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詩 「ヒト科・ヒト属・ヒト」
~Wikipediaより抜粋
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5-4 生態的な特徴
〈コトバ〉 と呼ばれるヒト特有の鳴き声で、お互いの意思の疎通が出来る。※注9
※注9 嘘を取り繕っているときや、誤魔化しているときは
鳴き声のテンポが速くなる。また、音程が1度~4度ほど高くなる。
詩 茅空(カックウ)のことを考えている
カックウ 呆けた顔 悪の存在を知らない顔 悪意を未だ知らない顔
生まれたての赤子のような お腹いっぱいのヨトウムシのような
呆けたような顔 カックウのことを考えると 自然と顔がにやけてしまう
考えてにやにやしてしまう ひょっとして太古の昔には
(といっても数千年のはなし) 悪意なんて存在しなかったのかな?
でも案外真実かもしれない いや絶対そうに違いない
元々存在しなかったはずの悪意に晒されて
詩 かっくう(函館市縄文文化交流センター)
眼下に内浦湾を望む、見晴らしの良い国道沿いの高台。自然と調和した、地上一階建てのモダンなコンクリート建築の地下にカックウはいた。そこは不思議な空間だった。必要最小限の照明がカックウだけを照らしていた。通路側の壁には学芸員が一名配置されているが、空間を演出するキャストの一員として、壁と同化するように存在を消していた。現実世界と隔絶された、深い海の中にいるような、穏やかな安心感に包まれた空間。他に観
もっとみる詩 詩を書くこと その四
山のみちを整備すること
わたしが整備している
この山のみちは
まだ名前もないくらいに
知られていないけれど
ひとりだから
少しずつだけれど
それでもいつ人が来ても
いいように
下草を刈ったり
危ないところには
ロープを張ったり
道に迷いそうなところには
目印に なのはな色の
リボンをつけることにした
ときどきは
景色を楽しみながら
沢の音や鳥の声
昆虫たちの声を聴きながら
もしも気まぐれに
こ
詩 「校舎の北側には」
街の中心部から
まっすぐ伸びる大通りを進むと
立派な校舎の壁面に垂れ幕が数張
誇らしげに掛かっているのが見える
一方誰も知らないことだが
いくつかある建物の一番奥
誰も入れない場所
誰の目にもつかない場所
その一番奥の校舎の北側の壁にも
小さな垂れ幕が数張掛けられていた
お経のようにびっしりと文字が書かれたそれは
教育の敗北を記した懺悔の記録だった
詩 詩を書くこと その六(個人的な理由)
ある日、自分でも書いてみたくなって、〈確信を持って〉詩が書けそうな気がして、書いてみたらすらすらと書けたんです。客観的な出来不出来は兎も角、自分が納得出来る詩が書けたんです。それで書き始めました。〈へえ、自分にも詩が書けるんだ〉そのことが嬉しかったんです。それに詩の世界は何の制約も無くて自由だし、短いから書くのも読んでもらうのも気楽でいいなと思ったんです。
ところで書いてみたくなったのには、直