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なかやまかずはの『ささめごと』

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"えっくす"のタイムラインのように、時系列で"なかやまかずは"の映画感想・自由律俳句・140字のショートエッセイ等もろもろを「こしょこしょ……」とささめています。
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#詩

【#3行日記】 古傷を指でたどる

【#3行日記】 古傷を指でたどる

野良猫に浮気して引っ掻かれたふたつの傷は

目を凝らしても皮膚の青白さしか映さない

思い出だけがじくじくと疼きだす午前二時

【詩】  桜流し

【詩】 桜流し

つんざくような桜流しに

いっそ打たれてしまえばよかった

花弁に絡みつくきみの香りが

いっときの喧騒を足早に

ぼくのからだをすり抜け

指先をかすめることもなく

知らない誰かの元へと

散り散りに舞い落ちてゆく

寒空の下で開いた心だけを置き去りにして

細い枝葉は苛烈な雨風に揺らぎ

青灰の春を迎えました

【#3行日記】 2023(+1)0328

【#3行日記】 2023(+1)0328

満ちゆく月に痩せた背中を重ねて手を伸ばす

この世界から消えてしまったあなたの名前を

僕らは今でも地球のどこかで呼びあっている

【#3行日記】 6弦に馳せて

【#3行日記】 6弦に馳せて

愛を返せずに離れたのは他でもない自分だが

時折思い返しては同じメロディーを指で辿る

こじれたロマンスをいつまで続けるのだろう

【#3行日記】憧れが交じり合うところ

【#3行日記】憧れが交じり合うところ

僕らはいつだって互いの才能に両片想い

ふたつの唇からこぼれおちる「羨ましい」という音階だけを残したまま

言葉になりそこねた吐息ばかりが水平線の向こう側へと溶けていく

【#3行日記】20240309

【#3行日記】20240309

人生の割と早い段階で己の身に降り掛かった

「孤独」が、「不条理」が、 「劣等感」が、

皮肉にも表現することに大変役立っている。

君に会えて炭酸水みたいな心がサイダーに変わった