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[800字コラム] 写真の評価

Nobutaka Mizuno

僕は趣味で写真を撮る。高校生から始めて28年にもなる。

インスタグラムは全員に公開しているから見知らぬ人からもリアクションがあるんだけど、見知らぬ人がわざわざ「いいね」をつけてくる理由はどこにあるんだろう。

その理由をひとつに絞るならば、体験を共有できるかどうか、ではないかと思っている。

スポーツならば、素晴らしいプレイの一瞬をその場にいたかのように見せてくれるのがいい写真。
食事ならば、自分も食べに行きたくなるような美味しさを見せてくれるのがいい写真。

即ち、写真に大切なのは体験を切り取って、そのメッセージを読み手に提示すること。
構図や光量、被写界深度といった撮影技術、あるいは高価なカメラやレンズといった機材の優秀さは、その助けにはなっても主役にはなり得ない。

僕は出張中の写真をよくアップして、いわば非日常的な風景を提示するから、技術が熟れていなくても、機材がスマホであっても「いいね」をもらうのかなと勝手に想像している。

いい写真の続き。たとえばグラビアアイドルのいい写真とは、女の子のボディ・パーツが引き立つようなショットであったり、あるいは、あたかも読み手と2人きりで過ごしているかのような雰囲気や表情を引き出したもの、ということになると思う。

そこで
「実はそのおっぱいは、いい歳したオッサンがシャッター下ろしてるんですよ」
なんて感づかせてしまったら、読み手の体験は台無しになってしまう。

すなわち、写真が発するメッセージは写真自身に任せるべきであって、撮影者が痕跡を残してはいけない時がある。この点を戒めているかどうかで、読み手の印象は大きく変わってしまうのではあるまいか。

体験の共有よりもオレ様の撮影技術を褒めろという自己顕示やひけらかしが前面に出てきてしまうのは、いい写真からは程遠いということになりそうだし、それは写真という趣味を離れた人生の諸々の場面においても自戒しなくてはと思ってしまう。

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