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初めての逆噴射小説大賞《2021》参加の感想と、応募作あとがき

逆噴射小説大賞に初参加するまでの道のり

お世話になっております。このたび初めて、この『逆噴射小説大賞』に応募させて頂きました。抱負としていた2作品の提出を終えたので、感想を記録しておきます。結論から言うと、何が書けるか正直不安でしたが、やってみると意外なほどに楽しく作ることができました。ありがとうございます。

このコンテストの存在を知ったのは、ほぼ一年前、逆噴射小説大賞2020開催決定の報によるものでした。あの『ニンジャスレイヤー』を擁するダイハードテイルズさんの主催する小説大賞ということで、実際かなり興味を惹かれました。

しかし、中学生時代の暗黒二次創作(当時、『バトル・ロワイアル』とかが流行っていた)を除けば、そもそも小説自体書いたことがありませんでした。なぜそれで興味を持ったのかは甚だ不明ですが、ちょうどイラストの練習をし始めた時期でもあったので、何か作りたいという欲求、つまり真の男であることへの憧憬が、深層心理に燻ぶっていたのかもしれません。

『小説大賞』......タフな響きです。当然、小説一本を描き切る自信も構想もありません。あるのは興味だけです。ハードルの高さを感じながらも、とりあえず、その開催決定記事を開きました。そして募集要項に目を通し、驚きました。

「この続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングなパルプ小説の冒頭800文字」

短い。Twitterならおよそ6ツイートぶんです。しかも、【終】にする必要がないとのこと。(むしろしてはいけない)気軽に参加できそうな雰囲気が漂っています。

しかし昨年のこの段階では、「パルプ小説って何...」「逆噴射聡一郎ってだれ...」「そもそも何も思いつかないな...」「おれは無力だ...」と即END OF MEXICOし、いったん記憶の彼方へと追いやってしまいました。

参戦はしなかったのですが、逆噴射聡一郎先生の『パルプ小説の書き方』マガジンは購入しました。あと2020の収集マガジンも読んでみたりしていました。

『パルプ小説の書き方』を買ったのは、まだ小説を書こうとし始めていない時期だったのですが、読み物としても面白く、度々読み返していました。まだ一次創作を始める勇気とアイデアがなく、試しにと、興味のあったニンジャTRPGのソロアドベンチャーリプレイを書いたりしながら楽しんでいました。

どの記事も楽しくてためになり、「自信満々で売れ」や「あほと腰抜けに構うな」のようなメンタル強化系、「おまえはR・E・A・Lさを追求しろ」「三人称でやれ」「文章を乾かして、ドリトスにしろ」といった文章の基本系?が、個人的には特に好きです。今回もかなり参考にしていて、視点のバグとか結構出てくるものだな...とか思いながら書いていました。

そしてついに今年の10月8日、第4回逆噴射小説大賞が開幕しました!とりあえず一発はやるぞ!と意気込んでいたので、10月1日から準備を進め、なんとか開始当日に投稿することができました。

先ほど、短い!と言っていた『800文字』ですが、実際に書き始めてみるとこれが大変で、大喜利とかポエムで投げっぱなしに終われるほどの超短文ではなく、かといって設定をだらだらと書き連ねるには余白が狭すぎる...。しっかりと、ある程度の展開や設定を考えておきつつ、どこまでを必要と書き表すのか。その塩梅が難しいなと思いながら作っていました。

初めての一次創作でしたが、好きな要素をゴリゴリに詰め込んで書けるのがとても楽しかったです。アイディアが出てこないというのはありましたが、逆噴射先生も言及されている通り、アウトプットとインプットを繰り返すのが大事なんだろうなと感じました。一つ目を書いている間は実際二発目を撃てるとは思っていなかったので、その辺りからも実感しました。

他の参加者の皆さんもブワっと投稿していて、なんだかお祭りムードが楽しく、また普段かかわりのない方からのスキを貰えたりなどして、それもとても嬉しかったです。

二作目は完全に発想からの見切り発車で書いたのですが、せっかく【続く】としたのだからと妄想した結果、なんとか続きをまとめることができました。ショート・ショート的な内容と尺とはいえ、形にできたことは、今後なにかに繋がっていく...ようにできるといいなと思っています。

最後に、おそらくこのような機会が無ければ、オリジナルなお話を書いてみようとはしなかったでしょうし、まして一つ分まとまることもなかったと思います。気楽な発表の場を設けてくださいましたダイハードテイルズさんと、応募作を暖かく迎え入れて頂いたパルプ・スリンガーの皆さんに御礼申し上げます。

ここから先は、応募作まとめと制作時に込めた推しポイントになります。ネタバレにならないように気を付けてはいますが、ぜひ応募作を読んでから読み進めてください!800字だけなので!


1. 灰燼よりうまれた獣

《属性》「ロボットアクション」「古代兵器」「スレた主人公」

ピックアップして頂きました!当然うれしいのでここに載せます。こちらの記事もご覧ください。

2021/11/03追記 ありがとうございます!

アーマードコアとか、好きなので...。だいたいそんな思いから書き始めたものです。機体の形は、for Answerの「アンサング」をベースに、5mに縮小して肉付きを良くしたイメージで考えていました。動きはタイタンフォール2の「バンガード級タイタン」の瞬発力を上げた感じで、正体不明な禍々しさのあたりはガンパレード・マーチの「士魂号」が混ざっているように思います。

冒頭800字ということで、意識していたのはオープニングムービーです。アーマードコアのオープニングムービーは最高にカッコいいので...。ラストレイヴンでの部位破壊とかfor Answerのホワイトグリント戦闘シーンとか、新機能をOPムービーでアピールしてくるのがテンションが上がって好きなんです。特にfAでは、アームズフォート(しかも最大級のスピリットオブマザーウィル!)、ヴァンガード・オーバードブースト、アサルトアーマー...このむせ返るような重量級の畳み掛けがたまらないことですね。

なのでこの投稿作では、戦闘描写の中でロボットの性能が伝わるようにと意識して書いていました。文字数がぎりぎり(最初の完成時1,600文字)だったので、技術レベルは現代兵器+ちょっと(都市防衛大型レールガンが存在するくらい)にして、なるべく説明すべき要素を減らすようには心がけています。搭乗機の不吉さとコンパクトな格好良さ、あと運用しづらさがうまく伝わっていたらうれしいです。


2. Finder

投稿版《属性》
「ライトホラー」「記憶喪失」「復讐」
完全版《属性》
「ライトホラー」「記憶喪失」「復讐」「百合」NEW!
Q. 完全版では、なぜ主人公が女性になったのですか?
A. 話の流れ上どちらでも良かったので、ゴーストの囁きに従いました。
 仲良しシーンを書くときにテンションが上がって最高です。

ピックアップして頂きました。とてもうれしい。ピックアップ記事のほうもぜひどうぞ。

完全版はこちら。描写を追加しているので、最初から読んでもらえると嬉しいです。
【11/13追記】大幅改訂でバージョンアップ!わかりやすくなりました!

発想元は、『#ファインダー越しの私の世界』です。よくエモーショナルな雰囲気の写真についているアレです。あの写真たちって、(良い意味で)どこか俯瞰的で無機質な印象のものが多いなと感じていました。あと普段よく思っている、目で見たとおりに撮るのって難しい...というものを足しています。

仮題は『ファインダー越しの私の世界』そのままだったのですが、実在タグで、しかもがっつり広まっている言葉を使うのは良くないだろうと、急遽タイトルを修正しました。未だにスッと来ない感じがあり、検討中です。

最初はドリトスのようにカラカラに乾かした、パルプ小説らしい復讐譚にする予定だったのですが、妄想が進むにつれて、だいぶ湿り気のあるお話になってきました。おそらく普段のインプットの偏りが原因だと思います。個人的な思い込みですが、百合ものって恋愛ということもあって、ウェットな感じのが多いですよね。これが大好き。

登場する二人のキャラクター造形は「秀才型クールで頼れるイケメン美人だけどメンタル弱め」と「ゆるふわ元気な小動物系で包容力がある」のカップルなので、これはもう完全に最高なことが証明されています。ここは完璧です。

そしてこの作品には、実はどうでもいい裏テーマがあります。それは、一眼レフカメラへと贈るレクイエムです。いまや新商品はミラーレスカメラがほとんどで、一眼レフは縮小の一途を辿っています。イメージセンサーの進歩、プロセッサーの高速化、電子ビューファインダーE V Fの性能向上などにより、レフレックス・ミラーはその役割を終えようとしています。

今、フルサイズ・ミラーレスの雄であるSONYはもとより、シェアトップのCanon、そして光学性能は譲れない我らがNikonからも、PRO向けフラグシップ機が発売されようとしています。これが恐らく、一眼レフカメラへの引導となるのでしょう。

初めて一眼レフを買ったのは、大学生の頃、NikonのD3100というエントリー機種でした。しばらく使っていたのですが、仕事の関係で撮影の機会が多くなり(カメラマンとかではない)、D500を新たに買い足しました。大きさと引き換えに性能がとても良くなり、満足度の高いカメラでした。

そして今、使っているのはZ6ⅡというNikonのミラーレスカメラです。小さいしオートフォーカスは正確だし瞳に合わせられるしサイレント撮影もできる。更にEVFで撮れる画像を確認できるので露出ミスがかなり減るなど、完全に最高です。買い替えて良かった。

もはや一眼レフには、電池の持ちが良いぐらいしかメリットが残っていません。今までありがとう、と最後に伝えたく、色々と活躍してもらいました。


1.5. 未投稿のやつ(没案)

書いてはみたものの、没にしたものです。1と2の間で書いていました。ネタバレになるので詳細は控えますが、理由は、世界設定や主人公達の目的が完全に『S.T.A.L.K.E.R.』だったからです。『路傍のピクニック』ではなくゲームのほうです。しかもSTALKERのほうが圧倒的に面白いという致命的な難点もありました。

危険なミュータントや不自然な自然現象アノマリー非科学的な変異物質アーティファクトが蔓延る「ゾーン」を探索し、その謎に迫る『STALKER』はとても面白いゲームなので、皆さんもどうぞ。オープンワールドなうえに続編含めて三作もあるので、時間を削られること請け合いです。ゲームシステムは一方通行だけど似た雰囲気の『METRO2033』も良い...。有名なゲームですが、未プレイの方はぜひ。


以上です。ありがとうございました。

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