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#推理
創作大賞対象非対象かも知れん話し by黒影紳士 subtitle「見えない現実」2頁※title画に訂正が御座います。第四頁にて答え合わせして下さい(大体予想付きましたね^ ^)
※審査員の方々、ベストレビュアー狙いの方は此処から先を読むのは賞とは何も無関係なものだとご了承の上、どうぞ。
#創作大賞2024に応募していた筈なのに #ミステリー小説部門
「其れよりサダノブ……何故、なんちゃってミステリー探偵部門は出来ないのだ?こんなに此のご時世、多種多様な探偵がいるのに。探偵部門は何時、何処に出現するのだ?」
黒影はこんな緊張感が張り詰めた場面でそんな事を言い出す
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第七章 花手水
第七章 花手水(はなちょうず)
届かなかった想い
届いた想い
どれも何時しか願いとなりて
此の世界を安らかに見守っている
清まれし願いは
生きていく我々に
魂の安寧を授けん
――――――――
「サダノブ行くぞ!」
黒影は痛む背中から血を滲ませながら、朱雀剣を後ろ手に精一杯引く。
三匹の龍が更に水中を出たと思われた時、華渦巻く朱雀剣が丁度全ての花弁を巻き込んだ。
サダノブ
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第六章 闇より深く……
第六章 闇より深く……
※此の章はイメージを大切にして頂くラスト前ですので挿し絵は控えております。
「来るぞ!」
僕は辺りを見渡し警戒した。
ただでさえ硝子が崩れそうなこの状態で、一気に全ての世界が闇と包まれたのだ。
ヒシヒシと感じる……。
突然、僕を「黒影紳士」の世界に閉じ込めた、この呪いの様な書の本質……。
「何ですか、黒影紳士の書って?」
「良いから警戒しろ、来るぞ!」
心臓の
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第五章 片翼の天使と云う物語
第五章 片翼の天使と云う物語り
夜中に行形黒影紳士以外を書きたい衝動に駆られた。
僕には片翼しかない。
此れは産まれながらにそうである。
誰もが始めはそうなんだ。
そうでなければ、誰かを必要としないから。
此れは人と人が手を取り合う為に神様がそうされたのだと謂れているが、本当のところは誰も知らない。
もしも、本当に我々が片翼である理由がそうであるならば、僕はその理由を恨むだろう。
…だ
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第四章 華、誘い
第四章 華、誘い
――――――
ある夜の事だ。
黒影の声が聞こえた気がして、私は振り向いた。
あの洋燈を手に…理由も無く星でも眺めようと歩き出す。
鳳凰にも似た赤い火星が、今にも消えそうな瞬きをしていた。
胸騒ぎがして黒影の事務所に電話でもしようと思ったんだ。
そんな時、ぽつりぽつりと光が空へと続くのだ。
「この光は…」
手元に持っている、一つしか無い筈の洋燈が、道を示す様にポンポンと浮か
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第三章 影、現る
第三章 影、現る
「黒影?……誰ですか、其奴は?」
ある新米カメラマンが、その名を口にした。
周りにいたマスメディアが一気に騒めき立つ。
「おい!今、お前……「黒影」と言ったのか!?」
隣にいた記者が顔面蒼白になって聞く。
「ええ、確かに。「黒影」って奴が来るからさっさと帰って来い!って……」
と、何の事だかさっぱり分からない新人カメラマンは、言われたままを説明する。
「黒影と言ったらな
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第二章 水晶華
第二章 水晶華
一つ、煉獄映す業火の情熱
二つ、澄み渡る生命を讃え
三つ、言の葉揺らす君を想い
四つ、眠りつけば温もり残し
五つ、照り付ける輝きをも我が身にす
其れが何かと言いますれば、
五つの花弁の物語で御座います。
――――――
「総てを吸って行く?」
黒影は口にしていた珈琲カップをソーサーに置き、思わず確認した。
「ああ、五大元素ってあるだろう?その要素がある物、総
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第一章 流雪蔦
第一章 流雪蔦
流雪蔓
雪柳が咲く
桜を前に
白き雪の名残を讃えた
――――――――
染井吉野が咲く頃、小さな白い雪の花がぽつりぽつりと咲き始めた。
温かな風に吹かれ、其れは軈てふんわりと嫋やかに揺れるのであります。
真っ黒な猫が一匹…その白い雪柳の簾を掻き分け現る。
「あっ……「先生」じゃないか。……ほら…花弁だらけじゃないか。さては遊んでいたな?」
微笑む青年が一人、其
season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第六章 生命の翼
第六章 生命の翼
「風柳さん……」
「……ああ、分かってる」
湖にせめて二人の願いを叶えてやろうと辿り着くと、黒影は風柳に声を掛けた。
風柳は黒影に言われた、自害の可能性の話を思い出し、黒影の目を見てゆっくり頷いた。
サダノブが暁春を、風柳がデュランテ医師の腕を握り、警戒はしている。
ただ、黙祷をしたいと言うのでその時は離してやらねばとは思っていた。
これだけ、居るんだ……まぁ、大丈
season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第五章 見知らぬ花
第五章 見知らぬ花
「……そんな、遥々こんなに遠い異国の地に来たんですよ?!」
式田 暁春は従姉妹の揺波を何とか彼方此方から資金を用立て、スイスにいた。
日本で揺波の容態をずっと匙も飛ばさず、対処療法で診てくれていた田沼 嘉樹(たぬま よしき)の紹介状も持っている。
田沼 嘉樹の紹介状を見たスイスの医師、ハロイド•デュランテ・ガーベルは即座に揺波を最先端医療機器の精密検査へと回した。
到
season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第四章 光の導くままに
第四章 光の導くままに
「大体ね、先輩が湖を恥ずかしがって囲むから、余計に何があったか分からないじゃないですか」
と、サダノブが言った。
「……そうだ。だからやはり、僕が湖を囲む前に沈めたんだ」
黒影は皆んなが黒影と白雪のデートを見てやろうとしていた事を思い出し、時間を絞って行く。
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!そうじゃ無くて、中で犯人が何をしていたかが見えなかったって話しです」
と、サダノブが言
season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第三章 菊の在処
第三章 菊の在処
「サダノブ……衛星画像からこの辺一帯を探してくれ。此れだけ色が豊富なんだ。かなりの数の菊を育てているに違いない」
黒影はそう指示を出す。
「先輩」
「何だ、問題でも発生したか?」
黒影はサダノブがさっさとタブレットPCで検索しないので、若干苛立ち言った。
「いえ……其れより、白雪さん……」
「えっ?白雪……何処行ったんだ!?」
黒影はさっきまで隣にいたのに、突如姿を白雪が
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第五章 再生
時藤 浩史宅付近で、やはり黒影の思っていた通り、蔦は動きを止めた。
「此処からは、夢探偵社だけで十分です。有難う、涼子さん、穂さん」
黒影は二人に言う。
「でも黒影の旦那だって、サダノブも」
涼子は二人の怪我を気にした。
「もう、肉体労働はする気はないのです。此処からはこっちだ」
と、黒影は己の頭を指差し微笑んだ。
「成る程、そう言う事なら私達じゃ太刀打ち出来ませんね。お二人共、其れに白雪さんもご
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第四章 蔦
「なっ!……何だ!?」
黒影は足を引っ張られる感覚に、驚いて声に出す。強い力で足が引き摺られ、地上に手を付いた。
何が起きたのかとサダノブを見ても異変は無い。
着いた掌に不気味な感覚があった。
ミミズの様に冷たい何かが一瞬通ったかと思うと、手の甲に其れは姿をやっと現す。
シュルッと黒影の指に絡まり、蔦は其の身体毎引き摺り、サダノブから離そうとするのだ。
まるで意思を持っているかの様に、黒影が成す