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仏教

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#読書記録

マインドフルネス習慣化は、大きな変化を私たちにもたらしてくれる。【マインドフルネスを習慣化する生き方14】

マインドフルネス習慣化は、大きな変化を私たちにもたらしてくれる。【マインドフルネスを習慣化する生き方14】

マインドフルネス瞑想を習慣化する生き方について連載しています。

以前の記事で述べたように、マインドフルネス瞑想を「習慣化」するという場合は、仕事や家庭などで精神的なストレスやプレッシャーを感じたりした時に、一時の感情に心を支配されず、「呼吸に気づく」ことをはじめとして、とりあえず「今・ここ」に意識を向けられるようになることを指します。

一方「瞑想」を実践している最中は、「自動操縦のごとく勝手」

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「慈しみ」と「気づき」は、ブッダの教えを実践するための両輪。

「慈しみ」と「気づき」は、ブッダの教えを実践するための両輪。

誰もがブッダを目指すために大切なことは「呼吸」を観察すること、さらに「気づき」であると述べましたが、

意識的な「呼吸」や「気づき」を実践することにおいては、常に「慈しみ」の気持ちをもつようにすることも重要であるように思います。

ブッダの重要な教えのひとつである「慈悲」については、以前に述べましたが、

この「慈しみ」の気持ちを持つということに関して、ティク・ナット・ハン師は『ブッダの〈気づき〉

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大事なのは心の修養、サティ、マインドフルネス習慣。『ブッダが説いた幸せな生き方』⑪

大事なのは心の修養、サティ、マインドフルネス習慣。『ブッダが説いた幸せな生き方』⑪

前回は、『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)を読みながら、心こそが全ての行動の出発点であるとし、心を制御するための瞑想法として、「シャマタ」と「ヴィパッサナー」、そしてその違いを取り上げました。

著者である今枝由郎氏は、ブッダが真に推奨したものである「ヴィパッサナー」に関して、「これこそが仏教独自の本質的な瞑想法で、究極の真理、心の完全な解放に連なるもの」であるとしています。

またワール

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心こそが全ての行動の出発点! 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑩

心こそが全ての行動の出発点! 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑩

ブッダの教えを学びながら幸せな生き方を始めてみませんか?

前回は『ブッダが説いた幸せな生き方』を読みながらブッダが説くカルマ(業)の特徴について述べました。

そのなかでブッダのカルマ論を考えるうえで重要なのは「行為そのもの」というよりも「自分自身の意志」なのであると述べましたが、『ブッダが説いた幸せな生き方』の著者である今枝由郎氏は、ブッダの、

「弟子たちよ、私はチェータナー(意志)をカルマ

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ブッダが説くカルマ(業)の特徴とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑨

ブッダが説くカルマ(業)の特徴とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑨

ブッダの教えを学びながら有意義な生き方を始めてみませんか?

前回は『ブッダが説いた幸せな生き方』を読みながら「八正道」「戒定慧」とは何なのかについて述べました。

今回はブッダが説くカルマ(業)の特徴についてです。

現代日本においては、「業(カルマ)」というと、「原因と結果の法則」もしくは「運命の法則」だと誤解されていることが多いように思います。

「自業自得」「業が深い」「因果応報」など、本

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苦しみの根源的な要因「三毒」とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑥

苦しみの根源的な要因「三毒」とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑥

前回は『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)を読みながら「無常」と「無我」の関係を取り上げましたが、今回は苦しみの根源的な要因といえる「三毒」についてです。

この本の著者である今枝由郎氏は、人間は全てのものが虚仮(こけ)であるという本質を知らずにそれを誤って実体と見なす、ことに、

と述べています。

ちなみに貪瞋癡(とんじんち)というこの「三毒」については、以前にもnoteで取り上げたこと

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<無常>と「無我」の関係とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑤

<無常>と「無我」の関係とは❓ 『ブッダが説いた幸せな生き方』⑤

前回は『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)を読みながら「無常」を取り上げましたが、

この「無常」について考えると、どうしても「無我」というものについても言及せざるを得ません。

著者の今枝由郎氏は、

「この無常というものごとの本質は、当然のこととして「私」「我」という概念にも当てはまります」

と述べていますが、一体どういうことでしょうか❓

この「無我」については以前に詳しく述べたこと

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ブッダが目覚めた「縁起」とは何か? 『ブッダが説いた幸せな生き方』③

ブッダが目覚めた「縁起」とは何か? 『ブッダが説いた幸せな生き方』③

前回の記事では、『ブッダが説いた幸せな生き方』(岩波新書)のなかで、著者の今枝由郎氏が、

「(一)条件付けられた生起(縁起)としての苦しみ」
「(二)ものごとの移ろい(無常)による苦しみ」

は、「苦しみの両面と見なしたほうがいい」と指摘しており、その点は、「ドゥッカ」(苦)の本質を考えるうえで非常に重要であると述べました。

では、「条件付けられた生起(縁起)」とは何でしょうか?

「縁起」に

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