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令和6年/2024年8月の総括と雑感

8月はお盆休みがあったけれど、特に遠出はしなかった。普段から出張の多い僕は良いけれど、家族のことを思えば何かしら考えておくべきだったかとも思う。

日航ジャンボ機墜落から39年。近年、日航元社員で博士号を持つとの触れ込みの女性がしきりに自衛隊による陰謀説を展開しているが、これは何年かに一度盛り上がるハシカのようなもので、余りにも現実離れした論理展開という気がする。

「自衛隊の訓練機または標的機が日航機と衝突し、証拠隠滅の為に123便を山岳地帯に誘導し、軍用機からミサイルを発射して御巣鷹山に撃墜した!」というのはいかにもセンセーショナルではあるけれど、現実の軍隊や官僚機構はそこまで即断即決(事故発生から墜落まで32分間しかない)を出来まいし、40年近くもそんな特大の機密を守り切れるほどに厳しい軍紀を持ち合わてはおるまい。

墜落現場の特定に時間を要したことを陰謀論に結びつける(証拠隠滅の時間稼ぎをしていた云々)向きもあるが、当時はGPSも携帯電話もインターネットもないから警察が夜中の山岳地帯を捜索するのは現実的ではなかったろうし、暗闇でも活動できる米軍なり自衛隊の部隊がヘリコプターから降りて駆けつけられたとして、生存者を見つけたとしても、どうやって怪我人を救助し下山できたというのか。
それ以前に、昭和の時代には自衛隊や米軍の名前を聞くだけで一種のアレルギー反応を示す困った人たちが一定数以上いて、その存在は日陰者扱いされていた。
自衛隊の災害救助活動が認知されるようになるのは、平成7年(1995)の阪神・淡路大震災まで待たねばならない。

陰謀論の多くは、外的要因を都合よく平成・令和の現在と混同しているように思えてならない。

ただし、事故原因を「しりもち事故」の修理ミスと性急に断定し、事故が起きた相模湾(墜落現場は御巣鷹山だが、異常事態が起きた事故現場は通常の運行航路上)の海底捜索も早々に打ち切られ、ボーイング社の社員への捜査も満足に行われなかったことは事実で、時の中曾根内閣がロン・ヤス外交と称された良好な日米関係を損なわない為に、ある種の政治判断で早期の幕引きを図ったのではないかという説に僕は同意する。

事故調査委員会の結論、すなわち与圧された空気が、機体尾部を高速で直撃して垂直尾翼や油圧系統の破壊に至ったのが本当にそうのだとしたら、異常事態発生時に急減圧が起きていたはずだが、生還した非番の客室乗務員は「耳がツンとする程度」「酸素マスクを外してみたが苦しくはなかった」と急減圧を事実上否定している。
操縦席の3名も、急減圧発生時にはただちに装着すべき酸素マスクをした形跡がないし、いち早く高度を10,000フィートに降下することは訓練で叩き込まれているはずだが、管制に求めた高度は22,000フィートという奇怪な初期対応をしている。

世界一安全と謳われたジャンボ・ジェット機が操縦不能に陥り520名が亡くなる未曾有の惨事は、この機体固有のトラブルが原因であって、世界中に飛ぶ他のジャンボには問題ありません、というストーリーを描きたかった人たちがいたことは想像できるし、それを陰謀と呼ぶならば陰謀は存在したのかもしれない。

昭和期の数多の危機管理事象において政治家や官僚の不手際をコテンパンに叩きまくってきた故・佐々淳行氏が、本件については不気味に沈黙を守りきったことも、その説を裏付ける傍証になり得ると思う。
佐々氏は加藤紘一防衛庁長官との反りが合わず、防衛施設庁長官の座を追われて官僚としてのキャリアを終えるはずが、中曾根内閣で新設された内閣安全保障室長に抜擢されているのだ……

朝ドラ『虎に翼』。
脚本もキャストも実に良い作品だと思っていたのだが、徐々にメッセージの詰め込み過ぎが目立つようになってきた気がする。
マイノリティ差別、女性解放、LGBT、夫婦別姓云々、戦後間もない復興時代にまともな議論があったとは思えないようなことまでを無理が無理でもストーリーに押し込めてしまっていて、僕は急激に白けてしまっている。
モデルになった三淵嘉子が実際に残したものや、現在に通じる思想を残り1ヶ月で描き切ることが出来るのだろうか……

【今月の総括】
(1) 読書
今月は71冊読んだ。1月からの通算は565冊。年間目標200冊に対して達成率282%

(2) 映画
3本観る
『ジャン=ポール・ベルモンドの警部』
高級オープンカーを乗り回し、あちこちで爆破を繰り返して悪を暴く主人公。荒唐無稽なのに不思議な説得力を持ってしまうのがベルモンドの魅力か。日本の爆裂刑事ドラマ『西部警察』は、実はこの映画のプロットが根底にあるのではないかと思ってしまう
 
『地下室のメロディ』
アラン・ドロンとジャン・ギャバンが共演する豪華な映画。最後までハラハラさせる展開で飽きがこなかった
 
『シェルブールの雨傘』
カトリーヌ・ドヌーヴの出世作。劇中のセリフがずっと歌なのが最大の特徴
 
1月からの通算は29本。年間目標12本に対して達成率241%

(3) 食べる
友人のお店でコメとステーキを食べたほか、札幌でパンケーキとパフェを食べ、宇都宮で餃子を食べ、大阪で洋食にありついたほか、月末に山形で恩師に再会して地元の料理に舌鼓を打った

(4) 友達と会う
月初の週末に、大学時代の友達と昼からお酒を飲む機会があった。
上述の通り友達のお店に行ったほか、先月に引き続き、単身赴任中の友人宅に三たび伺って、パソコンの面倒を見た

(5) 旅をする
今月もあちこちに出張

(6) 語学の勉強
フランス語は、母校のフランス語講座に参加。フランス語のお芝居の稽古が続く。
英語は、先月に続きショート・コラムを書く https://medium.com/@n-mizuno
イタリア語は、引き続きNHKの『しあわせ気分のイタリア語』を観ているが、あまり身についている実感がない。実戦で使う機会がないことが理由だろう

(7) 息子と過ごす
今月もあまり話す時間がなかったが、短い時間でも話す時間をつくろうと合意した。僕自身が高1の頃、自分の親父とまともに向き合ったことはなかった気もするが

(8) アウトプット
月イチの400字連載と、800字コラムを4つ書く。英語のコラムも継続中

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