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ずっとUNDER CONSTRUCTION

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最近の記事

不幸を売ることを辞めようと思った日

自分で言うのもなんだけれど、私はとても愛想が良い。 いつの間にか、そういう人間になっていた。人間なのか女なのか分からないけれど。 ただ、かつて「女の子」だったことだけは確かだ。 学校や職場でいくら無愛想に振る舞おうが、必ず誰かが味方してくれた。 私のことを嫌う人がいても、私のことをものすごく好きでいてくれる人たちがいた。 そういうのを「女の子」と言うのだと思う。 いつの間にか愛想笑いが得意になって、滅多に怒らず、誰とでも打ち解けられるような人間になってしまったことを、ここ

    • 生ぬるい地獄を生きていた

      何者にもならず、目立たず、普通に穏やかに暮らしたいと思っている。 そう思うように至るだけの経験はしてきた。したくてしたわけではない。 「過去を振り返ったところで変えられないわけだからどうしようもないだろう」と、頻繁に父は言う。 嫌な気持ちになるだけのことを思い出しても生産的ではないし、その通りだと思う。 ただ、過去から何かを学び取れるかもしれないのに忘れたふりをして快楽にふけるのも、大人としてどうなのだろうと思ったし、まだ心の中に泣くのを我慢している私がいるので、供養させる

      • at break of dawn

        今宵の月は明るい。 日に日に価値を失いつつあることを開き直って多少おちゃらけているのは自覚しているし、これまで失敗した分、たとえ自分に好意のある男性とはいえ寄りかかり過ぎないようにしようと思うようになったものの、むしろそれが裏目に出るということが続いて疲れてしまっている。 恋、をしていた。 燃えるような恋ではなく、芯から温まるような恋だった。 けれど、彼に「私はあなたのことが好きです」と伝えたのは、交際することになった日だけだった。 私はいつもそうだ。 拒絶されるわけが

        • 一枚の服で救われるからまだ大丈夫

          数ヶ月ほど前からいろいろと災難に遭って、それが音楽を聴いたり男の人とデートをして紛れるレベルのものから都落ちを考えるレベルになり、理不尽すぎて真剣に考えれば考えるほど気分が落ち込み、自暴自棄になっていた。 “もう生きるのめんどうだなあ” 17歳の女の子が呟くならまだしも、そんなことを呟いたところで周りの人が離れていくだけの立場にも、うなだれたりした。 でも、なんだかふと、ああ、まだ生きてみようと思った。ここで終わらせるには勿体無い。 シャワーを浴びて、いつもより丁寧に

        不幸を売ることを辞めようと思った日

          いつまでも「待ち合わせ」が苦手で、いつまでも「都民」になれない

          私は「待ち合わせ」が苦手だ。 昔むかし別れた恋人は近くに住んでいたので「待ち合わせ」をする必要が無かった。その前の恋人とも半同棲のような付き合いだったので同様。なのでLINEも電話も、あまり必要が無かった。 その後は、実家や社員寮で暮らす人とばかり交遊していたので、今ではすっかり「待ち合わせ」が当たり前になった。 私はもともとすごく神経質というかキッチリしたいタイプで、学生時代は友人と待ち合わせる時も絶対に遅刻しないよう、10分前には待ち合わせ場所に到着出来る乗車時間を

          いつまでも「待ち合わせ」が苦手で、いつまでも「都民」になれない

          社会性を持つ事で失うもの

          上京してなかなかの年月が経った。 私は今でも渋谷が好きだ。人混みが苦手だからもう行きたくないと言う人たちが周りには増えたけれど、あの雑踏の中で私は「誰も気にしていない、ただの通行人」になれるから。 なのに、名を知り合う相手と対峙した時は「代替不可能な唯一無二の私」でいたい。きちんと名を持ち、個性がある私でいたいと思ってしまう、矛盾、矛盾、矛盾。 例えるならば、両親が私に抱く感情みたいなものを血の繋がらない他人に求めてしまう、きっとこれはおそらく幼稚さからくるものだ。 もと

          社会性を持つ事で失うもの

          人は生きるために忘れる、と言うけれど

          18歳で上京した時、私は“完全無欠の幸福”な人生を送りたいと思っていた。 それは簡単に言えば、FacebookやInstagramで幸福そうに見える暮らし。見栄えの良い大学を出て、見栄えの良い職業に就き、自分より見栄えの良い大学を出て見栄えの良い職業の男性と結婚し、子宝に恵まれ、友だちも沢山いて……といったような。 コンプレックスの塊だったので、あらゆることで勝ちたいと思っていたし、若かったのでそれが出来ると思っていた。 しかし東京で暮らすことになると、あっという間にそのよ

          人は生きるために忘れる、と言うけれど

          指輪

          指輪を失くした。二週間ほど前だったろうか。 正確には、冷蔵庫の下へ転がっていったのだが。 少し痩せた指からするりと落ちて転がる指輪を慌てて追って、床にはいつくばって覗き込んだり棒でつついてみたりしたけれど、出てこなかった。冷蔵庫を少しずらしてみたけれど、やはり見当たらず諦めることにした。 その指輪は5年ほど前に自分で買った、羽根モチーフのもの(フェザーリング)だ。 自分で買ったものだから失くしたところで罪悪感など無いのだけれど、いつも身につけていたものが無くなるのはやは

          むさぼるように

          本が読みたい、と思った。むさぼるように本が読みたい。 そういう風に思ったのは2年ぶりのことだった。 ここ2年ほど私の周りはバタバタと落ち着かず、ほとんど本を読んでいない。 時おり読了した本を1冊読んで、またしばらく間が空く。次から次へと何かに急き立てられるかのように本が読みたいと思ったのは、本当に久しぶりだ。 残念なことに今でも落ち着いてはいないのだけれど。 本が読みたいと言いながら文章を書いているのは、むさぼるように本を読んでいた頃を思い出したからだ。 あれは上京し

          むさぼるように

          Hello, world!

          何を書こうか決めないまま、note始めました。 良い文章が書けるとうれしいな。 どうぞよろしくお願いいたします!!!

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