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東雲そら
2021年1月1日 14:03
空想の果て手の届かない空を想う君に伝えられない真意は深夜に置いたまま今は目の前を見つめよう希望を胸に朝日を浴びるの夜が明けるね新しい年の始まりだよここが私のお気に入りの場所海が綺麗でさ 静かな波の音が好き君にだけ打ち明けるの水平線にオレンジが浮かび空は滑らかな青に切り替わるあと少しあと少しで今年初めての朝ああ君の晴れやかな笑顔が昇って嬉しい二人き
2020年12月29日 02:11
朝 目を覚ますと光が差すから目を背けたくなる1日の始まりが朝だって誰が定義付けたの私にとっては藍色の空が微かに世界を跨ぐ瞬間に始まるの皆が目を瞑る頃世界を切り取って皆が目を覚ます頃夜明け前の仄かな暗さを引きずる長い前髪は何のため?見つめたいものを選ぶため君は私の写真を褒めてくれて君は私にとって暖色そのもの深海に差す君の笑顔と藍色の空それだけを視界に入れられた
2020年6月5日 18:03
夜を彷徨う雨がしずかな時を奏でてくれる未明にブルーアワーを撮る君も今日は天井を眺め朝を迎えるだろう年を跨ぐ度 月を跨ぐ度 夜を跨ぐ度胸に手を当てて鼓動に耳を澄ます夜に交わすメッセージは世界を潤す雨のように僕の心を君で満たす雨は月を隠すね 月が隠れても露わになってもこの想いは不変で雲に覆われた方が君を考える時間は長い月が変わっても月が変わる直前でも雨の日は電波を通して君と
2020年4月12日 18:53
君は歌う。未明から桟橋で横たわり歌を歌う。 空の色が藍色と紫と黒のグラデーションで曖昧な今に自己投影する。朝が来たら毅然とした青空と太陽が君を炙り出す。 陽が登らない頃にだけ見える世界。不安も高揚も過去も未来も、この刻だけは許容できる。 18時30分になれば星空が跨ぐ、君は誰も星を仰がない時間に自分を見つめる。 君が最も君らしいこの時刻に寝ている僕は、君を理解したそぶりを見
2020年5月13日 19:03
朝の4時。LINEの通知音が鳴った。バイブを消していなかったかと後悔しながら表示された送り主を確認した。ああ、あの子か。あの子と言っても同級生だ。変わり者と揶揄されて未明の夜空を撮ることに定評がある女の子。大体の人は彼女を嗤う。変なやつ。不気味。近づきたくない。前髪は目にまでかかり、少し青白い不健康そうな肌が目立つ。それにお昼休みはあまり話さず、狂気性を孕んだ純文学を読んでいる。
2020年5月19日 19:05
未明の頃合いに私は外に出て桟橋に横たわり写真を撮るこの時間にだけ姿を現す紫と青が入り混じった空、ブルーアワーを瞳とカメラに収めるのが日課だ私がこの空を撮る理由はまだ私が始まっていないから陽が登らないこの時間が私に味方してくれるような気がした私は未熟で未完で未成年で物語は始まってさえいない誰か1人、理解者が欲しかった派手なブランドや飾りのための恋愛、見栄だけに留まらない人と繋
2020年7月10日 18:21
君が撮ったブルーアワーがコンテストで大賞を受賞して第三者に評価された それは喜ばしいでも実際のところは君の辛さや願いが込められたその写真が誰かに届いたこと君が早く起きて撮り納め努力が報われたことその背景に僕は心打たれるんだ君が切り取る世界は白昼に空を仰ぐことを躊躇う人にきっと届くだろうね明るくない空でも日が出づる前の空でも夜明けを望む空は綺麗だって想いは
2020年6月28日 15:13
「今日はブルーアワーん撮る気分じゃない。」夜明けを待つ時刻に君から届いたメッセージ。「どうして?」僕の返信にすかさず答えた。「わずかな時間に空を占めるブルーアワーの色が好きだったみたい。」「うん。」「無理して早起きして仰ぐブルーアワーが好きだったみたい。」「うん。」「無理して早起きしてわずかな時間、集中して撮るより好きな習慣ができたみたい。」「それは何?」少しの間、と言っ