マガジンのカバー画像

あしたの小窓から。

723
小窓のむこうに、ちいさな「あした」が見える。 ここでは音楽、教育、投資、霊性などについて、考えたり感じたりしたことをつれづれに綴っています。
運営しているクリエイター

2020年3月の記事一覧

不要と不急。

不要と不急。

週に一度行く障がい者施設に、小さめのテレビがある。僕の家にはテレビがないので、この時だけ観ることになる。

で、昨日観て驚いた。どのチャンネルを回してもコロナとシムラしかやっていない。しかも18時、19時、20時と別の時間帯になっても同じニュースをやっている。

「ずっとおんなじ話だ」と利用者さんが不満そうに言った。まったくだと思った。それでクイズ番組に替えたけれど、どうもテンションが合わない。

もっとみる
そこは「だいじょぶだぁ」であってほしかった。

そこは「だいじょぶだぁ」であってほしかった。

志村けんさんが、昨日、亡くなったそうだ。

身内でもなんでもないのにショックで、ヤフーニュースのページで関連する情報を読み漁っている。何かを埋めようとするみたいに。

失くしてみて、意外なほど存在感が大きかったことに気づく。ドリフもカトちゃんケンちゃんもバカ殿も変なおじさんも。そして、僕が父と二人で唯一行った舞台も志村さんの『先ず健康』だった。

感染の一報が入ったときから、この話は「だいじょぶだ

もっとみる
紀さん、いいことゆってる。

紀さん、いいことゆってる。

いま読んでいる若松英輔さんの『生きる哲学』

の冒頭に、『古今和歌集』の序文「仮名序」が引用されている。

 やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあは

もっとみる
宇宙人かもしれない。

宇宙人かもしれない。

「地球人のフリをするのをあきらめましょう」

とカード占いで言われたと奥さんが言っていて、なんだか納得してしまった。

なにしろ僕ら夫婦が歩む道のりは、本に書いてないことばかり。問題が起きて解決するときにも「そんなのきいてないよ!」というところに扉がひらいたりしているからだ。

それでも小中高大学と学校教育を受け、会社員経験もあるから、そこで学んだ「常識」は頭の中に残っている。それは暮らしをらくに

もっとみる
もらいすぎた日。

もらいすぎた日。

きのう、懇意にしているご家族に会いに行った。

ちょっとだけの訪問のつもりだったのに、お祭りみたいに料理をふるまわれ、話をきいてもらい、カゴから出た鳥が飛びまわり、おなかもそれ以外のところもいっぱいになった。夫婦二人ともおしゃべりなのだけれど、帰り道は呆然としてしばらく言葉が出ないくらい。

親しくお付き合いさせてもらっているとはいえ赤の他人、第三者からこんなにしてもらうことって、今まであっただろ

もっとみる
見えぬものこそ。

見えぬものこそ。

「見えぬものこそ」というコピーは、ジブリの『風立ちぬ』だったかなと思ったら『ゲド戦記』だった。書いたのは糸井重里さんらしい。

そのコピーをふっと思い出したのは、きのう「声だけ」で集う会をひらいたからだ。

いまどき「電話」でつながって、お互いの顔を見ないまま一時間半過ごす。参加してくれた人からは「キャンプファイヤーみたい」「あったかかった」「人と話せてよかった」といった感想が漏れた。

電話だと

もっとみる
生きてる、ってなんだろう。

生きてる、ってなんだろう。

おとといの晩から昨日の朝にかけて、障がいをもつ人の宿泊施設で宿直バイトをした。そこに寝たきりの利用者さんがきた。

彼とははじめて会った。ほかの利用者さんとは大きく違っていた。歩くこともしゃべることも、身体を動かすことさえできない。そういう人のことを「重度の障がいがある」というが「重度」とはそういうことかと知った気がする。

彼は車からヘルパーさんに抱きかかえられて部屋に入ってきた。身体が動かせな

もっとみる
痛恨の下書き。

痛恨の下書き。

僕はかれこれ五年ぐらいこの note を使っている。
いろんなブログのサービスをためしたが、ここが一番相性がよかったからだ。

それに毎日書くと

と誉めてくれるのがひそかに嬉しかった。それで、この数字が一つずつ貯まるのを励みにして毎日書き続けていた。この習慣はなんと一年以上も続いた。

ところが、である。
きのう、この数字がいきなり「2日目」になっていた。

なにかのエラーかな、と思って調べてみ

もっとみる
電話のなにがいやなのか。【メルマガ『生きているQ』より】

電話のなにがいやなのか。【メルマガ『生きているQ』より】

この記事は、㐧二音楽室のメルマガ『生きているQ』の配信記事を加筆修正してお届けしています。(配信登録はこちらからどうぞ。)

こんばんは、澤です。

聴いていただき、
ありがとうございます。

 * * *

先日ご紹介した
声だけで集うオンラインの会
その名も、

イベントページができました!!

記念すべき
初回おためし版は
二日後の

3月25日(水曜日)
午後8時からスタートになります。

もっとみる
コンテンツをころすもの。

コンテンツをころすもの。

ネットで投稿されていた漫画『100日後に死ぬワニ』が、おととい最終回を迎えた。

そして炎上した。
最終回の投稿直後に映画、書籍、物販のプロモーションが行われたこと、エンディングムービーとして制作されたいきものがかりの新曲PVに電通のプランナーの名前があったことがその理由らしい。

個人の思いつきでこつこつ投稿していたものが共感を得て広まる。そういうSNSならではの動きを楽しんでいた人々が、商品を

もっとみる
声で逢いましょう。

声で逢いましょう。

先日、友だちと「オンライン円坐」というのを試みた。

ビデオ通話でつないで円坐をした時に、会ってするのとどう違うかを試す実験。それは参加者に宇宙遊泳のような地に足がつかない浮遊感を感じさせ、つながっているのに「不在」を感じさせる体験になった。

珍しくはあったけれど、心地よくはなかったので「声だけでやってみたらどうだろう」と提案し、昨日やってみた。

驚いた。

映像があるときよりずっと、みんなが

もっとみる
レースを降りたい。

レースを降りたい。

SNSで紹介されていたこのマンガがぶっ刺さった。

男性は「名声」「仕事」「学歴」「地位」「収入」などで値踏みされ、それらにおいて良い結果を出すためのレースに強制参加させられている、という。まさしくそうだなと思う。

特に響いたのは、ここ。

結果が出せない人たちの多くは屈辱を感じながら「いつか見返してやる」と勝者たちの背中を追うか、社会を無視し続けるかしかなくなってしまう。

僕は30代のはじめ

もっとみる
言葉の建造物。

言葉の建造物。

今日、ひさしぶりに会う友だちの家に行った。たぶん二年くらいぶり。

友だちと奥さんと僕と。思いがけず会話がはずんで、長居することになった。

その友だちに前に会ったのは、僕たち夫婦が別居する前だったので会話の冒頭に「なにがあったの?」と尋ねられた。

話せないことは何もないはずなのだけれど、込み入りすぎている気がして「いろいろあって」としか答えられなかった。

それから僕らは、いろんな話をした。い

もっとみる
心折れるとき。

心折れるとき。

今日も『キャプテン翼』を読んでいる。

3月20日まで無料公開という事情もあるけれど、それ以上に読んでいたら止まらなくなって『ワールドユース編』『ROAD TO 2002』『GOLDEN-23』まで一気に読んでしまった。

やっていることは同じなのだ。ライバルが現れて、翼たちが苦戦して、結局勝つ。メンバーの誰かがケガをして、誰か(大抵、岬か若林)が出られなくなって、そいつが最後に戻ってくる。それだ

もっとみる