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カラス以下

中の橋のハシブトガラス、ゴロー。 
今朝は共愛会病院の表玄関の、低い屋根の上にいた。
この何日か、気持ちの良い亀田川沿いの道を避け、高砂通りを歩いているのは、ゴローに合わないようにするため。なのにご丁寧にその高砂通り側にいた。
ごそごそと何かやりながら、私に気が付くと、明らかに殺気立った短い警戒音で威嚇してくる。そして案の定、後ろから電信柱伝いに低空飛行で付いてくる。私の後頭部をバチンとやるつもりで、隙を窺っている。 
仕方なく、警戒しながら、ゴローの縄張りを通過する。
頻繁に後ろを振り返りながら、両腕を頭の上にあげて防御する。馬鹿馬鹿しい。でもやむを得ない措置。 
亀田川を跨ぐ中の橋の交差点を越えて、白雲殿の前まで来ればもう大丈夫。ゴローの縄張りは白雲殿まで。ゴローが威張っていられるのは白雲殿の前までだ。(今まで気が付かなかったけど、亀田川を挟んだ位置に病院と葬儀場があるんだな。)
それを過ぎると別のカラスが二羽、緊張感のない様子で電柱の高いところに止まっている。
それにしても繁殖期を過ぎてまだイラついてるのはゴローだけ。交通公園の連中も、税務署の前のハシボソガラスも、まったりリラックスしているというのに。
イラついたゴロー。いつもひとりでいるゴロー。
私のことを仲間とでも思っているのかな。
いつも黒いシャツを着ているから、図体のデカい、(飛ぶことの出来ない)鈍臭いカラスだと思われているのかもしれない。
ゴローもこんな所にひとりでいるくらいだから、カラスの社会では下っ端なんだろうな。
日頃いじめられている鬱憤を、私で晴らそうというわけか。


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