生ぬるい地獄を生きていた
何者にもならず、目立たず、普通に穏やかに暮らしたいと思っている。
そう思うように至るだけの経験はしてきた。したくてしたわけではない。
「過去を振り返ったところで変えられないわけだからどうしようもないだろう」と、頻繁に父は言う。
嫌な気持ちになるだけのことを思い出しても生産的ではないし、その通りだと思う。
ただ、過去から何かを学び取れるかもしれないのに忘れたふりをして快楽にふけるのも、大人としてどうなのだろうと思ったし、まだ心の中に泣くのを我慢している私がいるので、供養させる