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rain drops

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柴田瞳の短歌つきエッセイ・コラムです。
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#短歌

親子で描くPerfume

親子で描くPerfume

娘の「チャレンジ1年生」をタブレット学習の「チャレンジタッチ」に切り替えたのが、今年5月。
保護者にメッセージを送れる機能があり、元来お絵かき好きの娘は毎日せっせと端末でお絵かきしては、めちゃめちゃ和むイラストを送ってくれていた。

こんな感じ。

そのうち、親子ともども大好きなPerfumeを描くようになってきた。

↑見る人が見ればわかる、ペプシコーラあ~ちゃん。

画力も上がってきたし、この

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病院でマリトッツォ

病院でマリトッツォ

ずっと我慢していた体の不調があった。
重い腰を上げて病院へ行くにも、逆にコロナをもらって帰ってきたらと不安があった。死に至る病じゃないしな、と。

しかしとうとうのっぴきならない状況になってきたため、夫の勧めもあって重い腰を上げることにした。
まずは市民病院へ電話をかけてみる。
「えっと、こういうのは何科に行けばよいでしょう」
「皮膚科でいいと思いますよー。紹介状がないと5500円追加でかかってし

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膀胱炎アゲイン

膀胱炎アゲイン

懐かしい痛みがやってたのは突然だった。
排尿時、針で刺されたような鋭い痛みが走った。

……うーわー。
やっちゃったよ。膀胱炎。

この日は起き抜けから喉に痛みを覚え、泥のような倦怠感が全身を覆い、頭痛の酷きことかぎりなしで、ひたすら家で寝ていた。
夕方になってようやく重い腰を上げて病院へ行ったら、個室に隔離され、例の感染症の可能性はないか丁寧に探られ、PCR検査をしてくれる医院を教えられ、風邪薬

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弔電を打ちながら

弔電を打ちながら

矢印にみちびかれゆく夜のみち死んだ友とのおかしなゲーム

これは、「かばん」の大先輩である杉崎恒夫さんの短歌。
今は彼自身も鬼籍に入っている。

8/13(木)の朝早く、秋田の父方の祖母が他界した。
正確には5時6分だったらしい。
満97歳、数えで98歳だった。

助産師として長年病院に勤め、退職してからも風邪ひとつひかず、自宅で祖父を看取ってからも15年一人暮らしを続けた。

秋田のおばあちゃん

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ファミコン貧乏性

ファミコン貧乏性

子どもに子どもらしい娯楽を与えないタイプの親の元で育ったので、ファミコン誕生から家庭用テレビゲーム機の全盛期を生きてきたにもかかわらず、ゲーム経験が非常に少ない。
ドラゴンクエストもファイナルファンタジーも自分でプレイしたことがなく、友達の家で見た記憶がわずかにある程度だ、と言うとたいていびっくりされる。
ゲームネタについてゆけず、トラウマを刺激されたり疎外感を感じることもある。わりと重症だ。

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紫陽花から蛇

紫陽花から蛇

最初は、ロープか何かかと思った。
それは、川縁の紫陽花の茂みからその長い体を宙に突きだし、うごめいていた。

その透明感のある、青みがかった緑色に、わたしは息子の手を引いたまま一瞬、見惚れた。
次の瞬間、それに目鼻があることに気がついた。

「……蛇!」

みっともないくらい大声で叫んでしまった。
息子も自分も噛まれたらと思うと軽くパニックになった。何しろ至近距離だったのだ。

へび! へび!

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友とBOSSジャン

友とBOSSジャン

己のアイデンティティー自認に大きく関わった人のことは、忘れられない。

わたしはもう12年ほど某テクノポップユニットの、いや伏せるまでもない、Perfumeのファンである。
ファンとして過ごしてきた日々のほとんどを相当な密度で費やしてきたのだが、わたしを「おたく」という生き物であると自認させてくれたのは友達のひとりだった。
以下、Yとする。

Yは大学時代の同期であった。
彼女は法学部、わたしは文

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チョコと修羅

チョコと修羅

それは、バレンタインデーの翌朝のことでした。
8時過ぎくらいでしょうか。家族で朝食を食べていると、チャイムが鳴りました。
こんな時間に? とインターフォンのモニターを見ると、若い女性の姿が映し出されていました。
帽子を目深にかぶっていて、顔はよく見えませんでした。

「隣りに入れようと思って、あの、ポストの、」
切羽詰まった口調で的を射ないことを言うのです。

「ポスト?」
「あの、あの、隣りに

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「奥さん細かい方です」

「奥さん細かい方です」

それは自分の人生で通算8度目の引越しのときだった。
挨拶を交わして引越し作業を開始した作業リーダーのおじさんの手に握られている用紙に、何かが書かれているのが見えた。
見積もり担当者からの引継ぎの文言のようである。

「かい方です」

かい方?
なんだろう。

疑問に思って近づいて全文を見せてもらい、唖然とした。

「奥さん細かい方です」

そう書かれていたのだ。
奥さん、それは誰あろうわたしだ。

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小さな呪いとその回避

小さな呪いとその回避

外食時に、小さなミスやトラブルが起こる。
それがどうやらわたしにかかっているらしい地味な呪いだ。

Aランチと言ったのにBランチが来る。
チョコストロベリーパフェと言ったのにただのストロベリーパフェが来る。
明太釜玉うどんと言ったのにただの釜玉うどんが来る。
糖質オフ麺と言ったのに普通の麺で来る。
そもそもオーダーが通っていない。
他の卓の注文品が来て、うっかり食べてしまう。
割引券を使えば割引率

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本当の血液型を知った日

本当の血液型を知った日

今から5年と少し前、妊娠がわかり、産院で最初の健診を受けたときのこと。
検査結果の一覧とともに「O型」という名刺サイズのカードを受け取ったわたしは、何かの間違いだと思った。
だってわたしは、B型なのである。

「すみません、血液型が違うんですけど…」
受付に申し出ると、優しそうな女性スタッフは微笑んで事情を聞いてくれた。
「わたしB型なんですけど、なんかこれ…渡されまして」
「うーん、間違ってるっ

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こぶたのグミ

こぶたのグミ

中学1年生の春、「リーダー研修会」なるものに参加した。
その夜のできごとが、四半世紀経つ今でも忘れられない。

「少年自然の家」的な宿泊施設に1泊するプログラムで、中1と中2の各クラスの中から、委員長や班長を務める生徒5~6名ずつが参加対象だった。
わたしはそのとき委員長でも班長でもなかったけれど、担任の男性教師に「柴田は、参加して」となんとなく推薦されてなんとなく参加した。

どんなイベントをこ

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