New Face of Japan

New Face of Japanは、“多様でインクルーシブな日本社会” を目指して活…

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New Face of Japanは、“多様でインクルーシブな日本社会” を目指して活動する任意団体です。noteでは、外国にルーツを持つ人々の生の声を、インタビューやエッセイを通して発信します。Webサイトはこちら→https://www.newfaceofjapan.org

記事一覧

New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part3/3): 「日本人」の定義はとても狭い/多様性を可視化し、個人を尊重する…

前回(Part1、Part2)に引き続き、今回のインタビュイーは、日本とアメリカのミックスで、TwitterやInstagramで女性蔑視や人種差別に対して批判を投げかけ続けているあんな…

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New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part2/3): ミックスルーツの人に向けられる偏見や期待/国籍選択や参政権で感…

前回(Part1)に引き続き、今回のインタビュイーは、日本とアメリカのミックスで、TwitterやInstagramで女性蔑視や人種差別に対して批判を投げかけ続けているあんなさん。…

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私がハーフだから友達になりたいの?

「いい?いじめられたりしたらいつでもお姉ちゃんに連絡してよ?すっ飛んでぶっ飛ばしてあげる!」  腹違いの姉と初めてメールアドレスを交換したとき、彼女にそう言われ…

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New Face of Japan Interview第1弾あんなさん (Part1)

New Face of Japanは、多様でインクルーシブな日本社会の発展を目指して活動しています。多様なルーツを持つ方々にインタビューを行い、その声をイラストやインタビュー記…

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○○人とは友達になれないと言われて

 小学校に入る少し前、母の勧めで日記をつける習慣をつけた。おかげで、私の部屋の本棚には日記帳がずらりと並んでいる。開けば殆どは「今日帰り道に面白い虫見つけた」と…

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抗う偽善者

 ドイツに来てから早三か月が経った。十ヶ月の留学は長いぞと考えていたが、慣れてしまうと時間の経過が早いものである。日本の親や知り合いたちからなんとなく逃げたい気…

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ザリガニは地雷の上を歩く

 日本人の女性の多くは、肌にすごくこだわる生き物だと思う。生まれ持っての性分なのか、大人たちの影響なのか、「スキンケア」という言葉は小学校高学年から友達の間で聞…

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人は人、ナショナリティは帰郷

 Sarina 著  外国人かと思ったら自分と同じ日本人だった、なんてことは、誰もが一度は経験しそうなことだと思う。私はどちらかと言うと「外国人だと思われる」ポジショ…

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天秤

 国籍の話や民族の話で、よく「血」について人はメンションする気がする。例えば「白人の血」とか「日本人の血」とか、要は血筋の話だ。筆者は特に、イギリス人の父と日本…

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Acting Japanese

"I need to act more Japanese." Every day is a survival from discrimination. I try to talk like Japanese, think like Japanese, look like Japanese, and like …

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「日本人らしく」

「日本人らしく」しなきゃ。 話し方も 振る舞いも 見た目も 好みとかも とにかく日本人らしく。ほかの子たちと合わせなきゃ。 大丈夫かな、変だと思われていないかな…

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「完全な日本人」ってなんですか

昔からすごく気になっていることで、「ハーフ」という表現にまつわることがある。 日本人の母とイギリス人の父を持つ私は、いわゆる「ハーフ」というやつで、「半分日本人…

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「なんか英語話して」って何だ。

「ねえ、なんか英語話してよ。」 またか。 同級生からのこんな質問は日常茶飯事だ。適当に英語をつらつらと話せば「かっこいい~!」とお決まりの反応が返ってくる。小学…

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noteはじめてみました、上條アオイです。New Face of Japanで活動しています。
ハーフや外国人など、外国にルーツを持つ人の日本での葛藤を、自分の体験談を通して発信していきます。
日本に定着している偏見や誤解が少しでも見直されるきっかけになったらうれしいです。

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New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part3/3): 「日本人」の定義はとても狭い/多様性を可視化し、個人を尊重する原則を広めて

New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part3/3): 「日本人」の定義はとても狭い/多様性を可視化し、個人を尊重する原則を広めて

前回(Part1、Part2)に引き続き、今回のインタビュイーは、日本とアメリカのミックスで、TwitterやInstagramで女性蔑視や人種差別に対して批判を投げかけ続けているあんなさん。このインタビューでは、彼女が今までたどってきたルーツ、そして今の世の中に思うことを語っていただきました。

インタビュアー:ななみ、あおい

▶血、文化的プラクティス、名前、外見が全部そろって初めて日本人とさ

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New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part2/3): ミックスルーツの人に向けられる偏見や期待/国籍選択や参政権で感じる排除

New Face of Japan Interview第1弾 あんなさん (Part2/3): ミックスルーツの人に向けられる偏見や期待/国籍選択や参政権で感じる排除

前回(Part1)に引き続き、今回のインタビュイーは、日本とアメリカのミックスで、TwitterやInstagramで女性蔑視や人種差別に対して批判を投げかけ続けているあんなさん。このインタビューでは、彼女が今までたどってきたルーツ、そして今の世の中に思うことを語っていただきました。

インタビュアー:ななみ、あおい

▶ミックスルーツの女性が経験する苦悩ーーーななみ:海外にルーツを持っている女性

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私がハーフだから友達になりたいの?

私がハーフだから友達になりたいの?

「いい?いじめられたりしたらいつでもお姉ちゃんに連絡してよ?すっ飛んでぶっ飛ばしてあげる!」

 腹違いの姉と初めてメールアドレスを交換したとき、彼女にそう言われた。隣県からたまに遊びに来る2つ上の彼女は、幼いころは随分と意地悪だったのに、私が中学生に上がる頃には、何故かとても可愛がってくれるようになっていた。

「いきなりどうしたの?」

何かのドラマの影響でも受けているのだろうか。そんなことを

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New Face of Japan Interview第1弾あんなさん (Part1)

New Face of Japan Interview第1弾あんなさん (Part1)

New Face of Japanは、多様でインクルーシブな日本社会の発展を目指して活動しています。多様なルーツを持つ方々にインタビューを行い、その声をイラストやインタビュー記事を通して発信しています。

今回のインタビュイーは、日本とアメリカのミックスで、TwitterやInstagramで女性蔑視や人種差別に対して批判を投げかけ続けているあんなさん。このインタビューでは、彼女が今までたどってき

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○○人とは友達になれないと言われて

○○人とは友達になれないと言われて

 小学校に入る少し前、母の勧めで日記をつける習慣をつけた。おかげで、私の部屋の本棚には日記帳がずらりと並んでいる。開けば殆どは「今日帰り道に面白い虫見つけた」というようなくだらない話であるが、ここに執筆している話の多くは、日記を読み返して思い出したものが多い。一方、日記の他に貯めているものと言えば、昔使っていた授業用のノートやメモ帳などがある。いい加減いつかは捨てないといけないが、見返すと面白くて

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抗う偽善者

抗う偽善者

 ドイツに来てから早三か月が経った。十ヶ月の留学は長いぞと考えていたが、慣れてしまうと時間の経過が早いものである。日本の親や知り合いたちからなんとなく逃げたい気持ちもあって来たので、ホームシックなど一度も感じていないが、それでもたまに日本にいる友人たちと話したくなる。

 ありがたいことに「今日暇かい。」とLINEを送ると、「久しぶりに話したかったよ。」とすぐに返事をくれる友人が結構いたりする。大

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ザリガニは地雷の上を歩く

ザリガニは地雷の上を歩く

 日本人の女性の多くは、肌にすごくこだわる生き物だと思う。生まれ持っての性分なのか、大人たちの影響なのか、「スキンケア」という言葉は小学校高学年から友達の間で聞くようになったと思う。中学にもなれば、メイクやコスメに次いでよく出る話題になった。

 バレエのリサイタルのときくらいしか化粧をしないし、顔は朝と夜に石鹸で洗うだけの私にとって、そういった「ガールズトーク」は全く興味を持てなかった。爪弾きに

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人は人、ナショナリティは帰郷

人は人、ナショナリティは帰郷

 Sarina 著

 外国人かと思ったら自分と同じ日本人だった、なんてことは、誰もが一度は経験しそうなことだと思う。私はどちらかと言うと「外国人だと思われる」ポジションに置かれたことの方が多いが(出身が海外なので間違ってはいないけれど)、同時に、勝手に外国人だと思い込んでいた人が日本人だった、ということも経験している。

 ナショナリティというのは慎重に扱わないと危険なので、私はマイルールとして

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天秤

天秤

 国籍の話や民族の話で、よく「血」について人はメンションする気がする。例えば「白人の血」とか「日本人の血」とか、要は血筋の話だ。筆者は特に、イギリス人の父と日本人の母の間で生まれ、両家がお互い違う文化や国の背景を持っているので、血がどうこうという話は頻繁に聞いていたと思う。特にそこまでこだわっていたわけでもないが、聞き慣れたからか、幼少期から長い間、自分の体の中で、「イギリスの血」と「日本の血」の

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Acting Japanese

"I need to act more Japanese."

Every day is a survival from discrimination.

I try to talk like Japanese,

think like Japanese,

look like Japanese,

and like like Japanese.

I need to blend in. Don'

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「日本人らしく」

「日本人らしく」

「日本人らしく」しなきゃ。

話し方も

振る舞いも

見た目も

好みとかも

とにかく日本人らしく。ほかの子たちと合わせなきゃ。

大丈夫かな、変だと思われていないかな。

口を開く度に、うっかり変なことを言わないようにしないと。

掌は汗でびっしょり。

「なんかアイツ話し方変じゃね?」

「わかる。あとちょっと私たちと考え方ずれてるよね。」

「しっ。あの子外国人だから。」

「ああ、日本

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「完全な日本人」ってなんですか

「完全な日本人」ってなんですか

昔からすごく気になっていることで、「ハーフ」という表現にまつわることがある。

日本人の母とイギリス人の父を持つ私は、いわゆる「ハーフ」というやつで、「半分日本人、半分イギリス人」という認識をされていた。

始めに言おう。「半分日本人、半分イギリス人」という認識は全く違う。私は完全な日本人でありながら、同じく完全なイギリス人である。半分だけ、ということではない。

なので、私はどちらかというと「ハ

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「なんか英語話して」って何だ。

「なんか英語話して」って何だ。

「ねえ、なんか英語話してよ。」

またか。

同級生からのこんな質問は日常茶飯事だ。適当に英語をつらつらと話せば「かっこいい~!」とお決まりの反応が返ってくる。小学校から高校まで、このやり取りは何度も繰り返してきた。

父親がイギリス人で、見た目もどこか西洋寄りで、家では英語を話して、勉強をしなくても英語のテストで満点をとれる私は、きっと周りの子のもつ「ハーフ像」にぴったりとはまる存在だったのだと

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noteはじめてみました、上條アオイです。New Face of Japanで活動しています。
ハーフや外国人など、外国にルーツを持つ人の日本での葛藤を、自分の体験談を通して発信していきます。
日本に定着している偏見や誤解が少しでも見直されるきっかけになったらうれしいです。