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食べるを愛でる

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食にまつわるあれこれ
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#今こんな気分

食べるを愛でる。

食べるを愛でる。

いつも、タイトルを思いついてはその先を書かず、下書きに残っていることが多い。これもそのひとつだ。
そうしたいと思う時が、きっとベストタイミング。ということで書き進めてみることにした。

わたしは、食べることにまつわる行動や想像が好きで仕方ないところがある。
なにしろ、人間生きていればお腹はすくようにできている。

スーパーで食べたいものを想像しながら食材たちと見つめ合う。あ、今日は白菜が安い。

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器の存在感

器の存在感

先日、久々にプラスチックの器でごはんを食べる機会があった。料理を口にするときの器は、プラスチックよりも陶磁器のほうが手に馴染んでくれる感じがするから好きだ。

プラスチックになっているのは、割れる危険が少ないとか、重くないといった、取り扱い上の理由がなんとなく想像できる。それでも、やっぱり手に持った時の重みや、口をつけた時の感覚が、陶磁器のそれとは全く違う。

全く同じメニューで、器だけが違う状態

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カフェオレ論

カフェオレ論

ミルク多めのコーヒーが好きで、よく飲んでいる。特にホットミルクを温めてから少し泡立てて、そこにドリップコーヒーを注ぐ飲み方がお気に入りだ。
夜でも気にせず飲めるように、ノンカフェインのものを手に取ることが多い。

ミルクとコーヒーを混ぜたものは大抵、カフェオレとか、コーヒー牛乳と呼ばれていて、通常1:1の割合が理想と聞いたことがある。でも、わたしの場合は2:1くらいの割合で混ぜるので、分量はコーヒ

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人を良くする食

人を良くする食

この前、出来たてのいなり寿司を食べる機会があって感動した。

些細なことで気分が傾いて、イライラしてしまうことがある。
そんな時はひとり時間を確保して、いま1番食べたいものを食べると少し楽になる。

食という字は人を良くすると書くのだと教えてもらって、本当にそうだなと腑に落ちたこともある。

でもどういうわけか、お腹が空いているわけでもないのに、食べ続けてしまう自分に気づいた。感情にまかせて食べて

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ちいさなお店

ちいさなお店

昔住んでいたところのすぐ近くで、気に入っていたお店があった。

お店は屋台のようなサイズ感だけれど、移動式ではない。帰り道によく通る場所にあり、仕事が早めに終わって、しょっぱいものが食べたい時にうってつけのお店だった。

おじちゃんとおばちゃんがきりもりしていて主に焼き鳥が売られていたが、たい焼きもあって、しょっぱいものだけじゃなくて甘いものもあるのがよかった。

ああいう、まちにぽつんと馴染んで

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鳩サブレー

鳩サブレー

なんてかわいい、やさしい形をしているのだろう。なんといっても、おしりに向かって右上がりになっていく軽やかさがいい。

包装されている袋を観察したことがある人はどれくらいいるだろうか。
あのビニール袋には、右上がりのおしりをキープするためと思われる、ビニールどうしが圧着されている部分があるのだ。
見つけた時、ひとり静かに感動した。

なんて些細なこと、と思われるかもしれない。
それでもこの圧着部分が

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食べたいものの選びかた

食べたいものの選びかた

その時いちばん食べたいものが身体にいい説は、あるかもしれないと思っている。

「そうそう、わたしは今これが食べたかったのよね。」と心から望んで、喜んで食べるひとときは、そうでない時と比べて幸福感が大きい気がする。

「今なにを食べたいのか?」
を自分に問うことは、幸せを最大化するための個人的な工夫のひとつだ。

大抵はいつも思い浮かぶ。だから、それが分からない時や食べる行為そのものに消極的な感覚が

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マツキヨさんと味噌煮込みうどん

マツキヨさんと味噌煮込みうどん

ドラッグストアのマツモトキヨシを見かけると、ふと思い出すおっちゃんがいる。

たぶん、6年以上は前のことだと思う。
名古屋で受験した資格試験の帰り道、一緒に受けていた何人かで歩いていたら、なぜか道端で会話が始まった。
どんな風に始まったのかは、ほとんど記憶にない。
たまたま、おっちゃんを含むそこにいた全員が関西人だった。

歩く方向が一緒だったからか、歩きながら話していた気がする。
楽しそうに話す

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キッチン

キッチン

キッチンと私はなんとなく、一心同体なところがある。
いつも目にする場所だから、写し鏡になりやすいのかもしれない。

キッチンがきれいだとすっきりした気持ちになるし、汚れていると少し投げやりな気持ちになったりする。

掃除前のコンロは、チゲ鍋を吹きこぼしてしまった跡が残ってしまっていた。
お湯をかけて汚れを浮かせてから、食器洗いスポンジで撫でるとすんなり取れる。
掃除後の今は静かに明るく輝いている。

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