記事一覧
銀河スリケン仮説【ニンジャ自由研究】
1.序論
夏を彩る行事は多い。またそれらには、しばしば神秘的な逸話がつきものである。夏祭り、神輿、ハナビ、オーボン…そして、七夕もその一つだ。私は一ヶ月ほど前に七夕について調査する機会があり、そこで天の川の星景写真に興味を持った。そして自分でも撮影してみたいと思い、それについて調べてみたのだ。
「夏の天の川」を撮影した写真群に写っているのは、正確には「天の川銀河の中心方向」だということだ
【君と、最期のハネムーン】
「あったよ!たべもの!」
煤塗れの配給棟入口から、彼女が嬉しそうな顔を覗かせる。私は駆け寄った。
「6食分ぐらいかな。災害用のやつだって」
見るからに味気なさそうなクッキーバー。それでも、処理施設を出てから3日、初めて見つけた食料だ。私たちは微笑み合った。
私たちが目覚めた時、世界は既に壊れていた。
アーカイブによると、隕石が運んできた、ガスやらウイルスやらのせいらしい。それが、5
【狭間に揺らぐ影法師】
…かあん、…かあん、
法堂から響く殿鐘の音が、夕闇の迫る僧堂に木霊する。
堂内を満たすのは、中央に祀られた聖僧像の、燭台が放つ幽かな灯り。虚ろに照らし出される影は、墨染の袈裟に身を包んだ、無数の修行僧だ。それらは肘を横に張り、掌を胸の前で組んだまま、微動だにしない。
私は同じように整然と立ちながら、左隣に立つ僧に視線を向けた。
一昨日までは、そこには常信が居た。憔悴しきった表情で
ネオサイタマ百物語 #赤い部屋 【ニンジャスレイヤー二次創作】
都市伝説『赤い部屋』より
とある男が、ネオサイタマ某所の支部に転属が決まり、マンションを借りることになりました。
生活を続けるうち、彼は部屋に小さな穴があることに気がつきます。
それは隣室との境となる壁に空いていて、彼は好奇心から、その穴を覗き込んでみました。すると、穴の向こうは真っ赤でした。
奇妙な部屋だなと、彼は不気味な直感を覚えました。次の日も、また次の日も、彼は興味に誘われる
趣味で選ぶ逆噴射ピックアップ読書感想文2021
逆噴射小説大賞2021、皆様おつかれさまでした。今回はせっかく一緒に躍らせてもらったので、そのテンションの残り火が潰えぬうちに、ピックアップ行為に手を染めたいと思います。理由は楽しそうだったからです。個人的な、癖に刺さった作品群のピックアップ感想文となります。もし致命的な解釈違いとかおこしてたら教えてください。
具体的な内容に触れずに感想と妄想を書けるようなワザマエは持ち合わせていないので、以降
初めての逆噴射小説大賞《2021》参加の感想と、応募作あとがき
逆噴射小説大賞に初参加するまでの道のり
お世話になっております。このたび初めて、この『逆噴射小説大賞』に応募させて頂きました。抱負としていた2作品の提出を終えたので、感想を記録しておきます。結論から言うと、何が書けるか正直不安でしたが、やってみると意外なほどに楽しく作ることができました。ありがとうございます。
このコンテストの存在を知ったのは、ほぼ一年前、逆噴射小説大賞2020開催決定の報による