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ハンドラー・ウォルターとはだれだったのか(アーマードコア6)

※ ネタバレ情報を含みます。エンディングを含むストーリーについて言及があるので、ご留意ください。
※ 妄想要素をたくさん含むので、以降、本編やPV等の公式と考えて良いと思われる情報については太字で表記しています。(小見出しを除く)

 おはようございます。アーマードコア6、非常に良いですね。グラフィックがきれいだしストーリーも濃いめだしACとネクストの中間ぐらいの機動性があってスピード感があるしPCでできるし…。
 最初は鬼畜ボスの多さからアーマードソウルかよ!と言われまくり、実際に自分もそう感じたところでしたが、二週目以降の武器も内装も揃って高火力アセンでわからせられるようになってからは、アーマードコア感も増してより楽しくなったなと思いました。あとターゲットアシストの使い方とアサルトブーストの有能さに気付くまでもすごい時間がかかったので、それも高難易度の原因だったのかも。

 ちょうど発売日にコロナ陽性になったこともあり、発売直後からたくさん遊んでネット情報にも触れてきたわけなのですが、その中でどうしても納得できないことがあり、情報を整理したくなったので、ここにまとめて記述します。(随時追記があるかと思います)

 それはタイトルにもあるように、「ハンドラー・ウォルターとはだれか」といったお話です。ストーリーを通した結果の自分の見解としては「技研、ナガイ教授の研究室の第一助手」です。しかし2023年9月現在、彼の正体は「第一助手の息子」であるといった見解がネット上の主流となっているようです。なぜだ。


ネット主流「ウォルターは第一助手の息子である」説

 ざっくりと見たようすだと、この推理の根拠は以下に因るようでした。

第一助手の息子の避難先は木星
G1ミシガン総長は木星戦争の英雄
「ウォルターとミシガンは仲が良さそうに見える」

 木星に避難した後になんやかんやあって仲良くなったのだろう…という組み立てのようです。個人的には、これだけで結びつけるのはさすがに無理があるのでは…?と考えています。
 ちなみに戦っている理由は、父の罪を償うためだそうです。

 ここからの「ウォルター = 第一助手」論についての前提条件ですが、「第二助手 = カーラ」は自分も含め多くのレイヴン達がそう考えているようですので、それを前提としています。また「第一助手の息子」については、いちばん怪しいのは「V.Ⅳ ラスティ」ではないかと考えています。この妄想については後述します。

 なお前提条件とするには根拠が微妙ですが、ウォルターやカーラが属するオーバーシアー」はルビコン調査技研関係者の残党集団だとしてこれ以降語っています。カーラ自身が「ある組織が作られた」と語っていますし、「友人たちの残した情報を見つけた」とも発言があるので、ルビコンのどこかにある技研秘密基地みたいな場所で観測を続けて情報を遺していった、語られない人々がいたのでしょう。ただ、ウォルターやカーラの口ぶりからすると、本編中では彼らが最後のふたりなのかもしれないとも感じます。


「ウォルターは第一助手本人である」説

 まず、ストーリー中で見られるウォルターの人物像について並記してみます。
 性格としては「目的のためには手段を選ばないが、それを良しとはしていない」印象を受けます。進みはするけれど罪悪感は感じている、といったような…。思想家じゃなくて責任感で無理に覚悟を決めてるイメージです。

・ 強化人間技術に対する技術・知見を持つ
 621の幻聴について、「必要なら調整する」と発言しているあたりから読み取れるかと思います。もっとも「調整」の方法などは明らかにされていないので、どの程度の専門知識や技術が必要なのかは不明です。
 また第一世代強化人間のスッラと面識があることも、第一助手が強化人間技術の主たる開発者であることを考えれば不思議ではないでしょう。

・ルビコン調査技研及び関連技術について詳しい
 アイビスシリーズ・C兵器群の判別「バスキュラープラント」「ヘリアンサス型」の発言、ザイレムの正体を把握していたであろうあたりからも、明らかにあの世界での一般教養を超えている技研知識を有しています。
 また、オーバーシアーの一員でもあります。彼はオーバーシアーの構成員に対して「友人たち」という連帯感のある表現を用いています。カーラとの掛け合いも「友人」がしっくりくる感じです。そんなに深くはない。
 それはそうとヘリアンサス型襲来の時の「偶然居合わせたにしては数が多すぎる…」という認識、なんだか野生の生き物みたいで面白いですね。

・カーラからのウォルター評
 「あんた、あのウォルターに飼われてるんだって?」「主人を選べる犬はいないが…」「それにしたって、あんたは運が無い。まったく同情するよ
 「あいつ、使い倒してくるだろ。ご愁傷様(笑)」のような冗談めいたニュアンスで、悪人ではないが、目的のためには割と遠慮がない奴といった評価が滲み出ているように感じます。
 もしも「カーラの使命に協力し、父の罪を償おうとする殊勝な息子」だとしたら、「ウォルターはぶっきらぼうに見えるだろうが、まあ、悪いやつじゃない」「お前が良ければ…どうか、あいつを手伝ってやってほしい」ぐらい言ってくれそうな気がします。

・技研の研究や技術に対する責任感・罪悪感を持つ
 強化人間などの「狂った研究成果」やルビコン技研都市を指しての「罪人たちの墓標」などの発言からは、後悔や懺悔のようなニュアンスが感じ取れます。非常に当事者感の強い物言いではないでしょうか。

・技研ACの操縦技術を持つ
 ACは組み換えによる汎用性を謳った兵器ですが、主人公勢を除き、フレームを大幅に変更すると操縦できなくなる(慣れるまでに時間がかかる/機種転換訓練のような?)といった設定があったような気がします。半世紀も前でしかもコーラル技術を用いた特殊な旧式ACのHAL826を操縦できていたのは、やはり過去の杵柄なのではないかと考えられます。

・レイヴンの火ルート最後のメッセージ
 「お前は自ら選び、俺たちの背負った遺産を清算した」「すまない、そして感謝しよう
 仮に第一助手の息子だとして、「俺たちの背負った遺産」と表現するでしょうか。彼は研究者ではなく、しばらくの間研究室に住んだだけですので、この表現は明らかに違和感があります。これは明らかに「当時研究者としてコーラル技術を扱っていた」立場から出る発言です。

 全体を通して、彼はアイビス技研に大きな関りを持つ(かなり中枢に近い)人物であることが推察されます。ナガイ教授はアイビスの火を見届けて死亡、第二助手がカーラとするならば、最も適任であるのは第一助手でしょう。
 半世紀も時間があれば知識はいくらでも勉強できるのではないか、という考えもありますが、ここでわざわざ息子を持ち出すのはだいぶ変化球に過ぎるのではないかと思います。あえて通すのであればそれは、「第一助手が既に死亡している」場合ぐらいではないでしょうか。


第一助手の安否について

 ウォルターの「昔話」に出てくる「家族を捨てコーラルの研究に没頭した科学者」が第一助手であることは、「ナガイ教授の口述筆記(3)」と照らし合わせても間違いないでしょう。同じ話の中の「善良な科学者」は、「映像記録:アイビスの火」に遺されているように、ナガイ教授なのでしょう。

 この昔話の中で、ウォルターはこう語っています。
 「善良な科学者もいた。男の罪を肩代わりし、全てに火をつけ…そして満足して死んだ」と。
 コーラルの研究に没頭した男の罪は、肩代わりされた。つまり、彼はまだ罰を受けていないのです。そうであるならば、少なくともこの時点では、男は生き延びたと考えるのが自然でしょう。
 「ナガイ教授の口述筆記(5)」には、「頼れるのはもはや第二助手しかいない」とありますが、この時点での第一助手は精神混濁状態にあるため、生きていたとしても、何かを託すのは無理だと判断されても不思議はありません。


足跡を妄想する

 ナガイ教授の独白(映像記録:アイビスの火)によると、アイビスの火が熾ることが確定的になった後、多くの人々(おそらく技研都市住民)が惑星外に退避しています。第一助手の息子=あの少年は木星へと向かったようです。

 災害を予見してからの猶予は約48時間でしたが、果たしてこの短時間で、複数の避難先が見つかるものでしょうか。脱出用の宇宙船がどれほどあったのかも特に示唆はありませんが、行き先にそう多くのバリエーションがあるとも思えません。
 画像データ:STKの遺稿の印象では少年はまだそう大きくないので、知り合いと同じ船で同じ場所に避難するのが自然な流れでしょう。そうであれば、第一助手(ウォルター)、さらには第二助手(カーラ)や他の周りの人々も一緒に、木星へと向かったのではないでしょうか。

 木星にはナガイ教授の知己がいました。収まりがいいのでミシガンとします。彼らはミシガンの下に身を寄せ、交流を深めました。

 本筋からは逸れるのですが、気になっている点が「頭部フレーム:HD-033M VERRILL」です。ミシガンの乗機ライガーテイルにも採用されているのですが、パーツの説明文によると、「意匠にはレッドガン総長の意向から「威圧する蜘蛛」が選ばれた」とあります。
 カーラのエンブレムは蜘蛛そのものですし、ウォルターも無理矢理解釈すれば蜘蛛の糸に見えなくもない…と言えます。カーラとウォルターの共通点はオーバーシアーの構成員という所ですし、メンバー間の秘密のモチーフが蜘蛛である…というのも、彼らを繋ぐための妄想の種にはなるのかな、と思います。(しかしオーバーシアー自体のエンブレムには、そういった要素は見られません)
 仮にそうだとすれば、この交流の中でミシガンが共感し、協力関係になれたのかもしれません。アイスワーム戦前の会話で「話はつけてきたぞ ハンドラー・ウォルター!」とあるところからも、二人が目的を一とする(あるいはほぼ同じ)と考えても良いのではないでしょうか。またこの際、ウォルターがRaDを戦力として出せるとミシガンが考えているので、ウォルターとカーラの繋がりについてもミシガンは把握しているようです。
 あるいはカーラと個人的に関係があったか…。あと蜘蛛と言えば技研のシースパイダーもいますが、いまいち繋がりそうにはありませんのでここまでとします。

 コーラルから離れた環境での交流、またアイビスの火を目の当たりにしたショックが良くも悪くも働いたのか、ウォルターに多少の正気が戻ります。代わりに彼を満たしたのは罪の意識です。ウォルターはカーラにそのことを打ち明け、変化を察したカーラは自らが託された役割について語ります。ウォルターは是非もなく、それに協力することを決めました。
 もとの精神混濁状態は醒めたとはいえ、いずれルビコンをもう一度焼き払うという使命は、新たな狂気の始まりとも言えます。彼は強烈な罪悪感の蝕みに耐えるために、また、周りのものを棄てて目的へとのめり込んでしまいます。

 面倒見の良いミシガンとカーラは、しょうがないとばかりに第一助手の息子に生きる術を叩き込みます。彼はここでAC戦闘の技術を得ました。また、軍人ミシガンの薫陶により、戦友という存在の尊さも心に刻みました。

 いずれ大きく育つ彼は、自らの目的の為に羽ばたきます。


第一助手の息子はラスティ説を推したい

 アリーナ説明文でも露骨に出自不明感が溢れている怪しいひとですので何にでもなれそうですが、一番矛盾しそうな点について考えていきます。

 ・例えばアイビスの火 当時10歳前後だとしたら、半世紀後では60代だろうけど、全体的に若さを感じますが

 通信記録:コヨーテスの雑談では、「カーラの野郎だってそうだろ。あの若さで灰かぶりたあ、大ボラもいいとこだ」とあります。カーラが明らかに若すぎて見える理由ですが、やはり技研技術に見出すのが自然ではないかと思います。強化人間か、その他のサイボーグ的技術か…。一般的に普及していない特殊な強化人間手術にその源流があるのであれば、ラスティの「自称第8世代」にも繋がりそうです。
 その場合、どこかのタイミングで手術を受けたのだと思いますが、そこはなんとも確定できません。ルビコン時代なのか、それ以降なのか。
 木星時代であれば木星戦争も関わってきそうに思います。従軍して戦うために受けたのか、戦闘してあるいは巻き込まれて致命傷を負った結果の救命措置として受けたのか…。妄想のし甲斐がありますが、もしカーラが執刀するとしたら、選択の余地の無い後者のほうがあり得そうに思います。

 ほかにも壁越えでウォルターのことを知っていたのもすんなり理由がつきますし、狙撃が得意でカーラの愉快なおもちゃを完璧に扱いきっていたのも、昔の慣れがあったのかもしれません。
 言葉遊びではありますが、「寡黙」で気丈な、「鉄」のような少年と「口枷をつけた」オオカミエンブレムの「スティール」ヘイズで強引に繋げることも…できなくは….。
 なおラスティからは特に寡黙な印象は受けませんが、少年の性格には家庭環境が大きくかかわっていそうな雰囲気だったので、いろいろある中で自分の生きる目的なども見つけて変化していったのでしょう。

 また、カーマンライン突破でラスティを撃破した後、カーラが苦し気に「…戦友か」「覚えておいてやりな… ビジター」と呟くのも、薄々感づいていたところがあったからではないかと信じています。

 また、彼が第一助手の息子であるならば、ルビコン解放戦線についた理由にも妄想の余地が残ります。


第一助手と息子のスタンス

 画家STKのメモにはこう記されていました。
 「教授 二人の助手 少年」「助手1 精神混濁 少年 目の奥に光

 ウォルターは贖罪のために新たな罪を重ね、それに苦しみながらも歩みを止めることは許されません。
 多くの犠牲を生んだ研究成果、アイビスの火に呑み込まれたルビコニアン、破綻を防ぐために活動し死んでいった友人たち、使い潰してきた強化人間。
 既にウォルターは、多くのものを背負い過ぎています。自戒めいて示したものが、あのエンブレムでしょうか。
 彼の精神は、常に闇の中で過去を見つめています。最小限の犠牲で全てを葬り去ろうとする眼は曇り、光は見えません。

 一方の少年。父の所業は、なんとなく理解していたでしょう。研究に没頭して家族を蔑ろにする、その背中を見続けてきたはずです。
 彼はルビコンで育ちました。故郷です。あるいは、ろくでなしの父親への反発心もあったのかもしれません。父とは違い、彼は、この星と生きる未来を夢見ました。友人たちと共に。

 メタ読みのようでなんですが、ナガイ教授関連の複数のアーカイヴズ、さらに最後の独白にまで登場する程度には、第一助手の息子はストーリー的に重要視されています。それならば、やはり本編中でもそれなりのポジションで登場しているというのが妥当でしょう。
 そういったわけで、やっぱりラスティ兄貴が怪しいな…と思う次第です。

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