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ふとーこーエッセイ【15】この高校にかける!直感を信じて

この高校にかける!直感を信じて

その通信制高校の説明会には
3組の親子と在校生5名、主催者とで
15名程度が参加していた。

想像通り、こじんまりしたものだった。
運営を担う会社の一室が今日の集合場所だった。

主催者側には
いわゆる校長のポジションの方と事務方がおられ
テーブルや椅子をセッティング中。
わたし達も初対面だがさっそく手を貸した。

本当にできたばかりの高校。
在校生はこの秋に入学したという十数名のみ。
校舎はないらしい。

いわゆる一般しか知らなかったわたしとっては
新鮮さ、戸惑い、驚き、好奇心、警戒感
そんな気持ちが入り混じった感覚だった。


参加者少人数というメリットを生かし
互いの顔を見て話せるようにと
椅子をサークル状に配置した。

順に自己紹介することに…(汗)
校長にはじまり、在校生からスタート。

高校が合わず中退し、その後、転入した子、
新設情報をTwitterで知り、わざわざ前の高校を退学して入学した子、
社会人になって再度学び直したいと一念発起で入学した人、
本当に多種多様な生徒さんで構成されているようだ。

みんなが歩く道に
息子を戻すことしか考えていなかった自分を
嘲笑したくなった。
本当に狭い世界で、息子と対峙していたのだなぁ…と。

今回の説明会で校長は、
子供たちにいわゆる「まわし」を任せていた。
不慣れだが、失敗を恐れずチャレンジする、させる精神、
任せる側の生徒への信頼を感じた。

生徒たちはみんな明るかった。
しっかりと酸素を吸えている感じ。
まだ高校生だ、
自分らしさには、あどけなさが滲み出る。
彼らの居場所になっているようにも思えた。

夫の自己紹介のあと、
順番はわたしに回ってきた。
(ふー…ドキドキする、こういうのは苦手)

参加した経緯や息子の状況に軽く触れ、
今日ここに来て感じたことを
素直に自分の言葉で語った。


互いの背景が把握されたのちの
フリートーク!

自由に、質問したり、それに答えたりと
トークは徐々に盛り上がっていった。
最初は様子を伺っていた隣に座る強面のお父さんも
この短時間で気持ちがほぐれているように見えた。


「不登校って、何もしないでラクそうに見えるかもしれないけど、実はめちゃめちゃシンドイんですよ(笑)。なんで学校行けないんだろって自分で自分を責めちゃうし、ダメだぁって思いながら毎日その自分と付き合うしかないんです。学校に行けてる人とか親とか、世界がみんな敵に見えてきたりして笑)。親とか大丈夫だよって言ってくれるんですけど、絶対どっかで大丈夫じゃないって思ってるって…敏感にキャッチしちゃうんですよねー」

在校生のひとり、女の子が胸の内を語った。
(そうなんだ…シンドイんだ。全然わかってあげてなかったかも)

「自分は本当に中学がつまらなくて、あオレ、中高一貫に受験で入ったんですけど、なんのためにこの教科を勉強するのかとか、これ意味あんのかな?って。ネット社会に劇的に変化してるいま、大学に入るためのただただ忙しいだけの学校生活に疑問を持ってしまって。もっと自分がやってみたいこととかそのための勉強がしたくて、今日ここに来ました!」

これは参加した側の、息子と同じ中3の男の子のお話。
(うわ、しっかりしてるー。けど、せっかく入った一貫校を退学してここに来るってマジでツワモノだな。お父さんは隣で苦笑い(笑))

「自分は、もともと子役の劇団に入っていて、そんな環境もあってか初めから普通高校に行くつもりはなくて、ここと、N校と迷って、結局N校にしました(笑)。でもここもとても魅力的な高校なので、ぜひこれから交流していきたいし、コラボでなにかやりたいなぁみたいに考えてます!」

(え?ここの在校生じゃないの?なのにここにいる。不思議…つか何でもありやな)

「自分もこの子と同じ劇団出身で、今はこの高校に所属しながらミュージカルのオーディション受けたりしています」


カルチャーショックが半端ない…(驚)
そしてみんな、我が家にはない価値観やバイタリティ。
参加者も、在校生やその仲間も、みんな今まで知り合ったことがないタイプの人々。
親御さんも、さまざまなのだろう。

夫の顔にチラリと目をやる。
長年その横顔を見てきただけある。
夫も完全にカルチャーショック顔だ(笑)


最後に、椅子サークルは解体され、
参加した親子3組で話すことになった。
同じ境遇で今後のことなど参考になる話ができればと
主催者がはからってくれた。

とはいえ、子供の状況も親の価値観もそれぞれ。
なぜか、みんな男の子だったけれど、たまたまか。
うちの息子は布団の中だ…

「ここに入ると、毎日はどう過ごすことになるんですかね?」
「カリキュラムとかはなさそうですよね」
他愛もない会話だけど、親の苦悩的な感覚は共通していた。


すでにある通信制高校と提携すれば、高校はつくれるらしい。
通信制高校から出される課題をやり高卒に必要な単位をとる。
この新しい高校の活動をメインに能動的な学びをする。

どんな高校生活になるのか、まだ全く想像はつかなかった。
まだ立ち上げたばかりで、運営も手探りなのかもしれない。
ただ漠然と直感で、自由で能動的な未来の可能性を感じた。



帰り道、夫と並んで歩く道すがら
それぞれは不思議な空気に包まれていた。
言葉を交わさなくても互いの気持ちはなんとなくわかる。
共通な思い…
「とりあえず、今日の見たこと感じたこと、そのまま息子に話そう」
だった。


どんな反応をするかなぁ?
うまく伝えられるといいけど。



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