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物語

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記事一覧

書きたく物語日記

プロローグなんだか、物語を書きたくなった。何故だろうか。

暗闇続物語扉が閉まると暗闇だった。
それは地下鉄の窓に浮かぶ悲しみの顔。マスクだけが白く、その悲しみを隠すように広がっていた。
線路は続く。こんな世界の底にまで。
時間は続く。こんな悲しすぎる時が連なってゆく。
ねえ、答えてよ。……答えてよ。

十五夜そうじ物語「ちょっとその椅子と机、拭いていってくれる?」
「あ、はい」
絞られたタオルを

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ショートショート:闇の迷宮と光のモヤ

私は元気のない君の心の中に足を踏み入れてみた。そこは真暗な迷宮の中。おどろおどろしい黒い者達がこちらの様子を伺っていた。心細く歩みを進めるが、不思議と真暗も黒い者達も悪さはしてこなかった。そうだ、ここは大切な君の心の中。この暗闇は不安や恐れの象徴なのかもしれない。もしかしたら、君が私のことを守ってくれているのかな。そんな気がした。それで、もしかしたらきっと先には泣いている君がいるのかな。助けに行く

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夏のかいだん百ものがたり:ショートショート

【設定】

※ ご主人:清掃のプロ
※ 奥さま:お化けが苦手

【夏の夜……】

奥さま:眠れないですわ。何か良い眠れるヒーリングミュージックありませんこと?

ご主人:ええー? じゃあ、夏の怪談百物語とか聞けば、寝れるんじゃなぁい〜?

奥さま:やめてくださる?

ご主人:夏の怪談百物語……それは夏のこと……

奥さま:それは夏のこと……。百のかいだんに、まず、剥離剤を塗って……

ご主人:ギャ

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俺のブックカフェ

#1秒の恋

別テーマ:ブックカフェ

でお願いします。

俺のブックカフェ昔の俺は本の虫だった。半日入り浸るのは図書館。ひとつの書店には申し訳ないから一時間ずついて、後は複数の書店をハシゴをする日々だった。
コーヒーもイイ。洒落たカタカナの甘いのは駄目だ。コーヒーって奴はブレンドがイイに決まっている。喫茶店なら、一時間を基本として、三、四時間は入り浸るもんだ。もちろん、本を読みながらな。

俺が

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お盆となっちゃん

お盆となっちゃん

別テーマ『お盆』でお願いします。

お盆となっちゃんお盆にであった「なっちゃん」に、オイラ1秒で恋におちたらしい。

だって、カワイイじゃん!!

なっちゃんがわらうと、ヒマワリがゆれる。
なっちゃんがおこると、せんぷうきがまわる。
なっちゃんがしょんぼりすると、せみのぬけがらがふるえる。

なっちゃんは、母ちゃんのふるさとの家のちかくの子だよ。

ことしのお盆は、母ちゃんのふるさとの家に、おはか

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お願いいたします〜1秒

#1秒の恋

1秒の恋(約1300文字)

1秒さんが、恋をした。噂はたちどころに全時間帯へ広まった。

「恋のお相手は、誰だろう??」

「やっぱり、2秒さん? 3秒さん?」

「もしかしたら、3分さんかもよ。いやいや、1時間さんじゃないの?」

時計中が恋の噂でチクタク振動した。

「……それで? だれなのよ?」

「さあ?」

どの時間帯にも、1秒さんの恋のお相手は分からなかった。しかし、1

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1秒の恋:ショートショート

1秒の恋わたしは忘れ物をした。

廊下を戻る。みんな帰って誰もいない校舎。

教室の扉が開いている。

そっとのぞきこむ。……誰かいる。

窓のそばには、君の姿。

横顔に夕陽が当たる。

それは時の隙間の恋だったのかも。1秒の……

キーンコーンカーンコーン……

「お!」

「ゴメン!おまたせ!」

……なんだ、そうだよね。

二人で待ち合わせしてたんだね。

そっと身を引く、わたしは扉の影に

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心さんのお仕事記 #眠れない夜に

心さんは夜遅くまでお仕事をしています。

心さんは処理中です……。

心さんは優しい気持ちを込めて、メッセージを返します。

送信……っと。

心さんは、やっと安心して眠ろうと思いました。

今夜は眠れるのかな。
ボク、お仕事下手っぴでごめんね。

心さんは眠れないことが続く夜を自分のせいだと思っています。

しょんぼりする心さんへ、メッセージが届きました。

あれれ? 誰だろう??
……けど、う

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家族のネコミミ花火ストーリーで短歌都々逸俳句川柳

家族のネコミミ花火ストーリーで短歌都々逸俳句川柳

#ネコミミ村まつり

うちの家族です。

ネコミミ

カワイイ

短歌

窓辺から花火の音が聞こえたら
少しソワソワ見に行きたいな

ということでお出かけします。(というストーリーです)

こちら、花火です。(エクセルで作りました)

https://note.com/ohayou_yonechan/n/n3baa85452eb6

うちの家族です。

ネコミミカワイイ

都々逸

ドンと大きな

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ちょっとよく分らない

 私の話を聞いてください。実話です。エッセイかもしれません。ひとつ言えること。「それはネコミミをかじるようなもの」……。

 夕方近く急に万葉集の本が入り用になりました。図書館は定休日。本屋は二駅先かもしくは大型書店なら繁華街へ行くべきでした。しかし私は近所の少し離れた小さな小さな本屋を目指したのです。駅から家へ帰りを急ぐ人々に紛れ込んで。小さな本屋なのでやっているかどうか疑問でした。
 ゆったり

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ストーリーです

ストーリーです

猫型花火猫がいるからニャーと鳴く。ネコミミ花火はニャードン!

「先生、先生。こんなところでなにしてるの?」

猫型の花火を眺めていた俺に、2年2組のニャロが聞いた。

「うん、猫型の花火を見ていたよ」

「先生、だれかにコイをしてますか?」

「ふっ、どうしてだ?」

「あれはネコミミ花火っていってね、コイを叶えるんだってさ。ヒューヒュー!」

そう言い残して、ニャロは走っていった。

「あ、コ

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宇宙のはて #宇宙SF

「ここはどこですか?」
「宇宙のはて ですよ」
「なんにもないのですね?」
「ええ、宇宙のはて ですからね」
「この先に行くとどうなりますか?」
「この先に行くと、あなたが宇宙のはて になりますよ」
「私が宇宙のはて」
「ええ」
「いつかどこかにたどり着けるでしょうか?」
「いいえ、あなたが宇宙のはて になるのですから」
「……」
「もし必要なら引き返せば良いですよ、いつでも故郷に帰れますから」

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あしほし星のアバンギャルド:デタラメショートショート

あしほし星のアバンギャルド「コンニチハ。おいら、あしほし星のアバンギャルド。あしほしギャルドって呼んでくれたまへ」

「あら、なんて礼儀正しいのかしら」

「エヘン、オホン! そいつは褒め言葉だねい!?」

「えぇ、そうよ。貴方をホメておけばアタシはユックリお酒を飲めるのよ?」

「そいつは良い! チョイとおいらにもくれたまへ!」

「あらま?」

「ホイナ?」

「そんなことより、ミテミナサイナ

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【春弦サビ小説】エピローグつくりました

【春弦サビ小説】エピローグつくりました

空も海も花も ーエピローグー (300文字)

「笑ってもいいの?」
うん、いいよ。
「泣いてもいいの?」
ああ。いいさ。……ふふ、なんて表情なんだい?
「だって〜」
いいよ。いいのさ。それでいいんだよ。

ーーそして二人は、笑いながら泣きながら、黙ったままたたずみました。ここでは、山も空も海も花もみんなまるでやさしくほほえんでいるようです。

「ねぇ、きれいだね」
うんうん。きれいだ。……きれい

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