記事一覧
不幸を売ることを辞めようと思った日
自分で言うのもなんだけれど、私はとても愛想が良い。
いつの間にか、そういう人間になっていた。人間なのか女なのか分からないけれど。
ただ、かつて「女の子」だったことだけは確かだ。
学校や職場でいくら無愛想に振る舞おうが、必ず誰かが味方してくれた。
私のことを嫌う人がいても、私のことをものすごく好きでいてくれる人たちがいた。
そういうのを「女の子」と言うのだと思う。
いつの間にか愛想笑いが得意にな
社会性を持つ事で失うもの
上京してなかなかの年月が経った。
私は今でも渋谷が好きだ。人混みが苦手だからもう行きたくないと言う人たちが周りには増えたけれど、あの雑踏の中で私は「誰も気にしていない、ただの通行人」になれるから。
なのに、名を知り合う相手と対峙した時は「代替不可能な唯一無二の私」でいたい。きちんと名を持ち、個性がある私でいたいと思ってしまう、矛盾、矛盾、矛盾。
例えるならば、両親が私に抱く感情みたいなものを血の