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「黒影紳士」season7」

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「黒影紳士」シリーズ、最大の大連鎖が起こる予感。 season2再開当時から、現れた黒影紳士の時間軸の謎に迫る。 今季はゆっくり更新だが、長くなりそうですよ。
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#推理

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第七章 花手水

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第七章 花手水

第七章 花手水(はなちょうず)

 届かなかった想い
 届いた想い
 どれも何時しか願いとなりて
 此の世界を安らかに見守っている

 清まれし願いは
 生きていく我々に
 魂の安寧を授けん
 ――――――――

「サダノブ行くぞ!」
 黒影は痛む背中から血を滲ませながら、朱雀剣を後ろ手に精一杯引く。
 三匹の龍が更に水中を出たと思われた時、華渦巻く朱雀剣が丁度全ての花弁を巻き込んだ。
 サダノブ

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最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第四章 華、誘い

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第四章 華、誘い

第四章 華、誘い

 ――――――

ある夜の事だ。

黒影の声が聞こえた気がして、私は振り向いた。
あの洋燈を手に…理由も無く星でも眺めようと歩き出す。
鳳凰にも似た赤い火星が、今にも消えそうな瞬きをしていた。
胸騒ぎがして黒影の事務所に電話でもしようと思ったんだ。
そんな時、ぽつりぽつりと光が空へと続くのだ。
「この光は…」
手元に持っている、一つしか無い筈の洋燈が、道を示す様にポンポンと浮か

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最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第三章 影、現る

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第三章 影、現る

第三章 影、現る

「黒影?……誰ですか、其奴は?」
 ある新米カメラマンが、その名を口にした。
 周りにいたマスメディアが一気に騒めき立つ。
「おい!今、お前……「黒影」と言ったのか!?」
 隣にいた記者が顔面蒼白になって聞く。
「ええ、確かに。「黒影」って奴が来るからさっさと帰って来い!って……」
 と、何の事だかさっぱり分からない新人カメラマンは、言われたままを説明する。
「黒影と言ったらな

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最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第二章 水晶華

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第二章 水晶華

第二章 水晶華

 一つ、煉獄映す業火の情熱
 二つ、澄み渡る生命を讃え
 三つ、言の葉揺らす君を想い
 四つ、眠りつけば温もり残し
 五つ、照り付ける輝きをも我が身にす

 其れが何かと言いますれば、
 五つの花弁の物語で御座います。

 ――――――

「総てを吸って行く?」
 黒影は口にしていた珈琲カップをソーサーに置き、思わず確認した。
「ああ、五大元素ってあるだろう?その要素がある物、総

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最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第一章 流雪蔦

最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第一章 流雪蔦

第一章 流雪蔦

 流雪蔓

 雪柳が咲く
 桜を前に
 白き雪の名残を讃えた

 ――――――――
 染井吉野が咲く頃、小さな白い雪の花がぽつりぽつりと咲き始めた。
 温かな風に吹かれ、其れは軈てふんわりと嫋やかに揺れるのであります。
 真っ黒な猫が一匹…その白い雪柳の簾を掻き分け現る。
「あっ……「先生」じゃないか。……ほら…花弁だらけじゃないか。さては遊んでいたな?」
 微笑む青年が一人、其

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season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第六章 生命の翼

season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第六章 生命の翼

第六章 生命の翼

 「風柳さん……」
「……ああ、分かってる」
 湖にせめて二人の願いを叶えてやろうと辿り着くと、黒影は風柳に声を掛けた。
 風柳は黒影に言われた、自害の可能性の話を思い出し、黒影の目を見てゆっくり頷いた。
 サダノブが暁春を、風柳がデュランテ医師の腕を握り、警戒はしている。
 ただ、黙祷をしたいと言うのでその時は離してやらねばとは思っていた。
 これだけ、居るんだ……まぁ、大丈

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season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第五章 見知らぬ花

season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第五章 見知らぬ花

第五章 見知らぬ花

「……そんな、遥々こんなに遠い異国の地に来たんですよ?!」
 式田 暁春は従姉妹の揺波を何とか彼方此方から資金を用立て、スイスにいた。
 日本で揺波の容態をずっと匙も飛ばさず、対処療法で診てくれていた田沼 嘉樹(たぬま よしき)の紹介状も持っている。
 田沼 嘉樹の紹介状を見たスイスの医師、ハロイド•デュランテ・ガーベルは即座に揺波を最先端医療機器の精密検査へと回した。
 到

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season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第四章 光の導くままに

season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第四章 光の導くままに

第四章 光の導くままに

「大体ね、先輩が湖を恥ずかしがって囲むから、余計に何があったか分からないじゃないですか」
 と、サダノブが言った。
「……そうだ。だからやはり、僕が湖を囲む前に沈めたんだ」
 黒影は皆んなが黒影と白雪のデートを見てやろうとしていた事を思い出し、時間を絞って行く。
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!そうじゃ無くて、中で犯人が何をしていたかが見えなかったって話しです」
 と、サダノブが言

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season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第三章 菊の在処

season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第三章 菊の在処

第三章 菊の在処

「サダノブ……衛星画像からこの辺一帯を探してくれ。此れだけ色が豊富なんだ。かなりの数の菊を育てているに違いない」
 黒影はそう指示を出す。
「先輩」
「何だ、問題でも発生したか?」
 黒影はサダノブがさっさとタブレットPCで検索しないので、若干苛立ち言った。
「いえ……其れより、白雪さん……」
「えっ?白雪……何処行ったんだ!?」
 黒影はさっきまで隣にいたのに、突如姿を白雪が

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season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第五章 再生

season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第五章 再生

時藤 浩史宅付近で、やはり黒影の思っていた通り、蔦は動きを止めた。
「此処からは、夢探偵社だけで十分です。有難う、涼子さん、穂さん」
黒影は二人に言う。
「でも黒影の旦那だって、サダノブも」
涼子は二人の怪我を気にした。
「もう、肉体労働はする気はないのです。此処からはこっちだ」
と、黒影は己の頭を指差し微笑んだ。
「成る程、そう言う事なら私達じゃ太刀打ち出来ませんね。お二人共、其れに白雪さんもご

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season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第四章 蔦

season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第四章 蔦

「なっ!……何だ!?」
黒影は足を引っ張られる感覚に、驚いて声に出す。強い力で足が引き摺られ、地上に手を付いた。
何が起きたのかとサダノブを見ても異変は無い。
着いた掌に不気味な感覚があった。
ミミズの様に冷たい何かが一瞬通ったかと思うと、手の甲に其れは姿をやっと現す。
シュルッと黒影の指に絡まり、蔦は其の身体毎引き摺り、サダノブから離そうとするのだ。

まるで意思を持っているかの様に、黒影が成す

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