で授業をおこないますが、授業外でもLINE公式で質問などができるようにしています。文法能力開発以外のオンライン予備校でも授業を担当しておりますが、そこでもできる

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自称受験生の人々:根性の可能性と限界

自称受験生の人々:根性の可能性と限界

受験生を自称し、自称受験勉強に日々取り組む。

一般に「受験生」というのは、大学受験の場合、直近の年度の入試に合格することを目標として受験勉強を生活の中心に据えている人を言います。ところが実際には直近の入試、現在であれば2025年入試を目標としているのかが明確でない「受験生」が多いようです。そして日々取り組んでいるものが受験勉強なのかどうかも怪しい「受験生」もいるようです。

そんなやついるわけな

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個に応じた受験英語

個に応じた受験英語

志望校の入試問題の傾向と対策に熱心な人でも、受験生の傾向と対策にはあまり関心がなかったりします。入試は近年特に多様化していますが、受験生は昔から多様です。今何が得意で何が不得意なのか、これまでにどのような学習を実践し、どのような成果を上げたのか、あるいはどのような課題が浮かび上がったのか。こうしたことと、志望校・志望学部のレベル・傾向の双方を踏まえて、実際の学習を進めていくわけです。

特に、英語

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授業前後の質問・相談

授業前後の質問・相談

対面授業では、講師が受講生のいる教室で授業を行います。このため、授業の前後には講師が講師室にいるわけです。この時間に受講生が質問や学習相談をすることができます。

ここで大人の事情についてお話しします。予備校講師の大半は非常勤講師で、授業のある時に予備校の校舎にやってきて、授業が終わると帰宅したり別の授業を行う校舎に移動したりします。講師契約は年間予定や時間割に基づいて授業を行って講料をいただく、

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受験英語の硬直

受験英語の硬直

これまでも繰り返しお話ししてきたこと。文法やって文法問題対策、解釈やって和訳問題対策、のように個々の学習と設問対策を短絡的に結びつけることしかできない受験生がいます。以前は予備校や塾の講座も英文法と英文読解の2本立てでそれぞれの授業でそれぞれの対策を行うカリキュラムが大半でした。これで入試問題が解けないのは慣れが足りないからだということになり、学習量を増やし、それに伴って学習時間を増やせばよい、と

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今日はひとことだけ

今日はひとことだけ

大学受験生にとって、自分の学習状況を客観的に見ることができるかどうかは合否の分かれ目となります。こうしたメタ認知ができなければ、何浪しても志望校には受かりません。

講義の役割

講義の役割

予備校の授業は「講義」が中心です。講師が語ることを生徒が聴く、という形式の授業です。この講義の役割は、生徒にとってわかりづらいことをわかりやすくし、気づきにくいことを気づきやすくすることにあります。学習をインプットとアウトプットに便宜上分けるならば、講義はインプットのきっかけ作りとして機能するわけです。

こうして考えると、大学受験にとっての講義というのは、あるとありがたいと思う人が活用すればよく

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大学受験英語のシラバスデザイン

大学受験英語のシラバスデザイン

文法能力開発の『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』は汎用性の高いコンテンツですが、大学受験英語にも活用することができます。受験英語に対応させていく場合、読解にも作文にも応用できる文法知識を、文法項目ごとに単純なものから複雑なものへと段階的に学んでいくことになります。いきなり難しいものをやらされない、そしてじっくり時間をかけて学べるという点で非常に安心感のあるシラバスとなります。

一方で、高校をすでに

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まだそんなことを言ってるの?

まだそんなことを言ってるの?

大学受験英語の話。文法知識はだいたい身についたので次は解法を学ぼう。そう考える受験生がいます。こう考えている時点で志望校の合格は厳しいと言わざるを得ません。

いわゆる4択問題でいうと、解けない原因は文法知識が「だいたい」しか身についていないか、括弧の前後2センチくらいしか視野に入れていないかのどちらかです。「知識」と「意識」の少なくともどちらか一方が不十分であることが解けない原因となっているわけ

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「おもろい」授業

「おもろい」授業

関東では馴染みの薄かった「おもろい」という形容詞も、徐々に定着しつつあるようです。授業に対する評価として「わかりやすい」という形容詞があてがわれることがありますが、それとは少し違った方向性を示すものに「おもろい」という評価を聞くことが増えてきました。

受験勉強とは言え、おもしろがれることは学習の継続を促す要因となるので悪いことではありません。むしろ、おもしろがってもらえれば授業者としては成功で、

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学習者いろいろ

学習者いろいろ

外国語として実際に英語を学ぶ人にはさまざまなタイプがいます。社会人の方であれば何らかの英語試験のために勉強している方が多数派でしょうか。上級学習者になると、「英語道」のような境地に至り、生活の中心に英語学習を据えています。このタイプの方はプロ学習者であり、英語学習が職業のような方です。学習成果をマネタイズする手段として講師となり英語を教えたりしている方々です。

試験が主で学習が従の人と、学習が主

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私大専願と精読、または訳読

私大専願と精読、または訳読

大学受験生の、徐々にレアとなりつつある層。私大専願で、一般選抜個別試験を目標とする人たち。持田が受験生だった30年以上前なら首都圏では最大勢力でしたが、今は総合型選抜も広まり、共通テストや外部英語試験のスコアだけで合否判定をする一般選抜も増えています。

私大の一般選抜個別試験で出題される問題の大半はマークシートによる多肢選択式です。英語の場合は、記述式問題の定番である和訳問題や内容説明問題が出題

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難しい・・・

難しい・・・

頑張れば潰れるし、頑張らなければ潰される。そういう時代です。興味を持ってのめり込んでいるものであれば、「頑張る」という気負いがなくとも深め続けていくことができます。しかし興味がないものをやり続けようとしても、苦痛で仕方がないという人もいるでしょう。

受験勉強をやりきった人の多くは、実は受験勉強にのめり込んだ人たちです。試験対策として勉強することに苦痛を感じないどころか、むしろ快楽を覚える人たちだ

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開講1か月の現在地

開講1か月の現在地

予備校生は、そろそろ開講して1か月を迎える時期です。いわゆるゴールデンウィークのイレギュラーにも耐えて通学・受講を続けている人、すでに挫折して授業には出ていない人、いろいろな状況の人がいると思います。

そして、そろそろ差がつき始める時期です。

明らかな差となるのは秋頃でしょうが、すでに少しずつ差がつき始めています。模試の文法・語法問題は知識を直接問う問題ですから、比較的学習効果が早く反映される

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